軌跡旅行

2キセイセ

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ダーハッド編

143.覚醒

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その時だった!
俺の周りを氷が包み、炎から守ってくれた!!

これで安全に、3つめを壊せる!!

「いげぇ!!」

マダラさんの喉の芯から出す太い声が聞こえた。

……やれ!!!

バリンっ!!

俺は邪神の核を手でつかみ、最大限の衝撃波を出して、破壊することが出来た。

そして、ムアンの体は溶けて無くなった。
この反応からして…

………倒……した?

んなわけが無い!!

やられた!!これはダミーだった!!

外の様子は分からない、でも分かる!

「マダラさん!!気おつけて!!」

奴がマダラさんに不意打ちをしてくると予想して、そう声をかけた、その声はエコーがかかって自分にしか聞こえなかった。

「うっ……」

バタッ…

かすかに聞こえた、なにかが倒れた音。
それと共に、氷の壁は消えてった。

「まっ………マダラさん?」

「ゼェ………ゼェ………核を犠牲にしちまった……ここまで…とはな」

氷の壁が消えて、見えたものは心臓を貫かれて、皮膚という皮膚が焼けたマダラさんだった。

「マダラさん!!」

…………ッ!
でも、マダラさんの力なら!!

「力を使ってください!!」

俺はそう言った。自分の記憶はなくなるけど…どうでもいい、この人は死んで欲しくない!!

「……いや、使わない」

「なんでっ!!」

「神の力を使うのに、魔力がいるだろ?」

「まさかっ!魔力切れ!?」

「違うな……力の使う魔力を残してしまえば、この先の未来にお前を進めることが出来ない。」

そしてマダラさんは笑顔を俺に向けて、何かを渡して俺にこう言った。

「これを持って帰って見てくれ。」

なにかの手紙だ、俺の手のひらに、想いと共に託された。
そして、マダラさんはこう言った。

「じゃあな」

その言葉と共に、ムアンに数多の氷が襲いかかる!!

グザグサっ!!

1000の氷がムアンに突き刺さった。

「ゴホッ!ゴホッ!」

マダラさんは血を吐きながら、まだまだ氷を出しては突き刺しを繰り返している。

「ぐ…クソッタレ!」

ムアンは氷を溶かしているが溶かしきれていない。

…俺はムアンのもとへ走った。
何秒か走り、ムアンの元に着いた時だった。

…氷はもう発生しなくなっていた。

「あっ…………つっ!」

悲しんだよ、それでも、俺はマダラさんの意志を継がなきゃいけない。マダラさんの描いた軌跡をなぞらなきゃいけない!!

「残念だったなぁ!!俺はもう動ける!!あの仮面は無駄死に終わった!!」

ムアンは俺から距離を取ろうとする……しかし。

「分裂……出来ない?体の内部が……凍ってやがる?解凍したはずだぞ!?」

ムアンは動揺して、足がふらついていた。
まさか……マダラさんが、氷点下を大幅に下回る温度で体内を凍らせたってのか?!

チャンスだ!!

俺は………魔力を体外に出した、出せた。


バババンッ!

そして、出した魔力をムアンに引っ付け、そこから衝撃波を放った!!

「「!?」」

そして、ムアンの体は砕け散り、一つ見えた核を手を伸ばして壊した。
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