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チーム探しは大変だ
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その日の午後から、冒険者ギルド周辺をぶらぶら散策していると声をかけられるようになる。
「お前が、LV3新人冒険者のカミトか?」
「はい、そうです」
「チーム探しているらしいな。俺のチームもメンバーを募集していて、興味ないかと声をかけたんだが」
おお、早速! 掲示板の効果はすごいな。
「はい、是非お話し聞かせてください」
近くのカフェに入り、チームの説明を聞くのだが……結論から言うと最初のチームは大外れだった。小規模チームで2年前に新しく設立チームらしいのだが、「人間」のみでのチーム構成をしているらしい。いきなり他種族差別主義者かよ。
「別に他種族が嫌いというわけではない! ただ、人間の可能性を俺は追求していきたいんだ。人類の凄さを世の中に示したい!」
「はあ、なるほど」
こんな感じで目標を熱弁されたが、正直全くピンとこない。そもそもヘッズオブドラゴン自体みんな種族違うしな……
エルフの美人なお姉さんが好きなんで! など適当に言い訳をして俺は退散した。最初から雲行きが悪いスタートだ。
その後も色々声をかけられるが、ピンとこないチームばかりだった。全員がLV5のチーム(雑用確定じゃないか)、LV3で集まってスローライフを送ろうというチーム(のんびりしたいわけではない)、週3回パーティーがあるというチーム(飲み会がメインかよ)、顔面接があるというチーム(どこを目指しているんだ)……
まともなチームはないのかなあ、なんてことを考えながらカフェでコーヒーを飲みながら話を聞く。これはどうしたものか。
とりあえず今日は撤退だ。俺は家に戻り、地下道を通ってチーム拠点に帰還する。そして夕食時アリエッサに泣きついた。
「アリエッサ、チーム参加が上手くいかない……。声をかけられるチームが変なチームばかりなんだが」
「そうなんですね。ただ、仕方がないと思います。掲示板を見ましたが明らかに問題があるか超初心者のような人ばかりでしたから……LV3で常識がありそうなマスターに多種多様なチームが殺到するのは自明でした」
「そうなんだ? じゃあまあ耐えるしかないのかな」
「はい、それがおすすめです。自己紹介シートの希望するチームをより具体的に書く、という方法もありますが、気難しい面倒なやつと思われるリスクが高まります。とりあえずしばらくは色々なチームから声をかけられると思いますので、いいチームに出会うことを祈ることが賢明でしょう」
「なるほど、仕方ないか。しかし世の中には思った以上に色々なチームがあるんだな。それがわかったという意味では面白い経験をしているよ」
「そうポジティブに考えるのがいいと思います。なかなかできない経験ですからね」
俺はアリエッサに感謝を伝えると、今日話しかけられた変なチームに関して愚痴る。アリエッサは笑ってくれたのですっきりした。
夕食後、部屋に戻って理想のチームについて考える。しかしどんなチームから声をかけられたら嬉しいのかはピンとこないまま気付いたら寝ていたのだった。
そこから1週間、色々なチームから声をかけられるが全くもってピンとこない。一つ、ドワーフの女性がリーダーをしているチームは良さそうだったが、雑談でふざけて「LV9のアリエッサさん素敵ですよね」というと空気が完全に凍りついて会話が終了した。普通に考えるとハイエルフ好き=完全に無視や見下されるのが嬉しい変態である。完全に失敗した。
なーんか、ピンとこないんだよなあ……俺はぼやきながら銀の雫でコーヒーを飲む。なんだかんだ言ってすっかり常連になってしまった。ミオにも顔と名前を覚えられたようで時々話しかけてくれる。居心地のいいカフェになった。
さて、俺は普通のチームで普通に楽しく冒険者がしたいのだが、思った以上に普通であることのハードルは高いようだ。まあ命がけの冒険者という職業、どこか変わった要素がないとやっていけないのかもしれないな。
そんなある日の朝、また知らない男から話しかけられる。
「新人冒険者のカミトで合っているか?LV3の」
見た目はワーウルフのようだ。ワーウルフは狼のような顔つきをした人間と同じような特徴を持つ種族である。攻撃力が高いという特徴があるが粗暴な者が多い。しかし目の前のワーウルフは見たところ紳士そうだ。
「はい、そうです。どうされましたか?」
「俺はライエルという。独立して新しくチームを作ろうと考えているLV3だ。チームについて話があるのだが少し時間を貰えないか?」
「いいですよ、近くのカフェに行きましょう」
「お前が、LV3新人冒険者のカミトか?」
「はい、そうです」
「チーム探しているらしいな。俺のチームもメンバーを募集していて、興味ないかと声をかけたんだが」
おお、早速! 掲示板の効果はすごいな。
「はい、是非お話し聞かせてください」
近くのカフェに入り、チームの説明を聞くのだが……結論から言うと最初のチームは大外れだった。小規模チームで2年前に新しく設立チームらしいのだが、「人間」のみでのチーム構成をしているらしい。いきなり他種族差別主義者かよ。
「別に他種族が嫌いというわけではない! ただ、人間の可能性を俺は追求していきたいんだ。人類の凄さを世の中に示したい!」
「はあ、なるほど」
こんな感じで目標を熱弁されたが、正直全くピンとこない。そもそもヘッズオブドラゴン自体みんな種族違うしな……
エルフの美人なお姉さんが好きなんで! など適当に言い訳をして俺は退散した。最初から雲行きが悪いスタートだ。
その後も色々声をかけられるが、ピンとこないチームばかりだった。全員がLV5のチーム(雑用確定じゃないか)、LV3で集まってスローライフを送ろうというチーム(のんびりしたいわけではない)、週3回パーティーがあるというチーム(飲み会がメインかよ)、顔面接があるというチーム(どこを目指しているんだ)……
まともなチームはないのかなあ、なんてことを考えながらカフェでコーヒーを飲みながら話を聞く。これはどうしたものか。
とりあえず今日は撤退だ。俺は家に戻り、地下道を通ってチーム拠点に帰還する。そして夕食時アリエッサに泣きついた。
「アリエッサ、チーム参加が上手くいかない……。声をかけられるチームが変なチームばかりなんだが」
「そうなんですね。ただ、仕方がないと思います。掲示板を見ましたが明らかに問題があるか超初心者のような人ばかりでしたから……LV3で常識がありそうなマスターに多種多様なチームが殺到するのは自明でした」
「そうなんだ? じゃあまあ耐えるしかないのかな」
「はい、それがおすすめです。自己紹介シートの希望するチームをより具体的に書く、という方法もありますが、気難しい面倒なやつと思われるリスクが高まります。とりあえずしばらくは色々なチームから声をかけられると思いますので、いいチームに出会うことを祈ることが賢明でしょう」
「なるほど、仕方ないか。しかし世の中には思った以上に色々なチームがあるんだな。それがわかったという意味では面白い経験をしているよ」
「そうポジティブに考えるのがいいと思います。なかなかできない経験ですからね」
俺はアリエッサに感謝を伝えると、今日話しかけられた変なチームに関して愚痴る。アリエッサは笑ってくれたのですっきりした。
夕食後、部屋に戻って理想のチームについて考える。しかしどんなチームから声をかけられたら嬉しいのかはピンとこないまま気付いたら寝ていたのだった。
そこから1週間、色々なチームから声をかけられるが全くもってピンとこない。一つ、ドワーフの女性がリーダーをしているチームは良さそうだったが、雑談でふざけて「LV9のアリエッサさん素敵ですよね」というと空気が完全に凍りついて会話が終了した。普通に考えるとハイエルフ好き=完全に無視や見下されるのが嬉しい変態である。完全に失敗した。
なーんか、ピンとこないんだよなあ……俺はぼやきながら銀の雫でコーヒーを飲む。なんだかんだ言ってすっかり常連になってしまった。ミオにも顔と名前を覚えられたようで時々話しかけてくれる。居心地のいいカフェになった。
さて、俺は普通のチームで普通に楽しく冒険者がしたいのだが、思った以上に普通であることのハードルは高いようだ。まあ命がけの冒険者という職業、どこか変わった要素がないとやっていけないのかもしれないな。
そんなある日の朝、また知らない男から話しかけられる。
「新人冒険者のカミトで合っているか?LV3の」
見た目はワーウルフのようだ。ワーウルフは狼のような顔つきをした人間と同じような特徴を持つ種族である。攻撃力が高いという特徴があるが粗暴な者が多い。しかし目の前のワーウルフは見たところ紳士そうだ。
「はい、そうです。どうされましたか?」
「俺はライエルという。独立して新しくチームを作ろうと考えているLV3だ。チームについて話があるのだが少し時間を貰えないか?」
「いいですよ、近くのカフェに行きましょう」
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