Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~

神城弥生

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シークレットゾーン5

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「「「「「「マッスル!!」」」」」」

二,三度サウルスの顔をはじく「鋼鉄の騎士団」。

「隊を二つに分けろ!!俺と2人は「カンパニー」に!あとは「ダブルナイツ」の方へ行け!!」

ドンの指示で2手に分かれる。

「鋼鉄の騎士団」が顔としっぽの攻撃を防ぎ残りが攻撃をしていく。

しかし……。

 かぁぁぁぁぁん!!というう音と共にクリスの矢、エリザベスの魔法、アイリスの大剣は鱗ではじかれてしまう。
 攻撃が通るのはミスリルでできた僕の剣だけのようだ。一応はじかれてもダメージは入るが微々たるものだ。

 逆に攻撃を盾で防いでる「鋼鉄の騎士団」の方がダメージがでかい……。
 エリーゼの回復魔法が飛び交うがこのままではMPが持たなくなってしまう。

「ここはウィルのサポートに徹底しましょう!!」
「わかった!!どうすればいい?」
「このままでいいわ!!みんなが牽制してウィルが遊撃隊になればいい!!

 エリザベスの言葉で僕は側面に周り足元を切りつける。

「グルルルル!!??」

 サウルスは嫌がり振り返るが皆の牽制と攻撃で振り切ることができないでいる。

 僕は踏まれないように腹の下に入り込み左右の足を切りまくる。

「お兄ちゃん!!」

 アイリスの叫びと同紙にサウルスは膝を曲げ、腹が地に着く。僕はアイリスの声のおかげで何とか横跳びしつぶされずに済む。

 HPバーは残り二本。

「グルルルルルル!!」

 突然サウルスは立ち上がり地団駄を踏む。

「「うわぁぁぁ!!」」
「「キャァァァ!!」」

 地面が揺れ僕らは身動きが取れなくなる。

 そこにサウルスのしっぽ攻撃により「ダブルナイツ」と「鋼鉄の騎士団」5人はダメージを受けてしまう。

「「「「っっがはっっ!!??」」」」」

 皆木に打ち付けられ、気絶する。HPバーも赤になってしまう・・・。一撃でこれはまずい……。

 サウルスが追撃をしようとする。

 僕らはまだしびれが取れない……。

 サウルスのしっぽが「ダブルナイツ」と「鋼鉄の騎士団」に振るわれる……。

「「クルクル!!」」

 今度はオヤケラトプスが尻尾を防ぎに入る。

「「クルクル!?」」

 オヤケラトプスが吹き飛ぶがHPバーが赤のまま残る。

 しびれが取れた!!

 エリザベスの魔法とクリスの矢がサウルスの頭に当たりサウルスの歩みを止める。その隙に僕が俊足で距離を詰め首元に乱れ斬りをする。

「ギャウウウウウァァァァァアァ!!」

 サウルスのHPバーは残り1本。そうやら首から上が弱点のようだ。その分硬くて刃が通りにくいが……。

 サウルスの雄たけびで皆は目が覚める。

 エリーゼのエリアミドルヒールで皆回復をする。

 僕がさらに追撃をしようとするがまたサウルスが地団駄を踏み出す。それに合わせて皆後方に飛ぶ。

 何とかしびれることはなかったが距離があいてしまった。サウルスは赤い魔力を出し怒りをあらわにする……。

 僕はすかさず距離を詰め足を切ろうとすると、サウルスが右足で地面を踏む。するとサウルスの周囲の地面が浮き上がり、尖った突起物がいくつも出てくる。土魔法の「アースニードル」という魔法だ。

 僕は串刺しになりそうになったが、何とか後方に飛び回避する。

「これじゃ近づけないな……」
「そうね。何とか気を引かないと……。」

「こうゆうときほど筋肉あるのみ!!ゆくぞ!!同志たち!!」
「「「「YES!!筋肉!!!!!」」」」」」

 筋肉でどうにかなるとは思わないがここは彼らを見守ることにする。

 「鋼鉄の騎士団」が近づくとまたサウルスは足を地面に叩きつける。

「盾を下に向け体重を預けろ!!」

 「鋼鉄の騎士団」は「アースニードル」に盾を向け体を預ける。すると突起物の勢いに乗り彼らは飛び上がり、そのままサウルスの方に飛んでいく。

 なんて力業だ……。

 僕らもすかさず近寄る。
 が、サウルスは口からいくつもの「アースロック」つまり土の塊を飛ばし「鋼鉄の騎士団」を次々撃ち落としていく。さらに僕らが近づく前に「アースニードル」を使い近づけさせない。
固い鱗と、魔法によりサウルスは鉄壁の守りを作っていた。

「打つ手がないねぇ~」
「くっ、筋肉が足りないのか?」
「それ以上付けたらたぶん人間じゃなくなるよ?」
「ん。でもどうしようか」
「そうねぇ。どうしましょう」

 エリーゼが皆を回復させながら考えるがエリーゼとエリザベスでも何も浮かばないようだ……。

何かないのか……?
何か……。

 するとサウルスの後ろに一本のツタが見えた。あれだっ!!

「ドン!!みんなとさっきのでもう一度サウルスの気を引けるか!?」

「できなくはないがあと一回だけしかできないぞ!?盾がもう持たない」

「お兄ちゃんどうするの?」
「とにかく時間がないからやってくれ!みんなは彼らのフォローを!!」

「何かわからんが子供に頼まれたら大人としてやり遂げよう!!同志たちいいか!?」
「「「「「YES!!マッスル!!!!!」」」」」

 ったくかっこいいな。こういう子供思いな大人が増えれば、もっと世の中平和になるのに。まぁ筋肉は普通でいいが。

「いくぞウィル!!」
「あぁ!!頼むぞ!!」

 僕がサウルスの後方目掛けて走り出すのと同時に皆も動き出す。エリーゼの各種ブーストに、クリスの矢とエリザベスの魔法で牽制。

 その後盾職は先ほどと同じ要領で動き、アイリスとライリーは「アースニードル」を切りながら進む。


 僕は急いでメニュー画面を開き、以前獲得した「寂しがりやなローブ」と「隠れ常時なネックレス」をつける。さらに、木の枝に飛び移りツタを握る。

 振り返ると盾職が飛ばされている時だった。

 僕はさらに気配を殺そうと魔力をできるだけ腹の部分にしまい込み小さくする。
 魔力で人や魔物は気配を感じることができる。それが大きければ大きいほど気配は強くなる。なら逆にすればいいという発想でやってみた。

・隠密スキルを習得しました。

 願ってもない。すぐねセットし、木の枝から飛ぶ。

 今度は「ア~~アア~~~~~」とは言わない。

 皆が「アースロック」で飛ばされる時に、僕はサウルスの頭の上に飛び掛かる。

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 ここまでくれば気づかれても関係ない。

 僕は魔力をすべて腕と剣に集中させ、剣には風のエンチャントする。これで切れ味は今までで一番になるはずだ。

「グル?」

 サウルスが突然頭上に声が聞こえたので顔を上げる。

 ザクッッ!!剣は深々とこめかみに刺さり、僕はサウルスの頭に着地する。

「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 そのままスラッシュを使い、頭を真っ二つにする。

「グルル……」

 バタァァン……。

 サウルスは大きな音を立てながら倒れ、あたりに静寂が襲う。

「「「「「「「「「「「よっしゃーーーー!!」」」」」」」」」

 皆の歓喜が響く。

「よし皆!!勝利の雄たけびを上げろ!!3・2・1!!」
「「「「「YES!!マッスル!!」」」」」」

 思わず僕も声を上げ、器の大きなサウルスとの戦いは幕を閉じた。


「「「「クルクル!!クルクル!!」」」」(すごい!みんなありがとう!お礼がしたいからみんなこっちに来て!!)

 いつの間にかそばに来ていたトプス親子がどこかに案内しようとしてくれる。

 プチケラトプス  親密度100%

 いつの間にか親密度が上がり、声がはっきり聞こえるようになっていた。

 職業スキル、テイマーのおかげだろう。

「わー凄い!!」
「あのサウルスいいところに住んでいたのね」

 そこは山の麓に隠れた洞窟。
 滝の裏にあったそこは知らなければ入れないだろう。

 古代のクリスタルーーこのクリスタルが何千年もするとミスリルになる。サウルスの卵ーー一時間取得経験値が2倍になる。サウルスの集めた果実各種

 そこには様々なアイテムがあった。

 みんなで協力し、筋肉を全開でピッケルが壊れるまで採取した。これで先ほどの戦闘で壊れた「鋼鉄の騎士団」の盾は作ることができるだろう。

 僕らは卵を調理し、一時間の経験値二倍を得て、外にいる肉食恐竜達を可能な限り倒し、探索した後、一度ダイブアウト。次の日に帰ることになった。

「「「「「クルクル!!」」」」

「またねーー!!」
「また来るねー!!」

 僕らはトプス親子に見送られながら帰路についた。

 帰りは穏やかな海で特にハプニングもなく帰ることができた。

 この旅で姉妹クランの絆は深く結ばれることになった・・・。
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