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ロイスナーに来て、二度目の冬
再び雪が降り積もる 2
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「今年の雪は多いのね」
ロイスナーに降る雪がその威力を増し、雪が溶けるまでは庭での仕事がなくなったヘルムートは、今年も城内中を歩き回り、人手が足りない所の補佐をして回っている。
そんなヘルムートが暖炉に薪を足しに来る、その時を見計らって、リーゼロッテは声をかけた。
「そうですね。私は生まれも育ちもロイスナーですが、ここまでの雪の量は初めてです。今年は雨も少なくて、領内が不作だったので、ベルンハルト様もさぞ苦心されたことでしょう」
ヘルムートが言うベルンハルトの苦心は、冬の食糧のことだ。毎日の朝の時間は、冬が近づく毎にその頻度が下がり、たまに会うベルンハルトは忙しさからか、やつれている様にすら見えた。
そんなベルンハルトを気遣って、手伝いに名乗り出るが、ロイスナーの事情に疎いリーゼロッテでは、せいぜいヘルムートと一緒になって城内で快適に暮らせる為の管理をして回ることだけ。
使用人達に紛れて掃除をし、調理場に足を運び、薪を足して回る。リーゼロッテがやることではないと皆に止められはしたが、他にやることもないと頼み込んだ。
与えてもらってばかりで、お客様だった去年とは違う。ロイスナーの、この城で暮らす一人としてできる限り役に立てればと、そんな思いを汲んでくれたのは、やはりヘルムートだ。
「庭仕事がなければ、私には時間がありますから」そう言ってリーゼロッテのわがままを引き受け、城の仕事を案内してくれる。リーゼロッテに城内を案内しながら、次から次へと仕事を受け持ち、そしてこなしていく優秀さに、言葉もなかった。
ヘルムートが抱え込む仕事が徐々に増え、片手間ではこなし切れないぐらいになった頃に、リーゼロッテは部屋に戻る。そしてまた、ヘルムートの手が空くのを待つのだ。
ヘルムートが手を空けて、リーゼロッテの部屋に薪を持って来れば、再びヘルムートの後ろを付いて歩く。
まるで動物の親子の様なその状態は、ヘルムートに迷惑をかけているとリーゼロッテも自覚している。それでも、「かまいませんよ」と微笑んでくれたヘルムートの厚意に、遠慮なく甘えた。
ヘルムートやアルベルトに甘えていいと、使用人達を使えばいいと、そう教えたのはベルンハルトだ。そしてその気持ちは、ちゃんと城中に伝わっていて、城の隅から隅までベルンハルトの心遣いが染み渡っていた。
王城とは違う、暖かな空気。居心地の良い空間。ベルンハルトの素顔だって、この城の者たちには受け入れられるだろうに。
(何故、あんなに頑ななのかしら)
「奥様? これから、調理場に参りますが、いかがされますか?」
「調理場! 行きたいわ!」
「そんなに、楽しい所でもありませんが」
「そう? お料理が作られていくのを見てるのは楽しいものよ。材料はそれだけでは食べられないものもあるのに、あんなに美味しくて綺麗なお食事になっていくの。とても素晴らしいし、とても不思議よ」
「直接言ってやって下さい。料理人たちが喜びますから」
料理人たちの華麗な手捌きで食事が作られていく様子は、リーゼロッテにとってはまるで魔法のようで。何度見ても飽きはしない。
それに、他にも気になることがある。
「そう? それなら、機会があればお伝えするわ」
「いかがされました?」
ヘルムートとの会話の最中に、ふと考え込んだのをヘルムートは見逃しはしない。
「いえ、ちょっとね」
「何か、お困りのことがありますか?」
「この城の食材がね、あれで足りるのかしら? って。ベルンハルト様のお考えですし、余計なことよね」
「大事が起こらない限りは、かろうじて間に合うかと思います。この時期はどうしてもギリギリになってしまうものですから」
「大事……」
ヘルムートの言い方では、最低限の量しか確保されていないことがわかる。領内でも不作だった今年は、領民の暮らしはもっと厳しいものだろう。それを鑑みて、ベルンハルトが例年よりも多くのものを配分したということは容易に想像できる。
「ベルンハルト様が統治し始めてから、飢えで亡くなる領民は減りました。その分、城内の暮らしは少々厳しいものとなりましたが」
領主だというのに、贅沢からはかけ離れた生活を送るベルンハルトのことを見ていれば、もう何年もその様な生活をしてきたのだということもわかる。そしてその暮らしぶりを、城で働く者たちも受け入れていることも。
城内に目を向けて初めて、ベルンハルトの作り出した空気を肌に感じた。そしてその一部になりたいと、やっと動き始めることができた。もう少し早く行動できていればと、後悔ばかりが渦を巻く。
「でも、ヘルムートさんもこの暮らしが嫌ではないのでしょう?」
領主に仕えるほどの身分であるのに、他の領民達と何も変わることのない食事。それどころか、一人で何役も役目をこなすことを強いられることもあるだろう。
「も、ですか?」
「えぇ。わたくしも、嫌ではないの」
「王城での暮らしの方が、豊かであったはずです」
「豊か……そうねぇ。以前、お茶の話をしたことがあったでしょう?」
「自分のために、ですか?」
「そう! 王城では間違いなく今よりも色々なものが溢れていたわ。蔑まれることはあっても、一応不自由のない生活をしていたもの。これでも、王女ですからね。でもね、ものが溢れているから豊かなのかしら。お父様にきつく当たられ、お兄様との仲も良くなくて、お母様はそれを見て見ぬふりをなさるだけ。そんな家族との暮らし、本当に豊かかしらね」
リーゼロッテが王城での生活を話したのは初めてのことだ。ベルンハルトが知っているのは、年に一度のあいさつの場で耳にする噂話。ヘルムートに至っては、その実態を見ることもなかっただろう。
「バルタザール国王は奥様にそのような日々を送らせていたのですか」
ヘルムートの年相応に入った眉間のしわが、リーゼロッテの話を聞きながら一層深くなっていく。
「ふふ。もう、過ぎたことよ。今は、凄く幸せなんですもの」
「ロイスナーでは、ご不便ばかりかけているというのに、そう言っていただけるとは」
「本当のことよ。ほら、こんなところで長話している場合じゃないわ。調理場に行くんでしょう?」
「そうですね。参りましょうか」
リーゼロッテとヘルムートが部屋から出たその時、一年前にも聞いた鐘の音が響きわたった。
ロイスナーに降る雪がその威力を増し、雪が溶けるまでは庭での仕事がなくなったヘルムートは、今年も城内中を歩き回り、人手が足りない所の補佐をして回っている。
そんなヘルムートが暖炉に薪を足しに来る、その時を見計らって、リーゼロッテは声をかけた。
「そうですね。私は生まれも育ちもロイスナーですが、ここまでの雪の量は初めてです。今年は雨も少なくて、領内が不作だったので、ベルンハルト様もさぞ苦心されたことでしょう」
ヘルムートが言うベルンハルトの苦心は、冬の食糧のことだ。毎日の朝の時間は、冬が近づく毎にその頻度が下がり、たまに会うベルンハルトは忙しさからか、やつれている様にすら見えた。
そんなベルンハルトを気遣って、手伝いに名乗り出るが、ロイスナーの事情に疎いリーゼロッテでは、せいぜいヘルムートと一緒になって城内で快適に暮らせる為の管理をして回ることだけ。
使用人達に紛れて掃除をし、調理場に足を運び、薪を足して回る。リーゼロッテがやることではないと皆に止められはしたが、他にやることもないと頼み込んだ。
与えてもらってばかりで、お客様だった去年とは違う。ロイスナーの、この城で暮らす一人としてできる限り役に立てればと、そんな思いを汲んでくれたのは、やはりヘルムートだ。
「庭仕事がなければ、私には時間がありますから」そう言ってリーゼロッテのわがままを引き受け、城の仕事を案内してくれる。リーゼロッテに城内を案内しながら、次から次へと仕事を受け持ち、そしてこなしていく優秀さに、言葉もなかった。
ヘルムートが抱え込む仕事が徐々に増え、片手間ではこなし切れないぐらいになった頃に、リーゼロッテは部屋に戻る。そしてまた、ヘルムートの手が空くのを待つのだ。
ヘルムートが手を空けて、リーゼロッテの部屋に薪を持って来れば、再びヘルムートの後ろを付いて歩く。
まるで動物の親子の様なその状態は、ヘルムートに迷惑をかけているとリーゼロッテも自覚している。それでも、「かまいませんよ」と微笑んでくれたヘルムートの厚意に、遠慮なく甘えた。
ヘルムートやアルベルトに甘えていいと、使用人達を使えばいいと、そう教えたのはベルンハルトだ。そしてその気持ちは、ちゃんと城中に伝わっていて、城の隅から隅までベルンハルトの心遣いが染み渡っていた。
王城とは違う、暖かな空気。居心地の良い空間。ベルンハルトの素顔だって、この城の者たちには受け入れられるだろうに。
(何故、あんなに頑ななのかしら)
「奥様? これから、調理場に参りますが、いかがされますか?」
「調理場! 行きたいわ!」
「そんなに、楽しい所でもありませんが」
「そう? お料理が作られていくのを見てるのは楽しいものよ。材料はそれだけでは食べられないものもあるのに、あんなに美味しくて綺麗なお食事になっていくの。とても素晴らしいし、とても不思議よ」
「直接言ってやって下さい。料理人たちが喜びますから」
料理人たちの華麗な手捌きで食事が作られていく様子は、リーゼロッテにとってはまるで魔法のようで。何度見ても飽きはしない。
それに、他にも気になることがある。
「そう? それなら、機会があればお伝えするわ」
「いかがされました?」
ヘルムートとの会話の最中に、ふと考え込んだのをヘルムートは見逃しはしない。
「いえ、ちょっとね」
「何か、お困りのことがありますか?」
「この城の食材がね、あれで足りるのかしら? って。ベルンハルト様のお考えですし、余計なことよね」
「大事が起こらない限りは、かろうじて間に合うかと思います。この時期はどうしてもギリギリになってしまうものですから」
「大事……」
ヘルムートの言い方では、最低限の量しか確保されていないことがわかる。領内でも不作だった今年は、領民の暮らしはもっと厳しいものだろう。それを鑑みて、ベルンハルトが例年よりも多くのものを配分したということは容易に想像できる。
「ベルンハルト様が統治し始めてから、飢えで亡くなる領民は減りました。その分、城内の暮らしは少々厳しいものとなりましたが」
領主だというのに、贅沢からはかけ離れた生活を送るベルンハルトのことを見ていれば、もう何年もその様な生活をしてきたのだということもわかる。そしてその暮らしぶりを、城で働く者たちも受け入れていることも。
城内に目を向けて初めて、ベルンハルトの作り出した空気を肌に感じた。そしてその一部になりたいと、やっと動き始めることができた。もう少し早く行動できていればと、後悔ばかりが渦を巻く。
「でも、ヘルムートさんもこの暮らしが嫌ではないのでしょう?」
領主に仕えるほどの身分であるのに、他の領民達と何も変わることのない食事。それどころか、一人で何役も役目をこなすことを強いられることもあるだろう。
「も、ですか?」
「えぇ。わたくしも、嫌ではないの」
「王城での暮らしの方が、豊かであったはずです」
「豊か……そうねぇ。以前、お茶の話をしたことがあったでしょう?」
「自分のために、ですか?」
「そう! 王城では間違いなく今よりも色々なものが溢れていたわ。蔑まれることはあっても、一応不自由のない生活をしていたもの。これでも、王女ですからね。でもね、ものが溢れているから豊かなのかしら。お父様にきつく当たられ、お兄様との仲も良くなくて、お母様はそれを見て見ぬふりをなさるだけ。そんな家族との暮らし、本当に豊かかしらね」
リーゼロッテが王城での生活を話したのは初めてのことだ。ベルンハルトが知っているのは、年に一度のあいさつの場で耳にする噂話。ヘルムートに至っては、その実態を見ることもなかっただろう。
「バルタザール国王は奥様にそのような日々を送らせていたのですか」
ヘルムートの年相応に入った眉間のしわが、リーゼロッテの話を聞きながら一層深くなっていく。
「ふふ。もう、過ぎたことよ。今は、凄く幸せなんですもの」
「ロイスナーでは、ご不便ばかりかけているというのに、そう言っていただけるとは」
「本当のことよ。ほら、こんなところで長話している場合じゃないわ。調理場に行くんでしょう?」
「そうですね。参りましょうか」
リーゼロッテとヘルムートが部屋から出たその時、一年前にも聞いた鐘の音が響きわたった。
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