348 / 492
第4部
雪合戦しよう!
しおりを挟む
天幕のそばの高台に立って哨戒にあたっていたテュコのもとへ、スヴェンが外套を着ながら近づいてきた。
「もっとゆっくりでよかったんですよ」
思ったより早い交代に、テュコが訝しむ。
「アシェルナオの様子がおかしいんです。でも俺じゃ何を言っていいかわからなくて」
「あとを頼みます」
言い残してテュコは足早に天幕に向かった。
大勢での楽しい食事だったが、胸の痛みがアシェルナオの表情を暗くしていた。
「ナオ様、食が進みませんか?」
スヴェンと交代して食事の席に着いたテュコは、ただでさえ他の者より量の少ないアシェルナオの皿にまだシチューが半分以上残っているのを見ながら声をかける。
「キュゥ」
ふよりんも心配そうな鳴き声をあげる。
「ナオ様、温かいものと取り替えましょう」
テュコに続いて戻ってきたアダルベルト、ハヴェルの前にも暖かい食事を並べながらアイナが声をかける。
「ううん、大丈夫。これでいい」
「申し訳ありません。私が余計なことを言ってしまったのです」
首を振るアシェルナオの横から、イーハがさっきのやり取りを聞かせた。
「そうですか。ご存知かもしれませんが、ナオ様は違う世界からこの国に来られたのです。たった1人で違う世界に突然来られて、その時のナオ様の心細さや不安はとても大きなものでした。その時に約束したのですよ。私とアイナとドリーンはずっとナオ様のお側にいると。だからナオ様は私たちのことを、ある意味家族のようだと思ってくださっているのです。家族なのに一緒に食事ができないから、こういう席をナオ様は喜んでくださるんですよ」
テュコの言葉に、イーハはアシェルナオの心情を理解した。
「申し訳ありません、私……」
理解すると同時に貴族の枠を押し付ける発言をしたことを悔やんだ。
「ナオ様。私たちは普段は一緒に食事をすることはできませんけど、ナオ様がおいしそうに召し上がってくださると、私たちも一緒においしくいただいている気持ちになるんですよ」
アシェルナオの前にあたたかなお茶を差し出しながらアイナが声をかける。
「一緒に食事をしているわけではないですけど、心はいつでもナオ様と一緒に食卓を囲んでいますよ」
ドリーンもアイナに続いて思いを伝える。
「ナオ様はそうではありませんか?」
テュコが柔らかな表情で尋ねると、アシェルナオは目を見開いて頷いた。
「一緒に食べていなくても、一緒に食事してるんだね」
「ええ。でも今日は並んで食事ができますね。食べ終わったら雪合戦しましょう。食べないと置いていきますよ」
「食べる」
アシェルナオは止まっていた手を急いで動かしてシチューを口に運ぶ。
それを微笑ましく見守りながら食事を始めるテュコを、アダルベルトとハヴェルが温かい目で見ていた。
「僕と、テュコと、フォルね。イーハとスヴェンとダルね」
天幕の撤去作業のあいだ、アシェルナオは3人対3人のチームに分かれた。
「この線から相手の陣地に入ったらだめだよ。雪に石入れちゃだめ。魔法使っちゃだめ。雪を丸めて投げる。終わった時点でいっぱい雪がついていた方が負け。アイナ、ドリーン、頃合いを見て終わりの合図を出して」
「わかりました」
「がんばって、ナオ様」
アイナとドリーンに応援されて、
「じゃあ、はじめ!」
アシェルナオが開始を告げる。
同時にスヴェンの放った雪玉がアシェルナオの顔に当たる。
柔らかい雪玉はアシェルナオの顔にぶつかった途端弾けたのだが、
「スヴェン!」
アシェルナオは足元の雪を掴んでぎゅっ、と固めてスヴェン目がけて投げつけた。
スヴェンの顔に見事に命中させたアシェルナオは、身軽な動きで反撃の雪玉を避ける。
「やりますね、ナオ様」
テュコは雪の中に手を入れ、抜いた時には手の中に出来ていた雪玉で剛速球を投げ、アダルベルトの頭に命中させる。
雪玉とはいえ、テュコの投げたそれはかなり痛かった。
「痛いぞ! テュコ!」
「テュコすごい!」
アダルベルトは抗議の声を、アシェルナオは興奮した声をあげた。
流れるような一連の動作で雪玉を作っては投げる、当てる、避けるを繰り返すテュコに、スヴェンとアダルベルトが苦戦している。
イーハはこういう遊びが楽しくて仕方ないと言った表情で夢中になって雪玉を作っては投げていたが、当てるよりも当たる回数のほうが多かった。
「楽しいですね、ナオ様」
フォルシウスも勝負よりも楽しさの方が勝ってるようで、笑顔になっていた。
「アシェルナオ、すばしっこいな!」
なかなかアシェルナオに当てられずに雪玉を作り溜めしているスヴェンは、その間に雪玉の標的になっていた。
「負けないぞ、テュコ!」
テュコに雪玉を当てようとむきになるアダルベルトだが、雪玉を作る動作と投げる動作がうまくかみ合わず、その隙をついてテュコから雪玉の集中砲火を浴びていた。
「しゅうりょーう」
アイナが大きな声で終了の合図を出す。
それほど長い時間ではなかったにもかかわらずアシェルナオもイーハも息があがっていたが、その表情は溌剌としていた。
「ナオ様チームの勝ちです!」
ドリーンが雪まみれのスヴェンとアダルベルトを見て判定をくだす。
「やったー。楽しかったー」
満足したアシェルナオが歓声をあげる。
「天幕の撤収は完了しました。すぐに出発できます」
雪合戦に参加したかったキナクが拗ねた口調で報告する。
「その前に少し雪をはらいましょう」
アシェルナオの髪の毛や外套についている雪玉の残骸をアイナとドリーンが2人がかりでタオルで拭きとる。
「アイナ、ドリーン、すっごく楽しかったよ」
「よかったですねぇ」
「うん。今度はヴァルも一緒に雪合戦したいなぁ」
もうすぐ出発かと思うと名残惜しくて、アシェルナオは雪景色を視界におさめる。
冷たい雪があたりを埋め尽くす場所で
雪合戦をしたよ
たくさんぶつけてたくさんあたったよ
手が冷たいけど楽しくて頬が赤くなったよ
一緒だったらよかったな
雪の結晶が私に降ってきて
会えない心を慰める
ねえ、今度は一緒に来ようね
アシェルナオの思いが零れてしまったような美しい歌声に、出発の準備をしていた人々は動作をとめて聴き入った。
※※※※※※※※※※※※※※※※
エール、いいね、ありがとうございます。
いやされております。
「もっとゆっくりでよかったんですよ」
思ったより早い交代に、テュコが訝しむ。
「アシェルナオの様子がおかしいんです。でも俺じゃ何を言っていいかわからなくて」
「あとを頼みます」
言い残してテュコは足早に天幕に向かった。
大勢での楽しい食事だったが、胸の痛みがアシェルナオの表情を暗くしていた。
「ナオ様、食が進みませんか?」
スヴェンと交代して食事の席に着いたテュコは、ただでさえ他の者より量の少ないアシェルナオの皿にまだシチューが半分以上残っているのを見ながら声をかける。
「キュゥ」
ふよりんも心配そうな鳴き声をあげる。
「ナオ様、温かいものと取り替えましょう」
テュコに続いて戻ってきたアダルベルト、ハヴェルの前にも暖かい食事を並べながらアイナが声をかける。
「ううん、大丈夫。これでいい」
「申し訳ありません。私が余計なことを言ってしまったのです」
首を振るアシェルナオの横から、イーハがさっきのやり取りを聞かせた。
「そうですか。ご存知かもしれませんが、ナオ様は違う世界からこの国に来られたのです。たった1人で違う世界に突然来られて、その時のナオ様の心細さや不安はとても大きなものでした。その時に約束したのですよ。私とアイナとドリーンはずっとナオ様のお側にいると。だからナオ様は私たちのことを、ある意味家族のようだと思ってくださっているのです。家族なのに一緒に食事ができないから、こういう席をナオ様は喜んでくださるんですよ」
テュコの言葉に、イーハはアシェルナオの心情を理解した。
「申し訳ありません、私……」
理解すると同時に貴族の枠を押し付ける発言をしたことを悔やんだ。
「ナオ様。私たちは普段は一緒に食事をすることはできませんけど、ナオ様がおいしそうに召し上がってくださると、私たちも一緒においしくいただいている気持ちになるんですよ」
アシェルナオの前にあたたかなお茶を差し出しながらアイナが声をかける。
「一緒に食事をしているわけではないですけど、心はいつでもナオ様と一緒に食卓を囲んでいますよ」
ドリーンもアイナに続いて思いを伝える。
「ナオ様はそうではありませんか?」
テュコが柔らかな表情で尋ねると、アシェルナオは目を見開いて頷いた。
「一緒に食べていなくても、一緒に食事してるんだね」
「ええ。でも今日は並んで食事ができますね。食べ終わったら雪合戦しましょう。食べないと置いていきますよ」
「食べる」
アシェルナオは止まっていた手を急いで動かしてシチューを口に運ぶ。
それを微笑ましく見守りながら食事を始めるテュコを、アダルベルトとハヴェルが温かい目で見ていた。
「僕と、テュコと、フォルね。イーハとスヴェンとダルね」
天幕の撤去作業のあいだ、アシェルナオは3人対3人のチームに分かれた。
「この線から相手の陣地に入ったらだめだよ。雪に石入れちゃだめ。魔法使っちゃだめ。雪を丸めて投げる。終わった時点でいっぱい雪がついていた方が負け。アイナ、ドリーン、頃合いを見て終わりの合図を出して」
「わかりました」
「がんばって、ナオ様」
アイナとドリーンに応援されて、
「じゃあ、はじめ!」
アシェルナオが開始を告げる。
同時にスヴェンの放った雪玉がアシェルナオの顔に当たる。
柔らかい雪玉はアシェルナオの顔にぶつかった途端弾けたのだが、
「スヴェン!」
アシェルナオは足元の雪を掴んでぎゅっ、と固めてスヴェン目がけて投げつけた。
スヴェンの顔に見事に命中させたアシェルナオは、身軽な動きで反撃の雪玉を避ける。
「やりますね、ナオ様」
テュコは雪の中に手を入れ、抜いた時には手の中に出来ていた雪玉で剛速球を投げ、アダルベルトの頭に命中させる。
雪玉とはいえ、テュコの投げたそれはかなり痛かった。
「痛いぞ! テュコ!」
「テュコすごい!」
アダルベルトは抗議の声を、アシェルナオは興奮した声をあげた。
流れるような一連の動作で雪玉を作っては投げる、当てる、避けるを繰り返すテュコに、スヴェンとアダルベルトが苦戦している。
イーハはこういう遊びが楽しくて仕方ないと言った表情で夢中になって雪玉を作っては投げていたが、当てるよりも当たる回数のほうが多かった。
「楽しいですね、ナオ様」
フォルシウスも勝負よりも楽しさの方が勝ってるようで、笑顔になっていた。
「アシェルナオ、すばしっこいな!」
なかなかアシェルナオに当てられずに雪玉を作り溜めしているスヴェンは、その間に雪玉の標的になっていた。
「負けないぞ、テュコ!」
テュコに雪玉を当てようとむきになるアダルベルトだが、雪玉を作る動作と投げる動作がうまくかみ合わず、その隙をついてテュコから雪玉の集中砲火を浴びていた。
「しゅうりょーう」
アイナが大きな声で終了の合図を出す。
それほど長い時間ではなかったにもかかわらずアシェルナオもイーハも息があがっていたが、その表情は溌剌としていた。
「ナオ様チームの勝ちです!」
ドリーンが雪まみれのスヴェンとアダルベルトを見て判定をくだす。
「やったー。楽しかったー」
満足したアシェルナオが歓声をあげる。
「天幕の撤収は完了しました。すぐに出発できます」
雪合戦に参加したかったキナクが拗ねた口調で報告する。
「その前に少し雪をはらいましょう」
アシェルナオの髪の毛や外套についている雪玉の残骸をアイナとドリーンが2人がかりでタオルで拭きとる。
「アイナ、ドリーン、すっごく楽しかったよ」
「よかったですねぇ」
「うん。今度はヴァルも一緒に雪合戦したいなぁ」
もうすぐ出発かと思うと名残惜しくて、アシェルナオは雪景色を視界におさめる。
冷たい雪があたりを埋め尽くす場所で
雪合戦をしたよ
たくさんぶつけてたくさんあたったよ
手が冷たいけど楽しくて頬が赤くなったよ
一緒だったらよかったな
雪の結晶が私に降ってきて
会えない心を慰める
ねえ、今度は一緒に来ようね
アシェルナオの思いが零れてしまったような美しい歌声に、出発の準備をしていた人々は動作をとめて聴き入った。
※※※※※※※※※※※※※※※※
エール、いいね、ありがとうございます。
いやされております。
201
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
使用人と家族たちが過大評価しすぎて神認定されていた。
ふわりんしず。
BL
ちょっと勘とタイミングがいい主人公と
主人公を崇拝する使用人(人外)達の物語り
狂いに狂ったダンスを踊ろう。
▲▲▲
なんでも許せる方向けの物語り
人外(悪魔)たちが登場予定。モブ殺害あり、人間を悪魔に変える表現あり。
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる