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いち

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あるあさ ともくんは ふとんの なかで めをさましました。
「おはよう。ちびりゅう」
ともくんは いつも となりで ねている ちびりゅうに あさの あいさつを しました。
ところが いつもなら 「がお」と こたえるはずの ちびりゅうの へんじが ありません。
「ちびりゅう?」
ともくんは ふしぎに おもって となりを みました。
そこに ちびりゅうは いませんでした。
「ママ。ちびりゅう しらない?」
ともくんは ママに たずねてみました。
「しらないわ。また どこかに かくれているんじゃないの?」
ママは そう こたえました。
ともくんは ちびりゅうが かくれて いないかと おもって いえじゅうを さがしまわりました。
ちびりゅうが すみかに している ひきだしの なかは もちろん。おふろばや カーテンの うらまで さがしました。
それでも ちびりゅうは みつかりません。
「ちびりゅう…」
ともくんは つぶやきました。
ちびりゅうは ともくんの まえから きえていたのでした。
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