夏の破片

１６

バフォメット…サバトの子山羊に絡みつきながら、麻里さんは激しく腰を動かしていた。やがて、麻里さんは痙攣しながら幾度もオルガスムに達した。
「こっちにいらっしゃい」
やがてバフォメットから降りると、麻里さんは優しく僕に微笑んだ。
「一緒に地獄に堕ちましょうよ」
マジックマッシュルームが効いてきたのか、僕の思考は混乱し始めた。闇と静寂…病んだ魂…薔薇色の…。
麻里さんの柔らかい舌の感触。僕と麻里さんは貪るようにキスを交わした。
僕がペニスを挿入すると、観月さんは僕の腰に足を絡めてきた。鋭い快感が火花のように全身を駆けめぐった。僕は麻里さんのなかに何度も射精した。激しく長く。麻里さんは僕の精液を最後の一滴まで搾りとった。
「いい…凄くいい…」
達した後も麻里さんは身体をひくつかせていた。
「やっと会えましたね、麻里さん」
麻里さんの身体を僕は強く抱き締めた。麻里さんは口元に悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「ふふ、とても素敵だったわ。夏樹さん」
僕はそこで我に返った。僕の下にいたのは、麻里さんではなく由里さんだった。