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いまさら遅い
王都の喧騒から切り離された、公立図書館の最上階。
高い天井まで届く書棚に囲まれた閲覧室で、エルゼとクロード・フォン・アシュレイ子爵は、何時間も言葉を交わしていた。
机の上に広げられたのは、エルゼが心血を注いで書き上げたアルノー村の灌漑図面と、クロードが持参した最新の土壌分析結果。
「……信じられない。シュタイン嬢、貴女はこの水路の分岐点を、わずか数パーセントの傾斜の差で計算したのですか?」
クロードの低い声には、隠しきれない驚嘆が混じっていた。
彼は単なる貴族ではない。自ら泥にまみれて領地を救った実務家だ。
だからこそ、エルゼが提示した案が、机上の空論ではなく、緻密な観察と冷徹な論理に基づいた本物であることを見抜いていた。
「ええ。土の性質を調べれば、水がどこへ行きたがっているかが分かります。私はただ、その声を聞いただけですわ」
エルゼは、かつてフィリップの前で見せていた「たおやかな笑み」ではなく、知的興奮に頬を上気させた、生命力あふれる笑顔を見せた。
クロードは、その瞳をじっと見つめた。
「……失礼を承知で申し上げますが、シュタイン嬢。社交界の噂では、貴女はアルベルト公爵家の『従順な花嫁』だと聞いていました。……だが、今日お会いした貴女は、誰かに守られる存在ではなく、自らが光となって周囲を照らす、北極星のような女性だ」
「北極星……。過分なお言葉ですわ、子爵閣下」
「いいえ。私は、自分の目に狂いがないことを誇りに思っています。貴女のような知性と魂を併せ持つ方に、これほど近くで触れられるとは……。もしよろしければ、この後の夕食をご一緒させていただけませんか? 続きは、もっと香りの良い紅茶と共に語り合いたい」
クロードの誘いは、フィリップのような命令ではなかった。
それは、一人の独立した人間に対する、最大限の敬意と、隠しきれない思慕の入り混じった、誠実な願いだった。
エルゼは、迷うことなく頷いた。
「喜んで。私も、貴方のような方とお話しできる幸せを噛み締めておりますの」
二人が席を立つとき、クロードが自然な動作でエルゼの外套を手に取った。その指先が、エルゼの肩にわずかに触れる。
かつてフィリップに触れられた時に感じた、あの重苦しい所有の重圧。
今のエルゼが感じたのは、春の陽だまりのような、心地よい安心だった。
*
一方、アルベルト公爵邸のサロンは、かつての華やかさが嘘のように、重苦しい空気に支配されていた。
フィリップは、荒れ果てた机の上で、次々と届く請求書と催促状の山に頭を抱えていた。
「……なぜだ! なぜ、これほどまでに上手くいかない!」
公爵家の広大な領地の管理。
これまでは、エルゼが「フィリップ様のお役に立ちたくて」と、彼が遊び歩いている間に、すべての収支を精査し、不正を暴き、完璧な運営計画を立てていた。
フィリップはそれを「自分が天才だから上手くいっているのだ」と、愚かにも信じ込んでいたのだ。
だが、彼女がいなくなった途端、領地の役人たちは怠慢になり、帳簿には穴が開き、投資のタイミングを逃したことで公爵家の財政は目に見えて悪化し始めていた。
「フィリップ様……そんなにイライラしないで。ほら、新しいドレスを買ってくださるって言ったじゃない。私、これじゃ夜会に行けないわ……」
ロゼッタが、いつものように甘ったるい声を出し、彼の首に腕を回す。
かつては、この儚さが彼を酔わせた。
だが、今のフィリップの目に映るロゼッタは、ただの金のかかる置物でしかなかった。
「ドレスだと!? ロゼッタ、君は今の状況が分かっていないのか! 領地では不作が続き、予算が足りないと言っているんだ!」
「えっ……でも、私、病気なのよ? 綺麗なものを着ていないと、心が死んでしまうわ。フィリップ様、私を愛しているんでしょう……?」
「愛……? 愛だと……!」
フィリップは、ロゼッタの腕を乱暴に振り払った。
その瞬間、彼の脳裏を過ったのは、質素な外出着に身を包み、自分を冷たく突き放したエルゼの姿だった。
エルゼなら、今の状況を見れば、即座に解決策を提示しただろう。
エルゼなら、無駄な出費を削り、彼を支え、称賛し、再び英雄へと戻してくれただろう。
「……そうだ。エルゼだ。エルゼさえ戻ってくれば、すべては元通りになる」
フィリップの瞳に、血走ったような異様な光が灯った。
それは愛ではない。
失った便利な道具を取り戻そうとする、所有者の浅ましい執着だった。
「おい! 馬車を出せ! シュタイン伯爵邸へ向かう!」
「フィリップ様!? 行かないで、私を一人にしないで……っ!」
ロゼッタのいつもの発作が始まったが、フィリップは一度も振り返らなかった。
彼にとって、ロゼッタという毒は、エルゼという解毒剤があって初めて楽しめる娯楽に過ぎなかったのだ。
*
エルゼとクロードが、王都で最も美しいとされるテラスレストランで食事を終えようとした時のことだ。
穏やかな夜の空気を切り裂くように、乱暴な足音が近づいてきた。
「エルゼ!! ここにいたのか!」
現れたのは、かつての優雅さを失い、執念に取り憑かれた幽鬼のようなフィリップだった。
彼は、クロードの存在を無視し、エルゼの腕を強引に掴もうとした。
「……アルベルト公爵令息。公共の場で、淑女に対して無礼ではありませんか」
クロードが、冷徹な声で立ちふさがった。
その圧倒的な威圧感に、フィリップは一瞬たじろいだが、すぐに声を荒らげた。
「アシュレイ子爵か! 君には関係のないことだ。彼女は僕の婚約者だ! ……エルゼ、もういいだろう。君の怒りは十分に分かった。僕が悪かった。ロゼッタとの縁は切る。だから、今すぐ屋敷に戻って、僕の仕事を助けてくれ」
エルゼは、ゆっくりと立ち上がった。
その瞳には、一滴の揺らぎもなかった。
彼女は、掴まれようとしていた自分の腕を見つめ、それからフィリップの顔を真っ直ぐに見た。
「……フィリップ様。貴方は、何か勘違いをなさっているようですね」
「勘違い? 何がだ。僕は謝っている。公爵家の次期当主である僕が、ここまで頭を下げているんだぞ!」
「貴方の謝罪が欲しいと言った覚えはありません。それに……『僕の仕事を助けてくれ』? 貴方は最後まで、私を『自分を輝かせるための道具』としてしか見ていらっしゃらないのね」
エルゼの声は、夜風よりも冷たかった。
彼女は、隣に立つクロードの腕に、そっと自分の手を添えた。
「今の私には、守るべき領地があり、共に未来を語れる素晴らしい友人がいます。……貴方の欠けた穴を埋めるために、私の時間を差し出すつもりは毛頭ございませんわ」
「エルゼ……君、本気か? この男の方がいいと言うのか!? こんな地味な子爵が……!」
「……アルベルト卿」
クロードが、一歩前に出た。その灰褐色の瞳に、静かな怒りの炎が宿る。
「貴方は彼女を『自分の道具』と呼びましたが、私にとって彼女は、この国の未来を背負うべき『真実の統治者』であり、私が人生のすべてを賭けて守り抜きたい、唯一無二の光です。……これ以上、彼女を汚れた言葉で侮辱するなら、アシュレイ家として、正式に抗議させていただきますよ」
フィリップの顔から、血の気が引いていった。
彼は気づいてしまった。
目の前にいるエルゼは、自分がかつて飼っていた小鳥ではない。
大空を自由に舞い、自分など見上げることもできないほどの高みにまで到達してしまった、一羽の美しい鷲(わし)なのだということに。
「……そんな。……嘘だ……エルゼ、僕を見てくれ……。僕は君がいないと……!」
「さようなら。フィリップ・フォン・アルベルト様」
エルゼは、一度も振り返ることなく、クロードと共に馬車へと乗り込んだ。
石畳を叩く蹄の音。
それが、フィリップの心にトドメを刺す、最後の一撃となった。
一人、夜の王都に残されたフィリップは、膝から崩れ落ちた。
周囲の嘲笑の視線に晒されながら、彼はようやく気づいたのだ。
自分が失ったのは、従順な婚約者ではなく――自分を唯一、人間として愛してくれていた、最後の聖域だったのだと。
だが、気づいた時にはもう、すべてが遅すぎた。
*
馬車の中で、エルゼはふっと肩の力を抜いた。
隣には、優しく微笑むクロードがいる。
「……怖くは、ありませんでしたか?」
「ええ。……ただ、少しだけ悲しかった。あんなに輝いていた人が、あんなにも空虚な存在に見えてしまうことが」
「それは貴女が、自分の足で光の中へ歩き出したからです。過去に囚われる必要はありません」
クロードは、エルゼの手をそっと握りしめた。
「エルゼ。……明日、アルノー村へ一緒に行きませんか? 貴女の作った水路が、一番綺麗に見える時間帯に」
「……ええ。喜んで、クロード様」
エルゼは微笑み返した。
高い天井まで届く書棚に囲まれた閲覧室で、エルゼとクロード・フォン・アシュレイ子爵は、何時間も言葉を交わしていた。
机の上に広げられたのは、エルゼが心血を注いで書き上げたアルノー村の灌漑図面と、クロードが持参した最新の土壌分析結果。
「……信じられない。シュタイン嬢、貴女はこの水路の分岐点を、わずか数パーセントの傾斜の差で計算したのですか?」
クロードの低い声には、隠しきれない驚嘆が混じっていた。
彼は単なる貴族ではない。自ら泥にまみれて領地を救った実務家だ。
だからこそ、エルゼが提示した案が、机上の空論ではなく、緻密な観察と冷徹な論理に基づいた本物であることを見抜いていた。
「ええ。土の性質を調べれば、水がどこへ行きたがっているかが分かります。私はただ、その声を聞いただけですわ」
エルゼは、かつてフィリップの前で見せていた「たおやかな笑み」ではなく、知的興奮に頬を上気させた、生命力あふれる笑顔を見せた。
クロードは、その瞳をじっと見つめた。
「……失礼を承知で申し上げますが、シュタイン嬢。社交界の噂では、貴女はアルベルト公爵家の『従順な花嫁』だと聞いていました。……だが、今日お会いした貴女は、誰かに守られる存在ではなく、自らが光となって周囲を照らす、北極星のような女性だ」
「北極星……。過分なお言葉ですわ、子爵閣下」
「いいえ。私は、自分の目に狂いがないことを誇りに思っています。貴女のような知性と魂を併せ持つ方に、これほど近くで触れられるとは……。もしよろしければ、この後の夕食をご一緒させていただけませんか? 続きは、もっと香りの良い紅茶と共に語り合いたい」
クロードの誘いは、フィリップのような命令ではなかった。
それは、一人の独立した人間に対する、最大限の敬意と、隠しきれない思慕の入り混じった、誠実な願いだった。
エルゼは、迷うことなく頷いた。
「喜んで。私も、貴方のような方とお話しできる幸せを噛み締めておりますの」
二人が席を立つとき、クロードが自然な動作でエルゼの外套を手に取った。その指先が、エルゼの肩にわずかに触れる。
かつてフィリップに触れられた時に感じた、あの重苦しい所有の重圧。
今のエルゼが感じたのは、春の陽だまりのような、心地よい安心だった。
*
一方、アルベルト公爵邸のサロンは、かつての華やかさが嘘のように、重苦しい空気に支配されていた。
フィリップは、荒れ果てた机の上で、次々と届く請求書と催促状の山に頭を抱えていた。
「……なぜだ! なぜ、これほどまでに上手くいかない!」
公爵家の広大な領地の管理。
これまでは、エルゼが「フィリップ様のお役に立ちたくて」と、彼が遊び歩いている間に、すべての収支を精査し、不正を暴き、完璧な運営計画を立てていた。
フィリップはそれを「自分が天才だから上手くいっているのだ」と、愚かにも信じ込んでいたのだ。
だが、彼女がいなくなった途端、領地の役人たちは怠慢になり、帳簿には穴が開き、投資のタイミングを逃したことで公爵家の財政は目に見えて悪化し始めていた。
「フィリップ様……そんなにイライラしないで。ほら、新しいドレスを買ってくださるって言ったじゃない。私、これじゃ夜会に行けないわ……」
ロゼッタが、いつものように甘ったるい声を出し、彼の首に腕を回す。
かつては、この儚さが彼を酔わせた。
だが、今のフィリップの目に映るロゼッタは、ただの金のかかる置物でしかなかった。
「ドレスだと!? ロゼッタ、君は今の状況が分かっていないのか! 領地では不作が続き、予算が足りないと言っているんだ!」
「えっ……でも、私、病気なのよ? 綺麗なものを着ていないと、心が死んでしまうわ。フィリップ様、私を愛しているんでしょう……?」
「愛……? 愛だと……!」
フィリップは、ロゼッタの腕を乱暴に振り払った。
その瞬間、彼の脳裏を過ったのは、質素な外出着に身を包み、自分を冷たく突き放したエルゼの姿だった。
エルゼなら、今の状況を見れば、即座に解決策を提示しただろう。
エルゼなら、無駄な出費を削り、彼を支え、称賛し、再び英雄へと戻してくれただろう。
「……そうだ。エルゼだ。エルゼさえ戻ってくれば、すべては元通りになる」
フィリップの瞳に、血走ったような異様な光が灯った。
それは愛ではない。
失った便利な道具を取り戻そうとする、所有者の浅ましい執着だった。
「おい! 馬車を出せ! シュタイン伯爵邸へ向かう!」
「フィリップ様!? 行かないで、私を一人にしないで……っ!」
ロゼッタのいつもの発作が始まったが、フィリップは一度も振り返らなかった。
彼にとって、ロゼッタという毒は、エルゼという解毒剤があって初めて楽しめる娯楽に過ぎなかったのだ。
*
エルゼとクロードが、王都で最も美しいとされるテラスレストランで食事を終えようとした時のことだ。
穏やかな夜の空気を切り裂くように、乱暴な足音が近づいてきた。
「エルゼ!! ここにいたのか!」
現れたのは、かつての優雅さを失い、執念に取り憑かれた幽鬼のようなフィリップだった。
彼は、クロードの存在を無視し、エルゼの腕を強引に掴もうとした。
「……アルベルト公爵令息。公共の場で、淑女に対して無礼ではありませんか」
クロードが、冷徹な声で立ちふさがった。
その圧倒的な威圧感に、フィリップは一瞬たじろいだが、すぐに声を荒らげた。
「アシュレイ子爵か! 君には関係のないことだ。彼女は僕の婚約者だ! ……エルゼ、もういいだろう。君の怒りは十分に分かった。僕が悪かった。ロゼッタとの縁は切る。だから、今すぐ屋敷に戻って、僕の仕事を助けてくれ」
エルゼは、ゆっくりと立ち上がった。
その瞳には、一滴の揺らぎもなかった。
彼女は、掴まれようとしていた自分の腕を見つめ、それからフィリップの顔を真っ直ぐに見た。
「……フィリップ様。貴方は、何か勘違いをなさっているようですね」
「勘違い? 何がだ。僕は謝っている。公爵家の次期当主である僕が、ここまで頭を下げているんだぞ!」
「貴方の謝罪が欲しいと言った覚えはありません。それに……『僕の仕事を助けてくれ』? 貴方は最後まで、私を『自分を輝かせるための道具』としてしか見ていらっしゃらないのね」
エルゼの声は、夜風よりも冷たかった。
彼女は、隣に立つクロードの腕に、そっと自分の手を添えた。
「今の私には、守るべき領地があり、共に未来を語れる素晴らしい友人がいます。……貴方の欠けた穴を埋めるために、私の時間を差し出すつもりは毛頭ございませんわ」
「エルゼ……君、本気か? この男の方がいいと言うのか!? こんな地味な子爵が……!」
「……アルベルト卿」
クロードが、一歩前に出た。その灰褐色の瞳に、静かな怒りの炎が宿る。
「貴方は彼女を『自分の道具』と呼びましたが、私にとって彼女は、この国の未来を背負うべき『真実の統治者』であり、私が人生のすべてを賭けて守り抜きたい、唯一無二の光です。……これ以上、彼女を汚れた言葉で侮辱するなら、アシュレイ家として、正式に抗議させていただきますよ」
フィリップの顔から、血の気が引いていった。
彼は気づいてしまった。
目の前にいるエルゼは、自分がかつて飼っていた小鳥ではない。
大空を自由に舞い、自分など見上げることもできないほどの高みにまで到達してしまった、一羽の美しい鷲(わし)なのだということに。
「……そんな。……嘘だ……エルゼ、僕を見てくれ……。僕は君がいないと……!」
「さようなら。フィリップ・フォン・アルベルト様」
エルゼは、一度も振り返ることなく、クロードと共に馬車へと乗り込んだ。
石畳を叩く蹄の音。
それが、フィリップの心にトドメを刺す、最後の一撃となった。
一人、夜の王都に残されたフィリップは、膝から崩れ落ちた。
周囲の嘲笑の視線に晒されながら、彼はようやく気づいたのだ。
自分が失ったのは、従順な婚約者ではなく――自分を唯一、人間として愛してくれていた、最後の聖域だったのだと。
だが、気づいた時にはもう、すべてが遅すぎた。
*
馬車の中で、エルゼはふっと肩の力を抜いた。
隣には、優しく微笑むクロードがいる。
「……怖くは、ありませんでしたか?」
「ええ。……ただ、少しだけ悲しかった。あんなに輝いていた人が、あんなにも空虚な存在に見えてしまうことが」
「それは貴女が、自分の足で光の中へ歩き出したからです。過去に囚われる必要はありません」
クロードは、エルゼの手をそっと握りしめた。
「エルゼ。……明日、アルノー村へ一緒に行きませんか? 貴女の作った水路が、一番綺麗に見える時間帯に」
「……ええ。喜んで、クロード様」
エルゼは微笑み返した。
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