Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~

神城弥生

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採取と

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 火曜日。

 昨日はひどい目に合った、とだけ言っておこう。

 僕に猫耳が生えて、皆が突入してきて。

 とにかく弄ばれた。女の子だったら「もうお嫁にいけない」と嘆くところだ。

 だがそれもつかの間、10分ほどで猫耳は消えた。一体何を混ぜたらああなるのか、聞いたところ「トカゲの尻尾、セージの葉、スライムの粘膜」などなど、人間が口にするものではなかった。フランジェシカはマッドサイエンティストの道を順調に進んでいるみたいだった。

 進んでほしくはないが。

 これを突き詰めればいつか男だらけの世界ができるということだ。

 誰か彼女を止めてくれ、世界が腐る前に。


 さてさて、愚痴はここまでにしといて、今日の予定はMr,、レヴィ、テイラーの手伝いと、店についてだ。
 店についてはみんなの了承を貰い、一人10万Gを預かっている。これで、90万G。さらにクランの貯金からも出し100万G集まっている。

 因みに皆はダンジョンの攻略の方がまだ時間がかかるということだ。モンスターのLVは低いが、ゴーストが出るため倒すのがなかなか大変らしい。

 さて、まずは手伝いの方からだ。まずは鉱石探しに資材探しに向かうことにする。

 今までで一番いい鉱石は「古代の島」におあるクリスタルだが、そこへは時期とタイミングが合わないため断念。

 僕らは天龍山脈の麓まで行ってみることにした。

「あの、Mr,。そのかっこで行くの?」
「あぁ。もうこれ以外を着る気にはならなくてな」
「アッハッハッハ!!いいじゃんいいじゃん!!なかなか似合ってるよ!!」
「え、えっと。目のやり場に困るんですが」

 Mr,はふんどし姿に、ハンマーを担いでいた。Mr,は赤いふんどしに、ハンマーを担いでいた。Mr,は赤いジェネラルな赤いふんどしに、金のハンマーを担いでいた。

 はっきり言って、変態がはしゃいでいる様にしか見えなかった。知り合いではなかったら、確実に目を合わせないだろう。まぁ、知り合いでもあまり近くにいてほしくないが。

 レヴィはデニムのショートパンツに黒のタンクトップ姿。肩には真っ赤なハンマーを担いでいた。完全に友達の家に遊びに行く格好だった。

 テイラーは白のワンピースに麦わら帽子。ピクニックか、と突っ込みたくなる格好だ。

 不安でしかない。

「ね、ねぇ。みんなのLV聞いていい?」

「75だ」
「私は69」
「え、えっと72です」

 僕よりも高かった、こんな人たちに負けるなんて。

「まぁ私たちは宴会にも参加せずに、新規プレイヤーの為に日々鍛冶作業をしていたからね。宴会に参加せずに」

「いや、二回言わないでよ。誘ったでしょ?でも忙しいって」

「う、うん。行けなくてごめんね。新規プレイヤーに生産系の人が少なくて全然生産が間に合わなくて」

「このままいったら完全に武器不足問題が深刻になるだろう」

 と、言うことで僕らは鉱石と素材探しに向かうことになった。

「変態やん」
「変態ね」
「変態ですね」

 ホップにまたがっている、赤いふんどしのおっさん。風になびく赤いジェネラルなふんどし。その姿は変態そのものだった。ホップも可愛そうに。

 レヴィは乗馬の経験があるということでバクガに乗り、テイラーを後ろに乗せていた。

 僕はいつも通りムギに乗って出発だ。まずはじゃぶじゃぶの里から、北東に山脈沿いに走り、その後細道に入る。

 細道ではMrの赤いふんどしが岩に引っかかり、Mr.のMr.が出そうになりセクシュアリティ警告を食らっていたこと以外特に問題もなく進むことが出来た。

 その後道が広がったところで再びムギたちに乗る。そのまま猿達に遭遇するも、ムギ達の頑張りにより一気に引き離すことが出来た。そのまま一本橋を渡った。

 そのまま道なりに向かい、中間地点にある、アランの家についた。

「ん?誰かと思えばウィルじゃないか?おぉ!!また違う別嬪さんを連れてきたのぉ!!と、変態か?そいつは」

 やはりこちらの人から見ても、赤いふんどしは変態に見えるようだった。

「これは俺の人生だ。」

 はい、出ました「人生」。フランジェシカといい、Mr.といい、それを言えば何でも許されると思うなよ?

「ウィル。このおじいさんは?」
「あれ?話してなかったっけ?歯抜け面白ジジイだよ」
「どんな紹介じゃ!!儂は偉大なるイケメン大魔導士、アランじゃよ。ボインちゃん」

 誰がイケメンだ。

「ところでここには何しにフガフガフガ?」
「わからん。肝心なところがわからん。早く歯を入れなさい」
「フガ。んん。ここへは何しに来たんじゃ?」
「うん。天龍山脈に武器なんかで使う鉱石類がないかと思って。あといい素材なんかも」
「ふむ。鉱石のぉ」

 しばらくアランは考えた後、一カ所を指さす。

「この先を下って行った所に川がある。そこを川沿いに進むと洞窟がある。そこに行けばいい鉱石や、服なんかに使える繭があるじゃろう」
「繭?」
「そこにおるアント。怖がりアント。それがなんと。いい素材なんだ。使いやすいんだ。服になるんだ」
「そっか。ありがとう。行ってみるよ」
「こら!!突っ込めい!!前みたいに!!寂しいじゃない。いやそうでもない?でも欲張らない。儂謙虚。そう遠慮。儂イケメン。フガフガフガ!!」
「歯が抜けたからおしまい。じゃぁまたね」
「フガーー!!」

 僕らはアランを無視して出発した。

「あの人は長生きするわね」
「う、うん。センスなかったね」
「あいつに変態とは言われたくないな」
「確かに。あれはあれで変態じゃなくて変人だからね」


 川沿いに進むと小さな洞窟が見えてきた。

「あそこだね」
「そうね。馬はここまでにしましょう」
そうだな。馬がいたら戦闘しにくいからな」
「せ、戦闘ですか。が、頑張ります」

 いや、テイラー戦闘系スキルないだろ。頼むから頑張んないでくれ。

 しばらく洞窟を進むと坂を上がる道と下る道があった。

「どうする?」
「確かここって銀龍王が住んでるっていう山よね?」
「‥そうだな。だったら合わないように下に行った方がいいだろう」
「そ、そうですね。多分山頂とかにいそうですもんね」
「テイラーだけ上に行ってもいいのよ?」
「い、いやですよ!!寂しいじゃないですか!!」

 ドSなレヴィはドMのテイラーをからかう。テイラーもなんかいじられて嬉しそうだ。

 ということで下に下がる。しばらく進むと広い広場と、何匹かのアントを見つける。

・怖がりなアントLV54×4

「…どうする?僕一人じゃさすがに4匹はきついかな」
「なら3人で行きましょう?」
「そうだな。俺達は戦闘系スキルもあるからな」
「え?そうなの?」
「ハンマー使いよ。以前戦闘中に習得したの。まだLVは低いけど中々強いのよ?」
「わ、私も戦闘スキルとりましたよ?「針師」っていう」
「「「え?そうだったの?」」」
「なんで言わなかったのよ」
「痛い痛いレヴィ。ごめんなさい。だってレヴィ達ずっと忙しそうにしていたから」

 だがありがたい誤算だ。これで戦闘員は4人になった。

 ということでまずは遠距離攻撃もできるらしい針師のテイラーに初撃をお願いする。

「投げ針!!」

 糸のついた大きな針をそのまま投げる。

 怖がりアントの背中に刺さる。

「「「「ギギィィィ!!」」」」

 アント達はに逃げだした。が、一匹はテイラーの糸に捕まり動けずにいる。

 僕らは近づき切りかかる。

「ッッフッ!!」

 僕は足を切りつけ片方の足3本の足を切り落とす。

「てやぁぁ!!」
「フン!!」

 レヴィとMr.がアントの背中をたたき潰し、アントはそのまま消えていった。


「逃げるかね?あんなに早く」
「怖がりだから仕方ないんじゃない?」
「なんか拍子抜けだな」
「で、でもいきなり知らない人が来たらびっくりするものよ?」
「なんでアントに共感してんのよあんたは」
「人見知りにしかわからない心境だね」

 まぁ逃げたならそれでいい。

 僕らはこの広場の壁にある鉱石を採掘する。

 パワーストンやプラチナ、魔力石や鉄など様々な鉱石が取れた。

「ねぇ、魔力石って何?」
「魔力石は魔力が高い所に鉄などが長時間置いてあると魔力がたまって変化したものなの。武器なんかをこれを使って造ると、魔法防御力が上がったりするのよ」
「ここはかなり魔力が多いところみたいだな。もしかしたら奥に行くとかなり強いモンスターがいるかもしれない。ここはあまり奥に行かない方がいいかもしれないぞ」

 いや、そんなふんどし姿で言われても。言葉が響いて来ないし、緊張感が感じらっれません。

 それから1時間。鉱石を掘りつづけて、特に問題もなく時間が過ぎた。

「じゃあ次は繭探しだね」

 怖がりアントの繭を探すために先ほアント達が逃げていった穴に進んでいく。

 しばらく進むと、また広場があり、そこかしこにアントの繭と怖がりアント達がいた。

「作戦はさっきと同じでいいかな?」
「構わん」
「今度は逃げないよね?」
「さ、さっすがに赤ちゃんたちを残しては行かないと思うよ」

 ということで先ほどと同じようにテイラーから攻撃してもらう。

「投げ針!!」

 攻撃と共に僕らは飛び出す。

「「「「「「ギギギィィィィ!!!!」」」」」」」

 アント達は逃げ出した。

「「「「……」」」」

 アント達は一匹残らず逃げ出した。

「逃げるかね普通」
「怖がりすぎよね」
「なんだかな」
「そ、そりゃ急に来たら怖いですもん」

 なんか拍子抜けで僕らは繭を採取することができた。

 そして帰り道。

 アランを無視し、猿たちを無視して帰っていた僕たちは山を抜ける細道にたどり着き、馬から降りた、その時。

「ラァァァァァァァァァク!!」

 頭上から声がして、僕らは反射的に飛びのく。

ダァァァァァン!!

大きな音がした後僕らの目の前に、おっさんんが痙攣して倒れていた。


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