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哀れな男
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「で?結局クロエの件はどうなったんだ?」
「ああ、考える時間が欲しいって言って逃げてきたよ。断っても断っても離してくれなくてな。それでどうにか納得してもらった」
クロエの話になると、こいつ一気に老け込むな。遠い目で運河を眺めるアドルフは、彼女の話になると途端に体が小さく見えた。全く情けない。まぁ相手が相手だから仕方ないが。
アドルフは小石を一つ運河に投げ入れると、二人は立ち上がった。そろそろ戻るか。二人が振り返ると、こちらに走ってくる彼女達が見える。
「お二人とも!ここにいらしたんですか!お二人にお願いしたいことがありまして!」
メアリーがレイ達を連れ、そして何故かクロエもそこにはいた。
「是非ともお二人に私達と共に王都に行ってほしいのです!騎士隊長ケイト様も是非王都にとのことでした」
王都か。確かに一度行ってみたいところではあるな。だが次の行き先を決めるのはアドルフの方がいいだろうと、テツがアドルフを見ると、彼は顔を顰めていた。
「王都か。確かにそろそろ行かなければならないのかもな。だが……」
アドルフが顎に手を当て考え込む。もしかしたら実家のある王都は行きづらいのかもしれない。
「わ、私も一緒に行くぞ旦那様!護衛ついでの新婚旅行だ!楽しみだな!」
クロエの言葉に今度はテツが顔を顰める。新婚旅行なら二人きりでやってほしい。しかも護衛ついでにって、そんな新婚旅行楽しくないだろ。
「一度カプリ伯爵と話してからでもいいんじゃないか?何か情報が集まっているかもしれないし」
悩むアドルフにテツが助け舟をだす。伯爵家なら、もし国内で何か変化が起きていたなら情報が入っているかもしれない。行動を起こすならそれからでもいいだろう。
「そうだな、テツの言う通りだ。メアリー、悪いがその話は保留にしてくれ。俺たちにも色々やることがあってな」
そうですか、とメアリーは残念そうに肩を落とす。しかしそれ以上にクロエはショックを受けたようで、驚愕と言った表情をしていた。
「な、なんでだ旦那様!?私との新婚旅行より、テツさんとの予定を優先するのか?」
クロエはアドルフにつかみかかりそうな勢いで問いただす。こいつ、思ったより面倒くさいな。アドルフとテツの顔は既に引きつっていた。
「あ、いや、男にも色々あるんだ。それにまだ旦那様って呼ぶのには早いんじゃないか?」
「男にも色々?ハッ!?そうか。旦那様はそっちもイケる方だったのか……。いや、しかし!私はそれでも旦那様を愛そう!それでも私にもしっかりと愛を注いでくれよ……」
「「おいちょっと待て、やめろ」」
テツさんも家族になるのか、と呟くクロエに二人は慌てて否定をする。その後ろではメアリーが「まぁ!」と頬を染め、レイは何故かうんうんと頷いていた。お前達は何を喜んでいるんだ。
「いいかクロエ。俺たちはそんな関係じゃない!その目をやめろ!そんな暖かな目でみるんじゃない!」
「何を言うかテさん。愛の形は魔法のように自由で無限なんだ。あ、でも夜の調理は旦那様だけにしてくれよ?私の体は旦那様の物。下ごしらえさえさせないぞ?」
「なんの話だ!?全然上手くないぞその例え!おいアドルフ!お前からも何か言ってくれ!」
「俺は、なんかもう疲れた……」
「諦めるな!お前が諦めたら全てが終わってしまう!」
「テツさん。疲れた旦那様を癒すために、夜の調理でもして差し上げよう。夜の煮込み料理なんてどうだ?疲れがほぐれていいんじゃないか?」
「だから上手くないんだ!「夜の」を使えば何でもいいと思うなよ!?」
アドルフは疲れ果て、俺の人生どこで間違ったんだろうか、心ここにあらずという表情で運河を眺め呟いている。一方テツは何とか誤解を解こうと必死だが、何故かクロエサイドにメアリーとレイも加わり楽しそうにアドルフとテツについて語り合っている。
「メル、ミル!お前達は分かってくれるよな。俺たちは仲間だもんな!」
どうしようもない三人を放っておき、それを眺めていた二人に助けを求める。だが二人には刺激が強い話だったのだろう。頬を真っ赤に染めた二人は、お互いの目を手で覆い、耳はぺたんと垂れ「何も聞こえてない」とアピールしていた。
仲間を失ったテツは項垂れ、初めて異世界が怖いところだと知るのだった。
「おお!帰ったか!ご苦労だった!話しは聞いている!皆大活躍だったそうだな!……所でアドルフ殿とテツ殿、大丈夫か?」
港町に戻り、カプリ伯爵家に戻った一同は、伯爵に出迎えられ客間に向かった。ただその中でテツとアドルフだけが疲れ果てていた。事情を知らない伯爵は「熾烈な戦いだったのか」と納得することにした。まぁある意味その考えは正解であるが。
騎士隊長ケイトが、伯爵に今日の出来事を報告し、そして退出していった。ケイトもテツ達に礼をしたいと言っていたが、二人考える時間が欲しいと保留していた。
「お父様!私クロエは、アドルフ殿と結婚することに決めました!」
ケイトが部屋から出ていったタイミングでクロエが立ち上がり宣言する。屋敷に来る前からかのzぃ世はソワソワしていた。言いたくてたまらなかったのだろう。それがわかっていても止められないアドルフの顔は更に老け込んだように見える。
アドルフの顔を見て、伯爵は察したのだろう。一瞬憐みの表情をアドルフに向け、それを見たアドルフは、救いを求め伯爵を見る。
クロエは貴族だ。それも一人娘であり、伯爵家の跡取りだ。その親である伯爵結婚を認めなければ、それは難しいだろう。更にアドルフは元公爵家の人間と言えど、今は平民だ。平民が伯爵家の婿養子になることは難しいだろう。
「そうか。分かった!クロエがそう言うなら私は賛成だ!アドルフ殿!娘をよろしく頼む!」
だが伯爵はアドルフの予想外なものとなる。あまりにも予想外過ぎて、アドルフは口を大きく開け、唖然としていた。そしてニヤリと笑う伯爵を見て理解する。
こいつ、面倒を押し付けやがった、と。
正直、伯爵はクロエに手を焼いていた。教育のおかげか、外面はいいが、中身はどうしようもない変態だ。クロエが幼い事に妻を亡くした伯爵は、女であり変態であるクロエにどう接していいのか正直悩んでいた。
伯爵とアドルフは昔からの知り合いで、彼の事を信頼している。それにアドルフは元公爵家の人間だ。その血筋も問題ない。
「はははっ!ご冗談を伯爵様。私なんかが、伯爵様の一人娘を貰うなど身に余ります」
「はははっ。何をいうかアドルフ殿。貴殿は信頼できる人物だ。いつか爵位を貰うような偉業も果たすだろう。愛娘を頼んだぞ?」
喜ぶクロエに、それを祝福するメアリー達をよそに、伯爵とアドルフは笑顔で話し合うがその眼は笑っていない。娘を押し付けたい伯爵に、面倒を押し付けられたくないアドルフ。二人の攻防をテツは呆れながら見ていた。
「伯爵様、お客様がお帰りです」
その時一人のメイドが部屋に入り、伯爵に告げる。そしてメイドの後に入ってきた人物により、アドルフは心を折られることとなる。
「おお!いつもご苦労だったな!今年の出来はどうだ?」
伯爵はすぐさまその人物に対応し、そしてその人物を見たテツとアドルフは顔を青くし固まってしまう。
「今年もいい出来よぉ!いつも助かっちゃうわ伯爵ちゃん!」
入ってきたガタイの言い男二人、ではなく女性二人は、以前カプリの街でテツとアドルフの服を見繕ってくれた服屋の二人だった。後でわかった話だが、彼女(?)達は伯爵家の服を卸していたそうだ。メアリーのドレスも、伯爵の服も、全て彼女(?)達の造ったものであり、毎年季節の変わり目に屋敷にやってきて、衣替えをしてくれているらしい。
「いやいや、こちらも助かるよ。そうだ!実はお二人に頼みがあるのだが」
「あ~ら、何かしら?私達に出来ることだったらなんでもしちゃうわよ~?」
流石伯爵といったところか。彼女達のウィンクに顔色一つ変えないで対応していた。もしそのウィンクを他の男が受けていたら、それだけで意識を奪われていただろう。
「実はな。愛娘であるクロエが婚約してな!相手は此処にいるアドルフ殿なのだが、結婚式に着るドレスを見繕ってほしいのだ」
伯爵の言葉にクロエ達はきゃあきゃあと喜び、アドルフは更に顔を青くする。これ以上顔色が悪くなったし死んでしまうほどに。
「あらぁ!それは一大事ね!任せてぇ!ってあら?アドルフさんって以前私の店にも来てくれた方ね!ならサイズは隅々まで把握しているから任せてねん!」
「ま、待て待て!俺はまだ結婚するとは……!!」
これ以上話を進められたら本当に逃げられなくなる。そう判断したアドルフは正気に戻り、必死に断ろうとするが、その言葉を最後まで発せられることはなかった。
「ああん?テメェ俺の作る服が着れねぇってのか?ああ?殺すぞ?犯すぞ?」
テツですら見逃してしまうほどの速度で、彼女(?)はアドルフに近づき耳元でそう囁き、そしてアドルフの股間をそっと握る。
大事な大事な人質をとられたアドルフは、震えあがりながら「す、すみませんでした。おねがいします」と言う他なかった。
「まぁ。旦那様はテツさんだけでなく、既に他のお相手が……。私も頑張らなくては」
それを見たクロエはそう呟き、メアリーは顔を真っ赤に染め、レイはうんうん頷く。伯爵は満足そうにうなずき、メルとミルは顔を真っ赤に染め、お互いの目を手で覆っていた。
「こうしてアドルフは、知らず知らずのうちにハーレムを完成させていくのだった」
テツの呟きに、大事な人質をとられているアドルフは、静かに涙を流す他なかった。
「ああ、考える時間が欲しいって言って逃げてきたよ。断っても断っても離してくれなくてな。それでどうにか納得してもらった」
クロエの話になると、こいつ一気に老け込むな。遠い目で運河を眺めるアドルフは、彼女の話になると途端に体が小さく見えた。全く情けない。まぁ相手が相手だから仕方ないが。
アドルフは小石を一つ運河に投げ入れると、二人は立ち上がった。そろそろ戻るか。二人が振り返ると、こちらに走ってくる彼女達が見える。
「お二人とも!ここにいらしたんですか!お二人にお願いしたいことがありまして!」
メアリーがレイ達を連れ、そして何故かクロエもそこにはいた。
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「王都か。確かにそろそろ行かなければならないのかもな。だが……」
アドルフが顎に手を当て考え込む。もしかしたら実家のある王都は行きづらいのかもしれない。
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クロエの言葉に今度はテツが顔を顰める。新婚旅行なら二人きりでやってほしい。しかも護衛ついでにって、そんな新婚旅行楽しくないだろ。
「一度カプリ伯爵と話してからでもいいんじゃないか?何か情報が集まっているかもしれないし」
悩むアドルフにテツが助け舟をだす。伯爵家なら、もし国内で何か変化が起きていたなら情報が入っているかもしれない。行動を起こすならそれからでもいいだろう。
「そうだな、テツの言う通りだ。メアリー、悪いがその話は保留にしてくれ。俺たちにも色々やることがあってな」
そうですか、とメアリーは残念そうに肩を落とす。しかしそれ以上にクロエはショックを受けたようで、驚愕と言った表情をしていた。
「な、なんでだ旦那様!?私との新婚旅行より、テツさんとの予定を優先するのか?」
クロエはアドルフにつかみかかりそうな勢いで問いただす。こいつ、思ったより面倒くさいな。アドルフとテツの顔は既に引きつっていた。
「あ、いや、男にも色々あるんだ。それにまだ旦那様って呼ぶのには早いんじゃないか?」
「男にも色々?ハッ!?そうか。旦那様はそっちもイケる方だったのか……。いや、しかし!私はそれでも旦那様を愛そう!それでも私にもしっかりと愛を注いでくれよ……」
「「おいちょっと待て、やめろ」」
テツさんも家族になるのか、と呟くクロエに二人は慌てて否定をする。その後ろではメアリーが「まぁ!」と頬を染め、レイは何故かうんうんと頷いていた。お前達は何を喜んでいるんだ。
「いいかクロエ。俺たちはそんな関係じゃない!その目をやめろ!そんな暖かな目でみるんじゃない!」
「何を言うかテさん。愛の形は魔法のように自由で無限なんだ。あ、でも夜の調理は旦那様だけにしてくれよ?私の体は旦那様の物。下ごしらえさえさせないぞ?」
「なんの話だ!?全然上手くないぞその例え!おいアドルフ!お前からも何か言ってくれ!」
「俺は、なんかもう疲れた……」
「諦めるな!お前が諦めたら全てが終わってしまう!」
「テツさん。疲れた旦那様を癒すために、夜の調理でもして差し上げよう。夜の煮込み料理なんてどうだ?疲れがほぐれていいんじゃないか?」
「だから上手くないんだ!「夜の」を使えば何でもいいと思うなよ!?」
アドルフは疲れ果て、俺の人生どこで間違ったんだろうか、心ここにあらずという表情で運河を眺め呟いている。一方テツは何とか誤解を解こうと必死だが、何故かクロエサイドにメアリーとレイも加わり楽しそうにアドルフとテツについて語り合っている。
「メル、ミル!お前達は分かってくれるよな。俺たちは仲間だもんな!」
どうしようもない三人を放っておき、それを眺めていた二人に助けを求める。だが二人には刺激が強い話だったのだろう。頬を真っ赤に染めた二人は、お互いの目を手で覆い、耳はぺたんと垂れ「何も聞こえてない」とアピールしていた。
仲間を失ったテツは項垂れ、初めて異世界が怖いところだと知るのだった。
「おお!帰ったか!ご苦労だった!話しは聞いている!皆大活躍だったそうだな!……所でアドルフ殿とテツ殿、大丈夫か?」
港町に戻り、カプリ伯爵家に戻った一同は、伯爵に出迎えられ客間に向かった。ただその中でテツとアドルフだけが疲れ果てていた。事情を知らない伯爵は「熾烈な戦いだったのか」と納得することにした。まぁある意味その考えは正解であるが。
騎士隊長ケイトが、伯爵に今日の出来事を報告し、そして退出していった。ケイトもテツ達に礼をしたいと言っていたが、二人考える時間が欲しいと保留していた。
「お父様!私クロエは、アドルフ殿と結婚することに決めました!」
ケイトが部屋から出ていったタイミングでクロエが立ち上がり宣言する。屋敷に来る前からかのzぃ世はソワソワしていた。言いたくてたまらなかったのだろう。それがわかっていても止められないアドルフの顔は更に老け込んだように見える。
アドルフの顔を見て、伯爵は察したのだろう。一瞬憐みの表情をアドルフに向け、それを見たアドルフは、救いを求め伯爵を見る。
クロエは貴族だ。それも一人娘であり、伯爵家の跡取りだ。その親である伯爵結婚を認めなければ、それは難しいだろう。更にアドルフは元公爵家の人間と言えど、今は平民だ。平民が伯爵家の婿養子になることは難しいだろう。
「そうか。分かった!クロエがそう言うなら私は賛成だ!アドルフ殿!娘をよろしく頼む!」
だが伯爵はアドルフの予想外なものとなる。あまりにも予想外過ぎて、アドルフは口を大きく開け、唖然としていた。そしてニヤリと笑う伯爵を見て理解する。
こいつ、面倒を押し付けやがった、と。
正直、伯爵はクロエに手を焼いていた。教育のおかげか、外面はいいが、中身はどうしようもない変態だ。クロエが幼い事に妻を亡くした伯爵は、女であり変態であるクロエにどう接していいのか正直悩んでいた。
伯爵とアドルフは昔からの知り合いで、彼の事を信頼している。それにアドルフは元公爵家の人間だ。その血筋も問題ない。
「はははっ!ご冗談を伯爵様。私なんかが、伯爵様の一人娘を貰うなど身に余ります」
「はははっ。何をいうかアドルフ殿。貴殿は信頼できる人物だ。いつか爵位を貰うような偉業も果たすだろう。愛娘を頼んだぞ?」
喜ぶクロエに、それを祝福するメアリー達をよそに、伯爵とアドルフは笑顔で話し合うがその眼は笑っていない。娘を押し付けたい伯爵に、面倒を押し付けられたくないアドルフ。二人の攻防をテツは呆れながら見ていた。
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「おお!いつもご苦労だったな!今年の出来はどうだ?」
伯爵はすぐさまその人物に対応し、そしてその人物を見たテツとアドルフは顔を青くし固まってしまう。
「今年もいい出来よぉ!いつも助かっちゃうわ伯爵ちゃん!」
入ってきたガタイの言い男二人、ではなく女性二人は、以前カプリの街でテツとアドルフの服を見繕ってくれた服屋の二人だった。後でわかった話だが、彼女(?)達は伯爵家の服を卸していたそうだ。メアリーのドレスも、伯爵の服も、全て彼女(?)達の造ったものであり、毎年季節の変わり目に屋敷にやってきて、衣替えをしてくれているらしい。
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伯爵の言葉にクロエ達はきゃあきゃあと喜び、アドルフは更に顔を青くする。これ以上顔色が悪くなったし死んでしまうほどに。
「あらぁ!それは一大事ね!任せてぇ!ってあら?アドルフさんって以前私の店にも来てくれた方ね!ならサイズは隅々まで把握しているから任せてねん!」
「ま、待て待て!俺はまだ結婚するとは……!!」
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「まぁ。旦那様はテツさんだけでなく、既に他のお相手が……。私も頑張らなくては」
それを見たクロエはそう呟き、メアリーは顔を真っ赤に染め、レイはうんうん頷く。伯爵は満足そうにうなずき、メルとミルは顔を真っ赤に染め、お互いの目を手で覆っていた。
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