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アレンと質問
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「あれ?こんな所に森なんかあったっけ?」
「いえ、MAPにはこの森は載っていないわ」
「ん。つまり突然出現した森」
「私達が来たから出現した?」
「つまりシークレットクエストの匂い!!」
「うむ!!突撃!!」
「え?行くんですか?」
「なんでこんな不気味な森に行くのにそんなわくわくした顔してんのよ」
アイリスとレイはわくわくした顔でこのジャングルのような森に進んでいく。この二人の冒険心はどこからくるんだ。と言うか何も考えてないんだろうな。
まぁ確かに今まで存在しなかった森があるという事は特別なクエストな可能性がある。僕らは今シークレットクエストの最中で特別な状況だ。どんなクエストが発生してもおかしくはない。
森の中はかなり険しく馬じゃ通れなくムギ達から降りて歩き森の奥へと進んでいく。しばらく進んでいくと木の柵が円を描くように刺さっている場所を見つける。
「これは、私有地って事?」
「ん。恐らく村がある」
「そう言うことになるわね。人間の村ならいいけど」
「えー!?モンスターの村の方が面白いじゃん!!」
「うむ!!早く戦いたい!!」
「私もできれば人の村がいいわね。最近戦いっぱなしだし」
モンスターの村なんか行きたくない。勝手に戦っててくれ僕は観戦してたい。
「待たれよ旅人よ!!そこからこっちに入ってはいけない!!」
柵の中に入ろうとした時、奥から老婆と武器を持った男が二人歩いてくる。一瞬モンスターかと思ってしまうほど肌が緑色になっていた。
「そこから先には入ってはいけない。お主らも病気にかかってしまう」
「あら、あなた達は病気なの?」
「うむ。見ての通り病気じゃよ。「甲殻病」と言われる病気で空気感染する。この先にある村の住民は一人残らずこの病気にかかっておる」
「エリーゼ」
「ん。ダメみたい。この病気は魔法では治せない」
エリーゼは古代魔法の光魔法を覚えている。なのに治せないなんて……。
「あの!!その病気を治す方法はないのですがすか?」
「ん?まぁなくはないが、不可能じゃよ」
「不可能?どういう事?」
「この病気を治すためにはとある薬草がいる。じゃがそれはとても危険な所にあるのじゃよ」
「大丈夫よ。こう見えて私達結構強いのよ?」
「うーむ。そうは見えんが……。まぁ話すだけならいいか。その薬草は王都の北にある銀龍山の頂上にあるんじゃよ。じゃが現在銀龍様は不在でそこにはワイバーンが住みついてしまっているという話じゃ。とても人が踏み込める状況じゃない。まぁお主らの気持ちだけは受け取っておくよ」
そう言い残すと老婆と男達は森の奥へと帰っていった。ワイバーンか、恐らくドラゴンのような存在だよな確か。そりゃ僕らじゃ厳しいかもしれない。
「ワイバーンだってお兄ちゃん!!行くしかないね!!」
「うむ!!楽しそうだ!!」
アホな二人がテンション上がってしまった。
「ふふ。でも行くんでしょウィル?」
「ん。ほっとけないって顔してる」
「まぁ行くしかないわよね。こんな特殊なクエスト普通じゃ起きないもの。掲示板にもここのクエストい情報がなってない所を見ると今しかできないんだと思う」
「掲示板ですか?よくわかりませんが俺は彼らを助けたいですウィルさん!」
「そうね。この国の王女として放ってはおけないわ」
「あー、まぁ行くしかないんだよな」
なんでみんなこんなに乗る気なんだろう。ワイバーンって怖いんだよ?空飛ぶんだよ?僕もよく知らないけどさ。
結局満場一致で「銀龍山」に行くことになる。王都でエヴァンナ達と集合するまでにはまだ日数がある。それまでに終わらせなければならない。ムギ達を出して急いで向かう。
「何じゃ?また来たのか?わしが恋しくなったのかフガフガフガ」
「貴方に会いに来たわけではないよアラン。「銀龍山」に用事があってきたのよ」
一日かけて馬を駆け銀龍山の麓までたどり着く。以前お世話になった元王国筆頭魔導士だったアランの住んでいるところだ。
「私達はこの山の頂上にあると言われている「とある薬草」っていうのを探しに来たんだけど、何か知ってる?」
「ああ、あの薬草か。確かにあの薬草はこの山にフガ!」
どっちだよ。肝心なところでアランは入れ歯を落とし何を言っているか分からなかった。アレクサンドラ達はドン引きだ。
「っとすまんすまん。薬草は確かにある。だがそれを取りに行くとなると命がけじゃよ?」
「わかってます。だけどいかなきゃ……」
「アラン?アランってあの元大国筆頭魔導士のアラン様!?」
「ん?もしかしてアレクサンドラ様とエミリア様か!?」
エミリア達ははアランの事を知っているようだ。
「はい!!俺は第二王子のアレクサンドラです!こっちは第一王女のエミリアです!!」
「まさか、突然消えたと言われていたアラン様がこんな所にいらしたなんて……」
「おお、お二人とも大きくなられましたな。儂がお二人を最後に見た時はまだ赤ん坊の頃でした。しかし何故お二人が「カンパニー」と行動を共に?」
「ええ、それが……」
アレクサンドラとエミリアはこれまで起きたことを丁寧に話していく。しかし二人の話し方からアランって本当にすごい人だったんだな。王子と王女が様つけで話している。
「ふむ、なるほど。国は今そんなことになっていたか。ブクブクめ、いつか何かすると思っていたがそんなことを……」
「アレン様!どうか王宮にお戻りください。貴方様の力が必要なのです!」
「そうです!アレン様がいらっしゃったら百人力です!」
「ふむ……。ではお二人に人る問うてもいいですかな?」
「何でしょう?」
「国とは何か。それをお聞かせ願いますかな?」
「国、ですか?」
「いかにも。あなた達が儂の仕えるのに値する人物かどうか、それをこの質問で判断させていただきたい」
アレンは今までになく真剣に、入れ歯を落とす事無く話す。どうやら彼は入れ歯を落とさづずにしっかり話せるようだ。
アレクサンドラ達はその答えを見いだせないでいた。確かに「国」というテーマはあまりにも壮大すぎて僕にもその答えが何なのか分からない。
「ふむ。まだ答えが見つからないようだな。では「銀龍山」を降りてくるとき、再び同じ質問をしよう。それまでに答えが出ているなら儂は王子達と共に王宮へ行こうかの」
そう言い残しアレンは小屋の中へ入っていってしまった。アレクサンドラ達は立ち尽くし答えを答えを必死に探していた。
「とりあえず山を登ろうか。ここで立ち尽くしている時間はあまり多くはないからね」
二人が黙り込んだままだが頷くのを確認し、再び山頂を目指す。
「でも難しい質問だよねー?アイリスわかんない」
「うむ!!俺もだ!!考える気にもならない!!」
「いや、一応考えようよそこは……」
「でも確かに難しい質問よねテーマが壮大すぎて」
「ん。国によって価値観も違う気がするし」
「そうね。国とは何なのか。考えたこともないかもしれないわね」
僕らは僕らなりに答えを探してみるがこれと言ってはっきりとした答えは出なかった。
「とりあえず戦闘だ!!」
「うむ!!片っ端から蹴散らしてやる!!」
次々に出てくる魔物をアイリスとレイは喜々して倒していく。楽しそうな二人とは違いアレクサンドラ達はまだ黙り込んで答えを探しているようだ。
「ウィルさん。こんな事他人に聞くべきではないと思うんですが、ウィイルさんはどう思います?「国」とは何か」
「そうね。皆の意見は聞いてみたところね」
「うーん。難しいなぁ。でも大事な事は国その物を考えるより答えはもっと根本的な所にある気がするな」
「根本的な所、ですか?」
「うん。国に必要なものは何か、法律とは何か、何故法律が、国が必要なのか、別に国がなくても人は生きていけるだろうし」
「でもそれじゃあ戦争が絶えない世界になってしまうわ!歴史がそれを証明している」
「うん。じゃあ何故戦争が起きたかわかる?」
「それは、やはり食料問題、土地の奪い合い、宗教的問題ですよね」
よく勉強してるな二人は。歴史の問題点をちゃんと学びとらえている。
「そうだね。そしてそれらをなくすために手を取り合って国を作った。必要だから作った。誰にとって必要なのかな?」
「それは、国民ですか?」
「そうね。国民の為に法律と言うシステムを作って沢山の人が出来るだけ幸せになれるようにする。それが政治。政治家はできるだけいい国を作るために法律を作る」
「なら法律とは何でしょう。人々の、願い?」
「それはいい答えだね。「法律は願い」それはたしかにそうだと思うよ。「人種」や「宗教」が違う人たちが等しく幸せになれるようにするのが法律の本当に目的でなければならないとは思う」
「国」とは何か。その答えははっきりとは分からないが僕のにもだんだん見えてきた気がする。地球の歴史上、昔はもっと沢山の国があったはずだ。それが今の形になるまで人々は戦い、沢山の血を流し、そしてようやく今の形にした。
「そうね。そう考えると今の国の形って沢山の人の努力の上に成り立っているものなのよね」
「そうだね。その人たちは少しでもより良い国の為に努力をしてきた」
「そうですね。それを俺達は忘れてはいけない。そしてその人たちの為にもより良い国を作っていかなければいけない。あ、なんか俺答えが見えてきた気がします」
「私も見えてきたかも」
二人は会話の中から何かを掴んだようだ。きっとあの質問に絶対的な答えはない気がする。皆が言っていた様に「国や人種によってその答えは違う」と言うのが本音だろう。だがあえてそれを考えて答えるのはアレクサンドラ達の心構えを聞いている気がしていた。
「あはははは!!ほらほら足りないよ!!もっとかかってきなさい!!」
「うむ!!まだまだ戦えるぞ!!」
アイリスとレイは凄く楽しそうに魔物と戦っていた。
「何であいつらあんなに楽しそうなんだろうな」
「ま、まぁいいじゃないですか。沢山の人が居れば沢山の考えがある。戦闘が楽しい人だっていますよ」
「そうね。そういう人達もいてまた私達の生活が成り立っているのも事実だわ。色々な人が居て、色々な事をして、それが重なって、繋がって、そしてその輪が大きくなって大きくなって「国」が出来ているんだものね」
「そうですね。そう考えたらこの世界に無駄な事なんてないのかもしれない。確かに今は辛くて大変でもそれが将来役に立ったり次の代がそれを見て学んだり、そうやって歴史が出来ているのかもしれませんね」
もう二人は大丈夫なようだ。問題にしっかりと向き合い、考えたからこそ出たいい答えだ。もう彼らは大丈夫だろう。
「さて、それそれ頂上だ。ここからが本番だぞ二人とも」
「そうですね。答えを感がるのは後からです」
「そうね。まずは薬草探しよ!!」
山を登り始めて3時間が経ち山の頂上付近が見えてきた時、そこには沢山のワイバーンがいた……。
「いえ、MAPにはこの森は載っていないわ」
「ん。つまり突然出現した森」
「私達が来たから出現した?」
「つまりシークレットクエストの匂い!!」
「うむ!!突撃!!」
「え?行くんですか?」
「なんでこんな不気味な森に行くのにそんなわくわくした顔してんのよ」
アイリスとレイはわくわくした顔でこのジャングルのような森に進んでいく。この二人の冒険心はどこからくるんだ。と言うか何も考えてないんだろうな。
まぁ確かに今まで存在しなかった森があるという事は特別なクエストな可能性がある。僕らは今シークレットクエストの最中で特別な状況だ。どんなクエストが発生してもおかしくはない。
森の中はかなり険しく馬じゃ通れなくムギ達から降りて歩き森の奥へと進んでいく。しばらく進んでいくと木の柵が円を描くように刺さっている場所を見つける。
「これは、私有地って事?」
「ん。恐らく村がある」
「そう言うことになるわね。人間の村ならいいけど」
「えー!?モンスターの村の方が面白いじゃん!!」
「うむ!!早く戦いたい!!」
「私もできれば人の村がいいわね。最近戦いっぱなしだし」
モンスターの村なんか行きたくない。勝手に戦っててくれ僕は観戦してたい。
「待たれよ旅人よ!!そこからこっちに入ってはいけない!!」
柵の中に入ろうとした時、奥から老婆と武器を持った男が二人歩いてくる。一瞬モンスターかと思ってしまうほど肌が緑色になっていた。
「そこから先には入ってはいけない。お主らも病気にかかってしまう」
「あら、あなた達は病気なの?」
「うむ。見ての通り病気じゃよ。「甲殻病」と言われる病気で空気感染する。この先にある村の住民は一人残らずこの病気にかかっておる」
「エリーゼ」
「ん。ダメみたい。この病気は魔法では治せない」
エリーゼは古代魔法の光魔法を覚えている。なのに治せないなんて……。
「あの!!その病気を治す方法はないのですがすか?」
「ん?まぁなくはないが、不可能じゃよ」
「不可能?どういう事?」
「この病気を治すためにはとある薬草がいる。じゃがそれはとても危険な所にあるのじゃよ」
「大丈夫よ。こう見えて私達結構強いのよ?」
「うーむ。そうは見えんが……。まぁ話すだけならいいか。その薬草は王都の北にある銀龍山の頂上にあるんじゃよ。じゃが現在銀龍様は不在でそこにはワイバーンが住みついてしまっているという話じゃ。とても人が踏み込める状況じゃない。まぁお主らの気持ちだけは受け取っておくよ」
そう言い残すと老婆と男達は森の奥へと帰っていった。ワイバーンか、恐らくドラゴンのような存在だよな確か。そりゃ僕らじゃ厳しいかもしれない。
「ワイバーンだってお兄ちゃん!!行くしかないね!!」
「うむ!!楽しそうだ!!」
アホな二人がテンション上がってしまった。
「ふふ。でも行くんでしょウィル?」
「ん。ほっとけないって顔してる」
「まぁ行くしかないわよね。こんな特殊なクエスト普通じゃ起きないもの。掲示板にもここのクエストい情報がなってない所を見ると今しかできないんだと思う」
「掲示板ですか?よくわかりませんが俺は彼らを助けたいですウィルさん!」
「そうね。この国の王女として放ってはおけないわ」
「あー、まぁ行くしかないんだよな」
なんでみんなこんなに乗る気なんだろう。ワイバーンって怖いんだよ?空飛ぶんだよ?僕もよく知らないけどさ。
結局満場一致で「銀龍山」に行くことになる。王都でエヴァンナ達と集合するまでにはまだ日数がある。それまでに終わらせなければならない。ムギ達を出して急いで向かう。
「何じゃ?また来たのか?わしが恋しくなったのかフガフガフガ」
「貴方に会いに来たわけではないよアラン。「銀龍山」に用事があってきたのよ」
一日かけて馬を駆け銀龍山の麓までたどり着く。以前お世話になった元王国筆頭魔導士だったアランの住んでいるところだ。
「私達はこの山の頂上にあると言われている「とある薬草」っていうのを探しに来たんだけど、何か知ってる?」
「ああ、あの薬草か。確かにあの薬草はこの山にフガ!」
どっちだよ。肝心なところでアランは入れ歯を落とし何を言っているか分からなかった。アレクサンドラ達はドン引きだ。
「っとすまんすまん。薬草は確かにある。だがそれを取りに行くとなると命がけじゃよ?」
「わかってます。だけどいかなきゃ……」
「アラン?アランってあの元大国筆頭魔導士のアラン様!?」
「ん?もしかしてアレクサンドラ様とエミリア様か!?」
エミリア達ははアランの事を知っているようだ。
「はい!!俺は第二王子のアレクサンドラです!こっちは第一王女のエミリアです!!」
「まさか、突然消えたと言われていたアラン様がこんな所にいらしたなんて……」
「おお、お二人とも大きくなられましたな。儂がお二人を最後に見た時はまだ赤ん坊の頃でした。しかし何故お二人が「カンパニー」と行動を共に?」
「ええ、それが……」
アレクサンドラとエミリアはこれまで起きたことを丁寧に話していく。しかし二人の話し方からアランって本当にすごい人だったんだな。王子と王女が様つけで話している。
「ふむ、なるほど。国は今そんなことになっていたか。ブクブクめ、いつか何かすると思っていたがそんなことを……」
「アレン様!どうか王宮にお戻りください。貴方様の力が必要なのです!」
「そうです!アレン様がいらっしゃったら百人力です!」
「ふむ……。ではお二人に人る問うてもいいですかな?」
「何でしょう?」
「国とは何か。それをお聞かせ願いますかな?」
「国、ですか?」
「いかにも。あなた達が儂の仕えるのに値する人物かどうか、それをこの質問で判断させていただきたい」
アレンは今までになく真剣に、入れ歯を落とす事無く話す。どうやら彼は入れ歯を落とさづずにしっかり話せるようだ。
アレクサンドラ達はその答えを見いだせないでいた。確かに「国」というテーマはあまりにも壮大すぎて僕にもその答えが何なのか分からない。
「ふむ。まだ答えが見つからないようだな。では「銀龍山」を降りてくるとき、再び同じ質問をしよう。それまでに答えが出ているなら儂は王子達と共に王宮へ行こうかの」
そう言い残しアレンは小屋の中へ入っていってしまった。アレクサンドラ達は立ち尽くし答えを答えを必死に探していた。
「とりあえず山を登ろうか。ここで立ち尽くしている時間はあまり多くはないからね」
二人が黙り込んだままだが頷くのを確認し、再び山頂を目指す。
「でも難しい質問だよねー?アイリスわかんない」
「うむ!!俺もだ!!考える気にもならない!!」
「いや、一応考えようよそこは……」
「でも確かに難しい質問よねテーマが壮大すぎて」
「ん。国によって価値観も違う気がするし」
「そうね。国とは何なのか。考えたこともないかもしれないわね」
僕らは僕らなりに答えを探してみるがこれと言ってはっきりとした答えは出なかった。
「とりあえず戦闘だ!!」
「うむ!!片っ端から蹴散らしてやる!!」
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「そうね。皆の意見は聞いてみたところね」
「うーん。難しいなぁ。でも大事な事は国その物を考えるより答えはもっと根本的な所にある気がするな」
「根本的な所、ですか?」
「うん。国に必要なものは何か、法律とは何か、何故法律が、国が必要なのか、別に国がなくても人は生きていけるだろうし」
「でもそれじゃあ戦争が絶えない世界になってしまうわ!歴史がそれを証明している」
「うん。じゃあ何故戦争が起きたかわかる?」
「それは、やはり食料問題、土地の奪い合い、宗教的問題ですよね」
よく勉強してるな二人は。歴史の問題点をちゃんと学びとらえている。
「そうだね。そしてそれらをなくすために手を取り合って国を作った。必要だから作った。誰にとって必要なのかな?」
「それは、国民ですか?」
「そうね。国民の為に法律と言うシステムを作って沢山の人が出来るだけ幸せになれるようにする。それが政治。政治家はできるだけいい国を作るために法律を作る」
「なら法律とは何でしょう。人々の、願い?」
「それはいい答えだね。「法律は願い」それはたしかにそうだと思うよ。「人種」や「宗教」が違う人たちが等しく幸せになれるようにするのが法律の本当に目的でなければならないとは思う」
「国」とは何か。その答えははっきりとは分からないが僕のにもだんだん見えてきた気がする。地球の歴史上、昔はもっと沢山の国があったはずだ。それが今の形になるまで人々は戦い、沢山の血を流し、そしてようやく今の形にした。
「そうね。そう考えると今の国の形って沢山の人の努力の上に成り立っているものなのよね」
「そうだね。その人たちは少しでもより良い国の為に努力をしてきた」
「そうですね。それを俺達は忘れてはいけない。そしてその人たちの為にもより良い国を作っていかなければいけない。あ、なんか俺答えが見えてきた気がします」
「私も見えてきたかも」
二人は会話の中から何かを掴んだようだ。きっとあの質問に絶対的な答えはない気がする。皆が言っていた様に「国や人種によってその答えは違う」と言うのが本音だろう。だがあえてそれを考えて答えるのはアレクサンドラ達の心構えを聞いている気がしていた。
「あはははは!!ほらほら足りないよ!!もっとかかってきなさい!!」
「うむ!!まだまだ戦えるぞ!!」
アイリスとレイは凄く楽しそうに魔物と戦っていた。
「何であいつらあんなに楽しそうなんだろうな」
「ま、まぁいいじゃないですか。沢山の人が居れば沢山の考えがある。戦闘が楽しい人だっていますよ」
「そうね。そういう人達もいてまた私達の生活が成り立っているのも事実だわ。色々な人が居て、色々な事をして、それが重なって、繋がって、そしてその輪が大きくなって大きくなって「国」が出来ているんだものね」
「そうですね。そう考えたらこの世界に無駄な事なんてないのかもしれない。確かに今は辛くて大変でもそれが将来役に立ったり次の代がそれを見て学んだり、そうやって歴史が出来ているのかもしれませんね」
もう二人は大丈夫なようだ。問題にしっかりと向き合い、考えたからこそ出たいい答えだ。もう彼らは大丈夫だろう。
「さて、それそれ頂上だ。ここからが本番だぞ二人とも」
「そうですね。答えを感がるのは後からです」
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