狂った勇者が望んだこと

夕露

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第五章:ラシュラルの花をあなたに

262.(別視点、1日目)勇者らしい勇者

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ラザルニアを覆っていたシールドが破壊され、押し寄せた闇の者の群れは大地たちの手によって討たれた。迫りくる惨劇は未然に防がれ、街は救われたのだ。
ラザルニア近くで栄えていたミニアルの街では、彼らを英雄と称えて祭りのような騒ぎとなっていた。地を埋め尽くすほどの闇の者を次々と屠っていくその姿に、人々は羨望と恐怖を抱き、なによりも深い感謝と安堵を覚える。

さらに、耳に入ってきた話は彼らの熱を一層高めた。
街を救った英雄のひとりは、勇者だった。
勇者大地。
その名を知る商人は声を弾ませ、興奮を隠せない様子で人々に語り広めた。

勇者大地はなんとも驚くべきことに、初代勇者空の弟君である。
勇者が復活した。
勇者空が再びこの世を救うため、弟君を遣わせたのだ。ハトラ教のウシンからの信頼も厚く、人々に慕われる勇者。

ああ、そうだ。彼こそが真の勇者。

歓待を受ける大地は、否定の言葉を口にしながらも、どこか投げやりに流していた。古都シカムで嫌というほど味わった過剰な持ち上げに懲りたのだろう。いまは差し出された食事に手をつけている。


「俺は馬鹿だから難しーことはよく分かんねえよ」


人々からの質問に、肩をすくめて応えるその姿は、いままでの勇者と違い、人々はますます確信する。

セルジオとリーフも、大地ほどではないが人々に囲まれていた。
一目その姿を見たい、一言でも感謝を捧げたい、できるならその目に留まりたい。そんな想いが人々を集わせる。
レオルドはいちはやくその手を払って、ひとり静かに食事を楽しんでいる。
その視線が向く先は、リーシェが向かった場所だ。

その時間が終わったのは、閉ざされていた城門が軋む音を立てて開いたときだった。
兵士に案内されて駆け込んできたのはひとりの男──ハース。彼はまっすぐにレオルドのもとへと走った。異変を察した大地たちもすぐさま集まる。周囲の人々は、好奇心を抑えきれず、耳を澄ませた。


「フィラル王国と古都シカムの戦争が始まった!あのあとライガさんと会って、この話を聞いたんだ……ライガさんはルラル王国のレナに追われていたためそ、すぐに離脱。リーシェさんは勇者春哉を救うため、ひとりで転移しました。俺は報告のためここに」


フィラル王国と古都シカムが戦争。
人々は言葉を失い、顔を見合わせる。まさに寝耳に水というべき衝撃だった。
戦争。
だがすぐに次の思考がよぎる。

この方々はいったい何者なのか?
勇者大地──フィラル王国から召喚された勇者。そうであるなら、と考える先の光景に現れるのは、つい先ほど見たばかりの圧倒的な力。

そして人々以上に驚き、言葉を失ったのは大地だった。
リーシェたちと行動を共にするようになって知ったいくつもの出来事はこの結末への道を示していた。決して驚くことではない。
だが、現実となった瞬間、胸の奥が軋むように痛む。

大地は鉄パイプを握りながら呆然と立ち尽くす。

同じ心境にあるはずの仲間たちを見れば、リーフはリーシェのことをハースに詳しく尋ねている。彼の立ち位置は決してブレない。そしてそれは隣に立つセルジオも同じだ。
それぞれが、自分たちの行動を決めていく。
レオルドに視線を向ければ、その口元にはわずかな笑みが浮かんでいた。
どうする?
そんな声が聞こえたきがして、大地は逡巡する。

これからどうするか。

迫られる決断に、大地は小さく息を吸い込む。


──いまも脳裏に焼き付いて離れない記憶がある。


ちょろちょろと小動物のように動き回り、姉ぶって世話をやく姿。

『本当に、大地様ったら』

呆れつつも笑う顔。

『逃げてください!サク様でさえ殺害対象となったのです!あなたはこんなところにいるべきじゃありません!』

鬼気迫った顔で転移球を差し出した。

『私にも好きなように生きろって言ってくれたじゃないですか。大地様もですよ!大地様は大地様らしく好きなように生きてください!』

最後まで泣かずに笑った顔。

『私は無理なんです。どうか、どうかお元気で』

伸ばした手を決して取らず、お辞儀した小さな姿。
リューイが最後にどんな顔をしたのか、分かることはなかった。


神殿に転移した大地は、涙を浮かべて歓迎するウシンに出迎えられて、古都シカムでの日々を始めることになる。
勇者サクが死んだ──殺されたこという実感のわかない毎日は、驚くほど平和で、リューイの演技だったのではないかと疑いさえした。だがウシンは、勇者サクが死んだと聞いて酷く残念がりながらも、大きな疑問を持つことはなかった。
きっと、そういうことなのだろうと大地は思った。

古都シカムでの暮らしは大地の性に合っていて、フィラル王国にいたときよりも楽に生きることができた。
まとわりつくように世話を焼くウシンを鬱陶しく感じることはあっても、その言動のどこにも悪意はなく、ただただ愛情や親愛が込められているのが分かって、嫌ではなかった。両親から向けられたことのなかった温もりに、むずがゆさと、ほんの少し嬉しさを覚え、ああ、これは、しょうがないと苦笑いさえ浮かぶようになる。

『大地様!ああもう、またそんな恰好で魔の森に向かうだなんて……いいですか?魔の森はとっても危険なのですから、決しておひとりで行ってはなりませんぞ』

まるで子供に言い聞かせるような調子で注意するウシンに、憎まれ口を叩きつつも、気づけば笑みが浮かぶようになってしまう。
ゆっくりではあるが、古都シカムでの時間は、衝撃的な記憶に傷ついた大地の心を慰めていく。
消えないしこりが、何もできない自分を非難するように訴えてくるが、それに眼を瞑ることさえできるようになった。

『大丈夫』
『僕は僕にできることをするよ』
『大丈夫だ、大地』
『私たちは奴隷です』
『気にするな』
『サク様が殺されました』
『俺は平気だ。お前は大丈夫か?』
『……別に』

けれど手の届かない人たちの顔が、声が、消えない。
ぬるま湯のように居心地のいい古都シカムでさえ、過ごすうちに見えてくる小さな疑問がある。

俺は。

そして、世界は突然変わった。
悩んでいたのが嘘のように、馬鹿みたいに全てがひっくり返された。
ウシンの目を避けて魔の森へと行く途中、見慣れない髪の長い女を見つける。臙脂色のワンピースを着ていて、背の高い、綺麗な女だった。その女が、大地を見るなり目を見開く。

その顔を、見たことがあった。

フィラル王国で馬鹿な話をしているときにも見た顔だ。
この顔を知っている。
以前とは違うのに、はっきりと確信する。

『……はいはい』

兄に似ていて、だからこそ、兄のように「死ぬな」と言えば、困ったように眉をさげて笑った顔。
兄がいなくなった日に見せた顔──サクだ。間違いなく、サクだ。
こみあげてくる涙とは裏腹に、喉がカラカラに乾いて、そして、ふと気がつく。

女?

指さした手が握られて、腕に髪があたる。死んだはずのサクは、間違いなく目の間で動いていた。
生きていたのだ。
思いがけず果たせた再会は、たくさんの例外があることを教えてくれた。

この糞みたいな人生であった、忘れたくない記憶のひとつだ。


記憶。



いまも強く残る記憶がある。



『あとは任せた』



できるだろ、といわんばかりに笑った顔を思い出し、大地は笑う。



「俺は古都シカムに行く」



俺は。
俺は。






「なんでこんなことができんだよ……」




転移した古都シカムに広がっていたのは、見慣れた穏やかな光景ではなかった。
森に囲まれて木漏れ日の降り注ぐのどかな空気はどこにもない。日差しがよくあたる畑は踏み荒らされ、荘厳な神殿は煤にまみれ、ところどころが崩れ落ちている。
地面には血が飛び散り、地べたに倒れる人影が無数に横たわっていた。泣き声、動かない身体、蒸し暑い空気──あまりの惨状に大地は眩暈を覚え、立ち尽くす。
彼を現実に引き戻したのは、俯いていた人々だった。大地に気がついた人々は、安堵に涙を流しながら、自分が知りうる情報を口にする。

助けてください。

合間に聞こえる言葉が耳を焼く。
そして案内された神殿の光景は、大地を更に打ちのめした。呻き声が四方から響き、床を埋め尽くすほど人々が横たわっている。

痛い、痛い。
早く治癒魔法を。
もう手遅れだ。

重なる絶望の声を聞きながら、大地は呆然としていた。
分からなかった。
闇の者相手ならばまだ分かる。襲ってくるのだから殺すのだ。けれど、襲ってきてもいない相手に対して、なぜ、一方的に攻撃をしかけて殺せるのだろう。
息苦しさを覚えながら、大地は指さされた先に進む。地獄のような場所で、見慣れた姿を見つけてしまった。
いつも腹を揺らしながら笑顔で走り寄ってきたウシンが、泣いている。
名を呼べば、びくりと身体を震わせ、振り返ったウシンは悲しげに笑みを作った。


「無事でよかった」


ウシンがそれをいうのはおかしいだろう。
だが、大地はなにもいえず、事の経緯を聞くだけしかできない。


「勇者進藤と勇者レナが突然現れたかと思ったらこの国を焼きおったのだ」


ボロボロと涙をこぼしながら紗季に治癒魔法をかけるウシン。その横には、包帯を巻いたアルドが横たわっていた。治癒魔法使いが足りず、最低限の治癒魔法しかかけられないのだ。ウシンも力尽きそうなのか、膝をついている。

それで、そのまま?

その先を想像した瞬間浮かぶのは、手の届かない人たちの顔だ。
また、なにもできないのか。
そう思った瞬間、ついに、ウシンが座り込む。紗季に治癒魔法をかけ続ければ、その命が尽きるだろう。

俺は。
俺は──



『大地はできる。そういうもん』



笑ったサクの声を、思い出す。


『魔法ってお前がピンチになったら勝手に作動してお前を守ってくれんだぜ』


根拠のないことを断言していた。
茶色い瞳はまっすぐに大地を映していて、


『ついでにいうとお前が助けたいって思った奴も自動的に守ってくれんの』


元の世界の友人や兄と同じように笑いつつも、真面目に言った。



──そうだ。
糞みたいな元の世界でもダチや兄貴がいたし、この世界でも糞みたいなことは多かったけど、俺を思ってくれる奴らはたくさんいた。



『空が大切にしていたあなたを私も守りたいんです』
『俺の願いを超える奴がいつか出るってだけだろ?』
『大地様の御心のままに』
『お前もこれからどうするか考えといて』



俺がしたいこと──



『大地様も大地様らしく』



──俺は、俺だ。

俺は俺ができることをする。



「これは……大地様……」



ウシンが呟き、振り返った。
そして見えたのは眩いほどの光だ。暗い神殿を照らした光は、絶望に沈むしかなかった人々の瞳に涙を浮かべさせる。

痛みがみるみるうちに消えていく。
爛れた皮膚は戻り、森を焼いた火が残した熱気は消え、死の淵を彷徨っていた者は眼を覚ます。

奇跡だ。

確信した人々は顔を見合わせる。
やはり、間違いなかった。



「初代様の再来……大地様!大地様!!」



歓声が広がるなか、ウシンだけは涙を流しながら黙って見つめていた。かつて勇者空の弟と知った時とは違い、静かに涙を流す。。
大地は舌打ちすると、腹の底から声をす。


「うるせーな!俺は俺のしたいよーにする!俺でもできることだ!だからお前らも自分のできることしろ!あっ!俺に聞くなよ!?俺は馬鹿だから分かんねえんだよ!とりあえず叫ぶぐらい元気ならとっとと外にいる怪我人連れてこい!」


たったいま多くの怪我人を治癒してみせた大地は、倒れることなく、まだ人々を救おうとしている。
檄を飛ばすその姿に、人々はそれぞれ自分ができることを探して動き始める。惨劇の爪痕は服に残っていても、人々の顔は前を向いていた。
大地はまっすぐにウシンへ歩み寄る。


「ウシン。あとは俺に任せて寝ろ」
「大地様……」
「あー、うぜー……老いぼれはさっさと寝て元気になれ」
「……ふふ、そうさせてもらいますかな」


ぶっきらぼうな言葉とは裏腹に、大地の手がウシンの頭にそっと触れる。大地の性格をよく知るウシンはおかしさに笑みを浮かべ、そのまま眼を閉じた。穏やかな寝息だ。

もう大丈夫だ。

ウシンの笑みをみて、大地も笑みを浮かべる。
そして、身体を起こしてこちらを見ていたアルドと目を合わせて、笑う。


「オッサン、売られた喧嘩は買うだろ?」
「勿論だ」


アルドと大地は互いの手を握る。殴るような鈍い音を鳴らして決意を固める2人に、茶色の瞳を細めた紗季が言った。


「もう隠れる必要はないのね……やるわよ」


そして2人の手に、自らの手を重ねた。









 
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