軌跡旅行

2キセイセ

文字の大きさ
9 / 169
カッテス編

9,救世主

しおりを挟む
俺たちは村に戻ろうとした瞬間。
枯れ木が一つ…また一つ動き始めた。

「なんだ!?」

「なにが起きたんだ!」

「わからない……あの爆発が…エビルプラントを起こしたのかも…」

「まじかよ……でも、なんで急に?」

「わからない、とりあえず逃げる」

俺達は走り出した。だが、後ろからは大量のエビルプラントが迫ってきていた。

「くっ……このままだと追いつかれるぞ!」

「仕方ねぇ……」

そう思っているうちに囲まれてしまっている…絶体絶命だ。

「やる!やるしかねぇ!」

「冷静に考えれば…エビルプラント一匹で…あんなに植物の栄養を取られるわけがないのに…」

アカリは後悔していた。不安気な顔を浮べていた。それでも多くのエビルプラントは止まらない。

一匹のエビルプラントが、スペアを刺そうとする! 

「危ない!!」

「ぐがあぁぁぁぁあ!!」

スペアはとっさにかわした脇腹をえぐられてしまった。

「大丈夫か!スペア!」

「いてぇ……けど……まだいける……」

「スペアは休憩してて、私が回復する!」

「ありがとう……」

「よし!こいつらは俺が相手だ!」

俺は拳を構える。

「はああ!!」

俺は力を込めて殴りつける、すると、また一つ枯れ木が倒れた。

「はああ!!」

さらに俺は拳を振るう。

「やばい、もう魔力がない!」

俺は力を使い果たしかけていた。さっきの一撃で結構な力を使ったのだ。

「フレインさん!下がってください!後は私に任せてください!」

マリンが俺の前に立つ。

「ここは……私が………」

アカリは黒い玉を出して、構えている。

「みんな……逃げよう」

「でも……そうしたら、村の人が……」

「そもそもの話…逃げれなさそうだけどな…」

スペアは苦しそうに言った。確かに、この量では逃げるのは難しいだろう。

「やっぱ…外の世界は厳しかったなぁ…」

世界は、こんなに理不尽で厳しかったのか…そんなことを思いながら、俺達はみんなで目をつぶった…

その時だった、冷気を感じ、エビルプラントが全て凍った時は。

「間に合ったか…」

その声の主は、顔全体が隠れる仮面をしており、髪の毛は…あれは仮面についているやつだな、その毛は青色だった。
そして、腰には剣を携えており、いかにも剣士といった風貌をしていた。

「あなたは…前、兄からの伝言を伝えてくれた、兄の…スティールの友人さんですか……?」

マリンが聞くと、男は答えた。

「そうだ、久しぶりだな。」

ここ2人…知り合いなのか。俺はとりあえず、この男に礼をしなければいけないと思った。

「ありがとうございます!!」

「いや、礼はいい、それより早く村に戻るといい、手柄はあんたらにやるよ。」

そう言って、男は、何処かに行こうとした。

「あのっ!せめてお名前だけ…」
 
アカリはそう名を訪ねた。

「俺か…俺は“マダラ”。また会えるといいな。」

そう言ってマダラさんは何処かへ行ってしまった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか
ファンタジー
 僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。  でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。  どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。  そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。  家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ

一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。 百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。 平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。 そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。 『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

処理中です...