セミしぐれ

関谷俊博

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セミしぐれ

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ジー  ジー
ミーン  ミン
ツクツクホーシッ  ツクツクホーシッ


むかしの人は、セミの声を、冬のはじめにぱらぱらとふる時雨にたとえて、セミしぐれっていったんだって。そういえば、セミがあっちでもこっちでも鳴いているようすが目にうかんで、すごく感じがでてる。それによく聞いていると、セミの声は雨のようにじわじわと体にしみこんでくる気がするもんね。むかしの人はえらいよな。
  ふとんのなかで目をつむって、じっと耳をすましていると、セミの声はうるさいくらい。ぼくはとうとうがまんできなくなって、ふとんから顔をだした。朝の光がまぶしい。セミの声がますます大きくなる。と、そのとき。
  くつくつくつ くつくつくつ。
  セミたちの声が、ふしぎなざわめきにかわるんだ。笑い声みたいだけど、ちがう。
  シチューをにこんだときにたてるような音。ざわめきはしだいに大きくなって、ぼくをすっぽりとつつみこむ。
  くつくつくつ、くつくつ。
  そのときなんだ。ラジオのダイヤルがピタッと合ったときのように、セミたちの話し声がぼくの頭にわっととびこんでくるのは。
「おはよう! おはよう!」

  これって一種の超能力だよなあ、とぼくなんかは思う。なんの役にもたたないし、証拠をみせてみろっていわれても困ってしまう。だけどぼくには聞こえるんだ。
「おはよう! みんな、おはよう!」
「あついよー。うれしいよー」
「雨がふるよ。雨がふるよ。きょうは夕立がくるよ」
「それではいまのうちに、みんなでよく鳴いておきましょう。みーんみん」
  セミたちのおしゃべりは、こんなかんじ。暑ければ暑いほど、おしゃべりもうるさくなっていくみたい。きっと暑いのが好きなんだろうな。
  闇こえるのは、べつにセミたちの話す声にかぎらない。鈴虫やきりぎりすの話す声も聞こえる。鳴く虫ならたいてい聞こえるよ。あとは、おケラとかね。ほら、あの土のなかでジージー鳴くやつ。
  鈴虫はね。あれは本当に歌ってるんだ。 歌うのは、けさ食べた小さな草の実のことだとか、その日の天気のことなんか。鈴虫はどんなことでも歌にしちゃうんだ。詩人だよ。
  おケラはつまんない。くらい穴のなかで、
「うほほほほほほほ」
  ずーっと笑ってるだけなんだ。なにがそんなにおかしいんだろ?
  いつでも聞けるって、わけじゃないんだ。ぼくが虫たちの話し声を聞けるのは、ぜんそくの発作のあとだけ。
  じつはね。きのうの夜も、発作がでちゃったんだ。だからこうして、ふとんにねてるわけなんだけどさ。
  おとといくらいから予感はしてたんだ。 発作がおこる前は、きまって海鳴りみたいな音が胸でするから。ぼくはちゃんとわかっていたんだけど、かあさんにはいわなかった。いったら、薬をのまされるしね。薬をのんだら、セミたちの話が聞けなくなるしね。
  ほくの胸の中には、いつも小さな海がある。にくらしい友だちがいる。
  だけど、こんなふうに虫たちの話を聞けるのも、ぼくがぜんそくだからだと思うんだ。
  ぜんそくの発作のあとって、すごく感覚が敏感になって、風の色までわかりそうな、そんな気がするんだ。世界がきらきら光ってさ。
  そりゃ、発作は苦しいよ。このまま死んじゃうんじゃないかと思うくらい。だけどその苦しさをポーンとくぐりぬけると、ぼくは虫の話を聞く超能力を持てるってわけ。すごいだろ。
  そのぜんそくの発作も、むかしにくらべればあまり起こらなくなった。発作がでたのは三ヶ月ぶり。セミの話し声を聞くのは、今年はじめてだ。
「俊彦は、まだぜんそくがなおらなくてねえ。もう四年生なのに」ってかあさんはいう。でも、虫たちの声が聞こえなくなるくらいだったら、ぼくはべつにこのままでもいいんだけどな。
  知ってる? ぜんそくって、大人になるとしぜんになおっちゃうんだって。

  その日の夕方、まゆちゃんがうちへお見舞いにきた。
  まゆちゃんは、かあさんの姉さんの娘で、つまりぼくにとってはいとこ。一年前、短大を卒業して、いまは食品会社のOLをやっている。
  学生時代のまゆちゃんは、よくぼくのうちへ遊びにきた。そのころ、ぼくとまゆちゃんは、すごく仲がよかったんだ。いっしょに、ババぬきをやったり、スイカのたねのとばしっこをしたりしてさ。夏はよく花火大会につれていってもらったなあ。あと盆踊りとかさ。
  でも最近じゃ会社がいそがしいのか、めったに顔を見せないんだよね。やっぱり、大人になっちゃうとだめだな。冷たいよね。
  ひさしぶりに見るまゆちゃんは、すごくきれいになっていた。ぱりっとしたスーツを着こんで、かっこいいんだ。むかしはあまりしなかったお化粧もしてるんだ。ぼくはなんだかぞくっとしちゃった。
  でもさ。口をひらいたまゆちゃんは、学生時代のまゆちゃん。
「俊っペ。ぼくからのプレゼント」
  まゆちゃんは、じぶんのことを「ぽく」っていう。このいい方。ぼくはわりと好きなんだ。親しみやすいっていうかさ。まゆちやんが、どこかのおじょうさんみたいな口をきいたら、きっと「げっ」とか思ってしまう。
  まゆちゃんがくれた赤い小さな袋から、ざらざらとこぼれおちたのは、おはじきだ。
「これ、おはじきよ」
  赤や緑や空色の光が、まゆちゃんの手の中できらきらおどる。それはまるで、岩にくだけちった波しぶきがそのまま固まってしまったみたいでさ。
「みつけるの大変だったんだぞ。こういうのって、いまはなかなかないんだよね」
「ぼく、男だよ」ぼくはすごくうれしかったんだけど、わざとほっぺたをふくらませていった。「男におはじきなんておかしいよ」
「ふとんとお友だちのよわっちい男なんて、女とおなじよ」
  うへー。きっつー。ぼくは顔をしかめた。だけどまゆちゃんは、にこにこにこにこ笑ってる。ぼく、馬鹿にされてんだろうか?
「まゆちゃん。髪切ったの?」
  ふとんから顔だけだして、ぼくはいった。まゆちゃんのショートカットは、小がらな体と小さな顔によくにあっている。元気なリスみたいなもんだ。
「うん。よくにあうでしょう。これでも、もてるんだー。ぼく」
  まゆちゃんは、ぼくの前でくるっと一回転して見せた。
「男どもが、もうさわいじゃってさわいじゃって」
「まゆちゃん」
  ぼくは、ふとんから起きあがった。 ききたいことがあったんだ。
「まゆちゃんは、大人だよね」
「そうだよ。これでもね」
  まゆちゃんは、ふしぎそうに首をかしげた。
「大人になるってどんなきぶん?」
「うん?」
「ねえ、気持ちいい? それとも気持ち悪い?」
  まゆちゃんは、首をかたむけてじっと考えているみたいだったけれど、やがてこういった。
「気持ちいいよ。いろんなことが、うまくできるようになるから」
「でも、ほかのいろんなことがうまくてきなくなるんでしょ」
「……」
「知ってるよ」
「……」
「ぼく、知ってるよ」
まゆちゃんは、だまっておはじきをはじいている。そのうち、おはじきをはじきながら、歌いはじめた。

いっすん すん
にぃすん すん
さんすん すん
よんすん すん……

  歌っているまゆちゃんの横顔はすごくきれいで、ぼくはまたどきどきしちゃった。
「なんの歌?」ってきくと「おはじきの歌」だって。ぼくは知らなかった。
「小さいころ、かあさんに教えてもらったんだ」
  まゆちゃんは手をやすめて笑った。
「ね、これ」とまゆちゃんはおはじきをゆびさして、「いっかいやってみなよ。教えてあげるからさ」
  そして、また器用におはじきをはじくんだ。
「いい。こうやって」
  ほっそりした指が、おはじきの問をとおる。
「これで、とれるの。だから、これはぼくのもの」
 まゆちゃんがペろっと舌をだして、 おはじきをそこにのせた。」
「あっ」
  ぼくは顔をしかめた。
「きたないな」
「へいきよ」
  まゆちゃんは、そっと目をとじた。
「冷たくて、とても気持ちがいい」
  目をひらいて、まゆちゃんがいった。
「俊っぺもやってごらん」
「えっ」
「ほら、ベーってしなよ」
  まゆちゃんは、自分の舌にあったおはじきを、ぼくの舌の上にのせた。あ、これって問接キスだよなあ。
「どう?」
  まゆちゃんが笑った。
  目をとじると、すきとおった冷たさが気持ちよかった。

  その日の夜おそく。というより、もう明けがたもちかくなって、ぼくはまた海鳴りの音をきいたんだ。
  低いひびきが、なんどもなんども胸の中でくりかえしたかと思うと、すっとやんだ。またはじまるな、と思ったんだ。せすじをさむけが、はいのぼってくる。だれかに息をふきかけられているみたいに。
  やがて、ぜんそくの発作がはじまった。
  目がまわって、天井にさがった蛍光灯のかさが、かくかくと動きだした。せきが、どんどん激しくなって、息ができない。苦しい、苦しいよ。ぼくはぎゅっと目をつぶった。
  心ぞうがどくっどっと、みゃくうつのがわかる。その音が、ふしぎなリズムに聞こえはじめる。たいこの音だ。大だいこ。小だいこ。ティンパニー。たくさんのたいこの音がからみあって、ふくざつなリズムをつくりだす。今じゃ耳もとで、ドッテコドッテコ、うるさいくらいに鳴っている。たいこの音とははんたいに、すうっと気分がらくになっていく。ぼく、このまま死んじゃうのかな。
  すると、とつぜんたいこの音がやんだ。

  いっすん すん
  にぃすん すん
  さんすん すん……

  まゆちゃんが歌ってる。
  目をひらくと、ぼくはパジャマをきたまま、庭の柿の木の前にいたんだ。あたりはまだうす暗くて、空には星がひんやり光ってる。
「こっちこっち」
  声のするほうを見あげると、まゆちゃんが、柿の木の枝のずーっと高いところに立って、ぼくを手まねきしてる。
  きゃっきゃっと笑いながらね。それでね。すぐにわかった。あ、これは夢だなって。
「俊っぺ。おいで。ここまで登っておいで」
  まゆちゃんは、そういった。
  だから、ぼくは柿の木に登りはじめた。木登りなんてしたことないから、へっぴり腰でさ。木の幹にはりついて、ずるずると登ってくわけ。すごく苦しいんだ。
  まゆちゃんがまた歌いはじめる

  いっすん すん
  にぃすん すん
  さんすん すん
  よんすん すん……

  ぱらぱらと頭になにかふってきた。
  よくみると、それはおはじきだった。まゆちゃんが、歌いながら、ぼくにおはじきをぶつけてるんだ。
  登っておいでっていったのは、まゆちゃんなのに、なんていじわるなんだろ。
「いたいよ。まゆちゃん」と、ぼくはいった。「やめてよ」
  それでも、まゆちゃんはおはじきをぶつけるのをやめない。おはじきは、からだにあたるとすごくいたかった。
  とうとう、せなかのほうでぴしっと音がした。ほら、そんなにぶつけるから、体にひびがはいっちゃったじゃないか。
  ふりかえったぼくは、おどろいた。
  せなかに羽がはえてるんだ。すきとおったガラスみたいなやつが。
  東の空が明るかった。いつのまにか朝になっていたんだ。柿の木の枝に、まゆちゃんはいなくなっていた。すずしい風にふかれて、ぼくはすごく気持ちよかった。
  やがて、太陽が東の空に顔をだした。
  遠くに雲が赤くたなびいている。
  それをみながら、ぼくは朝日にせいいっぱい羽をひろげた。
  ぼくが夢にみたのは、そこまで。

  あくる朝。ぼくのぜんそくはすっかりよくなっていた。
  きょうは日曜日。窓をあけて庭をながめると、木や草が、小さなしずくを葉っぱにいっぱいつけて光っている。きのうの夜、雨がふったんだ。まるで、おはじきを庭にまきちらしたみたいだ。
  セミたちが、もう鳴きはじめてる。
  ぼくは大きく息をすって、目をつむった。
  なんだかおかしかった。いつもなら聞こえてくるはずのセミたちの話し声が聞こえないんだ。ぼくは、あわてて庭へかけおりた。
  柿の木の幹に、小さなセミのぬけがらがぽつんとくっついていた。
  てのひらにぬけがらをのせたぼくは、それがあまりに軽いのにおどろいた。ぐっとにぎりしめると、ぱりっと悲しい音をたててからはくだけて、はらはらとこぼれ落ちた。すーっと風に流されて、朝日にきらきら光る。
  ああ、もうもどれないんだな。
  ぼくはとつぜん理解した。セミたちの話し声を聞くことはもうないんだ。ぜんそくの発作がでることは、もうないんだ。そのことが、すっかりわかっちゃったんだ。
  ぼくは腕を朝日にかざしてみた。枯れ枝のような腕だったけれど、朝日にすけて、赤い血が流れているのがはっきりとわかる。
  ぼくは、これから強くなる。背がぐんぐんのびて、体も大きく健康になる。いろんなことがうまくできるようになる。だけど……。
「俊彦。まゆこさんが、またお見舞いにきたわよー」
  そのとき、ろうかでかあさんの声がした。
「俊っぺ。よくなったんだってー」
  まゆちゃんの足音が、ぼくの部屋にだんだん近づいてきた。



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