かやりの風

関谷俊博

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小萩の修行が始まった。
オタキアゲの修法から、新しいオツタエの文句まで、小萩は一つ一つ確実に覚えていった。
「これが天賦の才というものか」
オンバアは、ほとほと感心した。
小萩は、一度教えれば、どんなに長いオツタエでも間違わすに諳んじることができた。
十日後、オンバアは言った。
「すべて伝えたよ、小萩」
あくる日から、オンバアは腰が立たなくなり、ずっと床についたままになった。
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