二重生活を楽しむ最強の冒険者 ~英雄+新人として活躍します~

だいのすけ

文字の大きさ
6 / 57

冒険者のチュートリアル(2回目)

しおりを挟む
  散策をして昼ご飯を終えると、もう登録手続きの2時間が経過していた。よし、冒険者ギルドに戻ろう。

  冒険者ギルドに戻り、受付に行く。
「受付番号91番ですが、もう手続きは終わっていますか?」
「少々お待ちください……カミト様ですね、はい冒険者登録の手続きは完了しています。特に問題なく手続きは終了いたしました」
「良かったです。ありがとうございます」
「この街にいる世界最強の冒険者もカミトというんですよ。是非これから頑張ってくださいね」
「はい!」受付嬢の笑顔が眩しい。勢いよく返事をしたが、俺は良心が痛み目を逸らした。
「さて、それでは冒険者について簡単な説明を行います。あちらの席に座っていただけますか?」
「わかりました」受付嬢がそのまま説明をしてくれるらしい。俺は席に腰掛けた。

  ざーっと説明を受けたが、基本的なルールなのでさすがに知っている。例えばこういう内容だ。

 ・冒険者は、冒険者ギルドが提示する「依頼」を受ける仕事である。依頼を受けると「クエスト」と呼ばれる。依頼には完了期限と完了条件が存在する。期限内にそのクエストを完了させることで報酬を受け取ることができる。

 ・依頼には、個人・チームの推奨レベルが存在する。個人のレベルは魔道具によって測定される。チームとは複数の冒険者が結成する組織のことであり、冒険者ギルドがレベルを評価し、設定する。個人で受けることができる依頼も多数あるが、チームの方が依頼が多い。

 ・冒険者ギルド以外からの依頼を受けることは基本的には禁止されている。冒険者ギルドを通さずに依頼を受けたことが判明した場合、最悪の場合追放されることもあるとのことだ。

 ・チームは組むことが推奨される。なぜならクエストごとに即席のチームを組むスタイルだと連携面で課題が出てくるからである。またソロの冒険者は後ろ盾がいないことからトラブルに巻き込まれることも多いため、ほとんどの冒険者がチームに所属している。

 ・個人のレベルは戦闘経験を多く積むことで上がっていく。具体的な必要経験値は個々によって異なるため不明だが、強力な敵を倒すほど経験値は増加する。また複数人で魔物を倒すと経験値は分配されるらしい。ただ、詳細はよく分かっていないようだ。

「チームは既に決まっていますか?」
「いえ、まだです。まだサクラに来たばかりなので……」
「なるほど、であればチームについては色々な人と話をしてから決めることをお勧めします。冒険者は命をかけて魔物を倒す職業なので、命を預けられる者である、と感じることができる者と組むのが良いです。中途半端に妥協すると後で後悔しますよ」
 確かにチームは大事だ。仲が良くないチームはどこかでクエストに失敗し、負傷したり死亡する者が出ることが多い。
「また、チームのバランスも重要です。そのチームで自分はどんな貢献ができるのかということも意識してください。レベルの高いチームに入ると雑用以外で貢献できず、全く成長できないという可能性もありますからね。もちろんレベルの高いチームでも魔法で貢献できるなどであれば全く問題ないと思います」

  ヘッズオブドラゴンにはLV6が二人いるが、二人とも特別な魔法を保有しているので共に戦うことに問題はない。いずれはLV7、8、9と成長していって欲しいがそれほど時間はあかからないだろう。

「はい、チームについてはよく考えてみます」
「よろしくお願いします。さて説明も一通り終わったのでレベル測定に向かいましょうか」
 俺は受付嬢に案内され、レベル測定の魔道具の前に座る。
「手をかざしてください」
 魔道具の前に手をかざすと、魔道具がピカピカ点滅した。
 ウィーン。魔道具がレベルを表示する。
「おお、レベル3です。最初から3は珍しいですね。戦闘経験がお有りですか?」
「はい、農家の次男なので戦闘経験はあります。経験値が溜まっていたんですね!」
 受付嬢の目が輝く。期待のルーキーとして認識されたようだ。

「それではレベルと名前を記載したギルドカードをお渡しします。特殊な魔道具なので無くさないようにしてくださいね。なくすと再発行に料金をいただきます」
 俺は受付嬢からギルドカードを受け取った。ギルドカードは依頼の受領時と、お金を預ける・受け取る際に必要となる。個人情報が保存されている優れたカードである。このカードを見せるだけでどの地域に行った時も身分証となるのでありがたい。そして変身の効果は問題なく発動しており、「カミト、レベル3」と表示されていた。

  ギルドカードは二枚目なので間違えないようにしないと。
「これで手続きは終わりです。ありがとうございました。不明点があればいつでも聞いてくださいね」
「はい、ありがとうございました」

  ようやく冒険者登録が終わった。今日はこれくらいで帰宅しよう。疲れたなあ。
 あ、そうだ家の床に穴も掘らないといけない。俺は憂鬱な気分で帰宅した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった

黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった! 辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。 一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。 追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

処理中です...