ひふくめ

関谷俊博

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ひふくめ

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  こーとろ ことろ
  どの子を ことろ
  あの子を ことろ

「ことろことろ」は古い童歌だ。鬼ごっこのような遊びでもある。幼い頃、浅葱はこの遊びを度々やっていた。
  まず鬼と親を決める。他の子は親の後ろに一列に繋がる。鬼は一番後ろの子を捕らえようとする。親はそれを遮ろうとする。列は蛇の様に蠢く。鬼が一番後ろの子を捕まえたら、今度はその子が鬼になる。
  だけど浅葱の記憶では、いつも同じ子が鬼だった気がするのだ。民江さんという子だった。どうしてあの子は鬼ばかりやっていたんだろう。

「川澄いっ!」
 浅葱が道を尋ねると、駅員は酷く驚いて目を剥いた。
「川澄はとっくに廃村になっちまったよ。一応旧道は通ってるが…バスも鉄道も通っていない。何もありゃしねぇよ」
 浅葱は安堵して駅員に笑顔を向ける。旧道が通っているなら、そこを歩いていけばいい。
「あんた、あんなとこ行ってどうするつもりなんだ」
「生まれ故郷なんですよ、僕の」

 浅葱は川澄へと向かう道を歩き始めた。青空に入道雲が広がっていた。生まれ故郷に戻るのは二十年ぶりだった。浅葱に身内と呼べる者はいない。川澄を出る少し前に母親は原因不明の熱病で亡くなり、父親も東京へ出てすぐ同じように熱病で死んでいた。死ぬ直前、父親は譫言のように「ひふくめが来た…ひふくめが来た」と繰り返していた。目をカッと見開いた父親の死に顔を、浅葱は忘れられない。そして、浅葱は社会に出るまで養護施設で育てられた。
 浅葱が生まれ故郷に戻ってみようと決めたのは、近隣の図書館でふと手に取った一冊の本がきっかけだった。タイトルは「N県K地方の伝承と風習」。N県K地方とは浅葱が生まれ育った土地だった。
 この本では「N県K地方には古来より間引きの風習がある」とした上で「間引き」と「こけし」の関連について語っていた。民俗学者である折口信夫の著作からの引用が所々に見受けられた。読み進めるうち或ることがわかってきた。
「こけし」は「子消し」。所謂、口減らしの為の「間引き」のことだったのだろう。折口信夫は「座敷小僧の話」の中でこう述べていた。
「東北地方では所謂まびくと言ふ事をうすごろと言う土地もあって、そのまびかれた子どもが、時々雨の降る日など、ぶるぶる慄へながら縁側を歩くのを見る」
そして何よりも浅葱を驚かせたのは、以下の記述だった。そこには伝承に登場する怨霊の名前が綴られていた。

【ひふくめ】
 嫉妬深い女がなる怨霊。「ひふくめ」は古名であり「子とろ子とろ」「しとおんな」が一般的な呼名である。

 子とろ子とろ…それは浅葱が幼い頃にしていた遊びではなかったか…しかしそれは怨霊の名でもあった。そして父親の死ぬ直前の言葉との符合。続けて記載された伝承には更に不可解なことが書かれていた。

『げに恐ろしきはヒフクメ也。川澄に苗と云ふ女あり。苗に民江と云ふ五六歳の娘ありしが久しく病みて身まかりたり。民江の代わりとて、数多のこけし彫りたれども次第に物狂ひ、終にはヒフクメと成り果てぬ。もし夫婦に稚児あらば、これを妬み、獲りて喰らふと云ふ。』

 たったこれだけの文章だったが、浅葱は愕然とした。どうして民江さんの名が伝承に綴られているのか…。
 そして浅葱には気にかかることがあった。社会に出た頃から繰り返し見るようになった夢。その夢では女が浅葱の枕元に座っている。顔は見えない。女は浅葱の耳元でこう囁く。
「おまえが最後の一人…他の奴らはみんな片づけた…」

 浅葱が川澄の外れにたどり着いたときには、もう日も傾きかけていた。鬱蒼とした森に囲まれた古い寺。山門には「善福寺」とある。浅葱に幼い頃の記憶が蘇った。この寺は他の寺とは趣を異にしていた。本堂の周囲に夥しい数のこけしが立ち並んでいる。今夜はこの寺に泊まるしかあるまい。そう思って浅葱は本堂の扉を開けた。予想した通りそこは無人だった。浅葱は背負っていたリュックを下ろし、予め用意しておいた握り飯を食べ、少し水を飲んだ。
 陽が落ちるまでまだ間があるが本堂は暗い。浅葱はリュックから懐中電灯を取り出した。図書館から借りてきた「N県K地方の伝承と風習」を読み返してみるつもりだった。童遊びとしての「ことろことろ」の由来については、江戸後期の随筆「骨董集」からの引用がなされていた。

「今童遊びに子とろ子とろといふ事をすめり。これいと古き事也。古へは比比丘女(ひふくめ)といへり。その始原は恵心僧都経文の意をとり,地蔵菩薩罪人をうばひ取給ふを,獄卒取かへさんとする体をまなび,地蔵の法楽にせられしより始れりといへり」

 親よりも先に死んだ子は、賽の河原で石を積まなければならない。親を哀しませた罪を償う為だ。だが夕刻には、積んだ石を崩しに鬼がやってくる。そんな救われない子供たちを救うのが地蔵菩薩だとされている。地蔵菩薩は「今後はわれを冥土の父母とたのめ」と子供たちに語りかける。そして、鬼から子供たちを取り返し、一緒に三途の川を渡ってくれるというのだ。
 これを模したのが、童遊びとしての「ことろことろ」だった。一番後ろの子を捕まえようとする鬼は、賽の河原の鬼。子を守ろうとする親は地蔵菩薩だった。
旅の疲れが出たのか、眠気が襲ってきた。浅葱は本堂の隅で背を丸くして眠った。そして、こんな夢を見た。

 着物を着た若い女。その周囲には、何百体、いや何千体もの「こけし」が立ち並んでいる。こけしに絵付けをしているようだ。うっとりと笑みを浮かべて、女は絵筆を走らせる。女の眼は尋常ではない。絵付けが終わると女は、こけしを胸にかき抱いた。しばらくすると、女はそのこけしを傍に並べ、また次のこけしに絵付けを始める。女は既に狂っているのだ。

 浅葱は目を覚ました。あれ、へんだな。ここはどこかな。浅葱は自分の身を点検する。紅葉のような掌。絣の着物。いつもと何も変わらない。どうしてこんなところで寝てしまったんだろう。ここはお寺さんじゃないか。
「浅葱ちゃん」
 浅葱が寺を出ると、紺絣の着物を着た女の童が、駆け寄ってきた。歳の頃なら五、六歳。浅葱と同じ位の歳だ。
「あ、民江さん」
 民江さんは浅葱な前で息を切らしている。
「浅葱ちゃん。きょうも、みんなで、ことろことろ、しようよ」
「うん。しよう」
「きっとだよ。やくそく」
 民江さんは細っこい小指を浅葱の小指に絡ませてきた。
「うん。げんまん」
「じゃあ、またあとでね」
 民江さんは手を振ると行ってしまった。
「浅葱」
 誰かが呼ぶ声がした。
「浅葱」
 あ、かかさん…。かかさんだ。髪を結った和服姿。何故か懐かしさが込み上げてきて、浅葱は母親に抱きついた。
「どうしたの。浅葱」
 母親は怪訝そうに浅葱の顔を覗き込んだ。
「今日は鳥居さまのうちへ行く約束でしょう」
「何をしに行くの」
「あなたはただ座っていればいいの」
 母親は優しく浅葱に微笑んだ。
「座っていればいいのよ」

 浅葱が母親に連れてこられたのは、大きな屋敷だった。広い廊下の突き当たりに大きな座敷があり、そこには老婆が座っている。その前で若い女がこうべを垂れていた。浅葱と母親はその隣に座った。浅葱はそっと女の顔を盗み見た。あ、あれは民江さんのかかさんだ…。
「さて、七つより下の童がいるのは、お前たち二人だけ」
 老婆が口を開いた。
「津田んとこのめのこか、志賀んとこのおのこ。どちらかに逝んでもらわねばならぬ」
 民江さんの母親は激しく首を振った。
「わかっておるな。苗」
「鳥居さま…出来ませぬ…とても…」
「おのこはやがて畑を耕すが、めのこは役に立たぬ」
 老婆が言うと、民江さんの母親は両手で顔を覆って泣き崩れた。
「苗さん…」
 浅葱の母親が民江さんの母親に声をかけた。
「七つまでは神のうち」
 浅葱の母親も目に涙を溜めていた。
「民江さんはお返しするのですよ…産神さまにお返しするのです…」
「志賀さん…あなたまでも…あなたまでも…そんなことを!」
 民江さんの母親は浅葱の母親を睨みつけ、わっと床に泣き伏した。
「苗」
 老婆が泣き崩れている民江さんの母親に声をかけた。
「良いな…」

 川べりの小さな窪地。そこが浅葱たちのことろことろをする場所だった。窪地には一本の樫の木が立っている。民江さんはまだ来ていない。やがて村の子たちが集まってきて、ことろことろが始まった。まず鬼と親を決める。他の子は親の後ろに一列に繋がる。鬼は一番後ろの子を捕らえようとする。親はそれを遮ろうとする。列は蛇の様に蠢く。鬼が一番後ろの子を捕まえたら、今度はその子が鬼になる。いつまで経っても民江さんは来なかった。おかしいな。どうして民江さんは来ないんだろう。ことろことろをしながら、浅葱は思う。あんなにやくそくしたのにな…。

 野良着姿の二人の男が話している
「とうとう首をくくっちまったな。苗は」
「ああ、民江の子返しが余程堪えたんだろう。あれから尋常ではなかったからな」
「それにしても鳥居は酷なことをする。鳥居と志賀は本家と分家だ。隠してはいるが、志賀は鳥居から幾らでも助けを受けられる。もとより子を返す必要なぞ、なかったのさ」
「志賀が助けを受けられるなら、苗の子返しも必要なかろ」
「それでは鳥居の顔が立たない。毎年、一人、子返しをするなんて決まりをつくっちまったからにはな」
「苗も気の毒にな…」

 知っていた…志賀は民江が選ばれることを知っていた…いや、志賀だけでなく、この村の者は皆知っていた…喰らってやる…この村の子は皆、喰らってやる…そうして子を失う苦しみを味わうがいい…私と同じ苦しみを味わうがいい…子だけではない…この村の者は皆…最後の一人になるまで呪ってやる…。

 ぶらさがったねえ。ぶらんと。そんなことすれば、ひふくめとなって浅ましく彷徨うだけだ…。

 ここはどこだろう…。寒々しい石ころだらけの河原に浅葱は立っていた。子供の歌声が微かに風に流れてくる。浅葱は歌声のする方向へ歩いていった。

 十にも足らぬ幼子が
 賽の河原に集まりて
 父上恋し母恋し…。

 歳の頃なら五つか六つ。小柄な女の子が、紅葉のような掌を拡げては、一つまた一つ。河原の石を積んでいた。その儚げで淋しそうな背中を浅葱は覚えていた。民江さんだ…。石を積みながら民江さんは唄っていた。

 一つ積んでは父のため
 二つ積んでは母のため

「民江さん…」
 浅葱は声をかけた。
「何をしているの…」
 民江さんは振り返った。
「あ、浅葱ちゃん!」
 民江さんの顔は一瞬輝いたが、すぐにまた哀しげに俯いた。
「あたいは親よりも先に死んじゃっただろ。だから親不孝の罪を償わなきゃならないんだ。だから石を積んでいるんだよ」
 民江さんはまた一つ、石を積んだ。
「親不孝の罪…」
「うん」
「じゃあ、僕も積んであげるよ」
 浅葱は民江さんが積んだ石の上に、もう一つ石を重ねた。
「有難う…」
 民江さんは呟いた。
「浅葱ちゃんは優しいな」

 目覚めると、寺の本堂だった。浅葱はここで一夜を過ごしたのだった。昨日食べ残した握り飯が、固くなって足元に転がっていた。明り取りの窓から朝の陽射しが差し込んでいた。それにしても長い夢。リアルな夢だった。そしてこの夢は真実を伝えている、と浅葱は感じた。恐らくは自分の前世での出来事か。
 自分が何かを握りしめていることに、浅葱は気づいた。掌を開くと、そこに丸い小さな石が載っていた。民江さんが河原で積んでいた石…。
 浅葱は本堂を出て、裏手の墓地にまわった。浅葱は丹念に墓地を見てまわり、二つの墓を見つけだした。志賀家代々之墓。ここには浅葱の母親が眠っている。そしてもう一つは津田家代々之墓。ここには苗とその娘の民江さんが眠っているはずだった。幼い頃の記憶ではあったが、民江さんの姓が津田であることを浅葱は覚えていた。握りしめていた小石を墓石の上に置き、手を合わせながら「N県K地方の伝承と風習」に書かれていた文章を、浅葱は思い返していた。
 親よりも子が先に亡くなること。それを逆縁と呼ぶのだそうだ。逆縁は一番の親不孝であるとされている。親不孝の罪を償う為、子は賽の河原でいつまでも石積みを続けなければならない。だが…なぜ民江さんは「ことろことろ」で鬼ばかりしていたのだろうか。幼い頃ことろことろをした場所へ行ってみようと浅葱は思った。

幼い頃の記憶を頼りに、浅葱はそこへ向かった。村を流れる大淀川の支流。その川べりにその場所はあったはずだった。小さな窪地に一本の樫の木が立っていた覚えがある。
程無くして浅葱はその土地に着いた。幼い頃と何一つ変わらない風景。樫の木もあの頃のまま立っている。
樫の木を見上げたとき、幼い頃の記憶が蘇った。

  こーとろ ことろ
  どの子を ことろ
  あの子を ことろ

「どうして民江さんは鬼ばかりやっているの」
 浅葱は民江さんにそう尋ねたことがあったのだ。
「ほかの子が可愛そうだから」
 民江さんは確かそう答えたはずだ。
「お地蔵さんから子供を取り返すのは可愛そうだよ」
「お地蔵さん?」
「うん。お地蔵さんが鬼から子供たちを守ってくれているのに、それをまた賽の河原に戻すのは可愛そうだよ。あたいはまだ三途の川を渡れないんだ。こっちと賽の河原を行ったり来たりなんだよ」
 幼かった浅葱は、賽の河原や三途の川の意味もわからず、民江さんの言葉の意味も理解できなかった。
 だけど今になって、浅葱は民江さんの気持ちがわかるような気がした。
 地蔵菩薩を待ち望む民江さんは、ずっと賽の河原の鬼の役割を演じていた。後ろの子を捕まえて、その子を賽の河原に引き戻すことができなかったのだ。だから鬼ばかりしていたのだ。
 浅葱がそう気づいたとき、陽が陰った。樫の木の枝に何か見える。なんだ…あれは…。木の枝にぶら下がった女。そして、女の首には縄が…。血の気が引いた。女は首を吊っているのだ。首を垂れているので顔は見えない。だが白地の帷子を身に纏っている。この女は予め死装束を着て木の枝にぶら下がったのか。すると哀しくも怖ろしいあの調べが聞こえてきた。

 こーとろ ことろ
 どの子を ことろ
あの子を ことろ

 声は女の口から漏れ出てくるのだった。俯いていた女が顔をもたげ始めた。背筋が凍った。時折身体を震わせながら、女の顔がゆっくりと上向いていく。
女と目が合った。その顔はこけしを彫っていたあの女。民江さんの母親、苗だった。
悲鳴をあげて、浅葱は気を失った。

 他の奴らはみんな片づけた…おまえが最後の一人…。

 一つ積んでは父のため
 二つ積んでは母のため

 賽の河原…。民江さんがまた石を積んでいる。紅葉のような掌。儚げで淋しそうな背中。
「民江さん」
 浅葱は民江さんに声をかけた。
「あ、浅葱ちゃん。かかさん」
 かかさん? 浅葱は後ろを振り返った。白地の帷子を身に纏った苗がそこに立っていた。
「民江…おまえの怨みは果たしたよ…残るはこいつ一人だけ…」
 苗が口を開いた。
「かかさん…もう止めようよ。哀しむのは止めようよ」
「民江…」
「かかさんは、ひふくめとなった。哀しみが深すぎたから、お地蔵さまは助けに来てくれなかったんだ…。かかさんが哀しめば哀しむほど、それはあたいの罪になってしまうんだよ。だからあたいは三途の川を渡れなかったんだ」
「民江…」
「かかさん…きっとお地蔵さまは助けに来るよ。そしたら一緒に三途の川を渡ろう…」
「民江…わかったよ…一緒に三途の川を渡ろう」

 気づくと浅葱は、あの樫の木の前に立っていた。民江さんと苗は三途の川を渡れるだろうか…。浅葱は村を後にした。そして二度と村へは戻らなかった。

 ひとつ積んでは父のため
 ふたつ積んでは母のため

 親よりも先に死んだ子供は、賽の河原で石を積まなければならない。親よりも先に死ぬのは罪だからだ。その罪の償いの為に石を積まなければならない。
 だけど、親に殺されてしまった子供は…。やはり石を積まなければならないのだろうか。
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