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革命軍
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その夜、革命軍のテントでは話し合いが行われていた。目立たないように10名程度の小規模なチームを複数構えて今回のミッションを実行している。一見すると商人の移動にしか見えない形に変装しているが、全員戦闘に参加できる兵士達である。
「目標への攻撃は問題なく実行されましたが、全て迎撃されました。敵は話に聞いていた通り、かなり強力な全方位攻撃魔法を使用できるようです。剣が四方に飛んで行く攻撃が行われた後、空から魔法攻撃がなされました。ヘッドオブドラゴンズのメンバー全員と騎士5名の存在を確認しています」
「斥候は遠くから監視していたため攻撃には巻き込まれずに離脱することができました。現在持ち帰った情報を踏まえて魔法の分析と対処法を検討しています。が、恐らくカミト及びアリエッサの魔法に対抗する手段はなさそうです」
「了解。良く無事に帰って来てくれた。攻撃一発目は予定通り様子見だ。色々と情報収集できたようで成功だよ。しかし姫に到達する魔物が1匹もいないとは…… やはりチームランク8は伊達じゃないということだな。厄介な。しかも魔物を分析されている場合、これが仕組まれた攻撃だと気付かれた可能性があるな。そうなると警戒はさらに高まっているだろう」
副司令官であるナーダが呟く。
「まあまあ、予定通り第2弾といこうじゃないか。一つでも攻撃が当たれば我々の勝ちだよ。気楽にいこう」
革命軍のリーダー、シロウは陽気な声で手を叩く。シロウは不思議な存在だ。カリスマ性は高いが常に飄々としており隙がない。
「わかっていると思うけど、カミラ姫はこの国の王政を代表する存在だ。彼女の存在があってこそ王政は支持されているといっても過言ではない。彼女の政策は確かに民の生活を良くするものがあったことは否定しない。ただ、一人の天才に頼るのではなく民衆皆で集まってより良い政策を議論することこそがあるべき姿だ。そのためには申し訳ないが犠牲になってもらおう」
シロウは言葉を続ける。頷く革命軍のメンバー達。ここにいるメンバーは偵察役だった者を除き、革命軍の幹部達である。全員がシロウによってスカウトされた、王政打倒こそがこの国を良くすると信じる者たちだ。
参加した理由は様々である。困窮しこの国に恨みを持ったという人もいれば、単純により良い世界を目指して活動する人もいる。昼間は別の仕事をして夜だけ参加する者もいれば、フルで参加する者もいるなど、その関わり方も多様である。
「ナーダ、雇った連絡役は信頼できるんだよね?」
「ああ、大丈夫だろう。何回か事前に予行をしているが全て問題なかった。信頼できると判断して問題ない」
「わかった。問題なければそろそろ次の連絡が来るんだよね。まあまだ連絡は取れるだろう。今度は深夜の攻撃になるよ。皆、今のうちに体を休めておくように。他のチームにも伝えてくれ」
しばらくするとテントに兵士がやってくる。
「連絡が来ました! 敵はルートを変更し、少し迂回をしているようです。そして予定通り夜間攻撃の準備も終えているとのことです」
「よし、問題ないな。追うぞ」
ナーダが指示をする。この攻撃におけるリーダーはナーダである。リーダーであるシロウは総責任者として存在しているが、直接的な指示は全てナーダが行う。その理由は、ナーダはこういったテロ行為の経験が豊富だからである。複数回の攻撃で徐々に情報収集と敵戦力の逓減を行い、徐々に目標を達成するのがナーダの得意技だ。
「2回目は夜間攻撃だ。これでどうなるかで、3回目の攻撃の方向性が決まるな。上手くいけばいいが」
「どっちに転んでも僕達には問題ないさ。気楽に行こう」
「今回も魔物の攻撃のみでいいよな?」
「そうだね、それがいいと思う。相手が夜間でも問題なく戦闘できる場合、貴重な人材を失うことになりかねないからね」
「因みに今後リーダーも出陣する可能性もあるのか?」
「いや、僕はやめておこうと思う。姫の魔法が読めないのが大きいね。ヘッズオブドラゴンは僕の力でなんとかできるかもしれないけど、リスクは避けたいからね」
「そうだな。革命軍はリーダーの力で成立している。捕まったら死んだりすることだけは勘弁してほしいからな」
「目標への攻撃は問題なく実行されましたが、全て迎撃されました。敵は話に聞いていた通り、かなり強力な全方位攻撃魔法を使用できるようです。剣が四方に飛んで行く攻撃が行われた後、空から魔法攻撃がなされました。ヘッドオブドラゴンズのメンバー全員と騎士5名の存在を確認しています」
「斥候は遠くから監視していたため攻撃には巻き込まれずに離脱することができました。現在持ち帰った情報を踏まえて魔法の分析と対処法を検討しています。が、恐らくカミト及びアリエッサの魔法に対抗する手段はなさそうです」
「了解。良く無事に帰って来てくれた。攻撃一発目は予定通り様子見だ。色々と情報収集できたようで成功だよ。しかし姫に到達する魔物が1匹もいないとは…… やはりチームランク8は伊達じゃないということだな。厄介な。しかも魔物を分析されている場合、これが仕組まれた攻撃だと気付かれた可能性があるな。そうなると警戒はさらに高まっているだろう」
副司令官であるナーダが呟く。
「まあまあ、予定通り第2弾といこうじゃないか。一つでも攻撃が当たれば我々の勝ちだよ。気楽にいこう」
革命軍のリーダー、シロウは陽気な声で手を叩く。シロウは不思議な存在だ。カリスマ性は高いが常に飄々としており隙がない。
「わかっていると思うけど、カミラ姫はこの国の王政を代表する存在だ。彼女の存在があってこそ王政は支持されているといっても過言ではない。彼女の政策は確かに民の生活を良くするものがあったことは否定しない。ただ、一人の天才に頼るのではなく民衆皆で集まってより良い政策を議論することこそがあるべき姿だ。そのためには申し訳ないが犠牲になってもらおう」
シロウは言葉を続ける。頷く革命軍のメンバー達。ここにいるメンバーは偵察役だった者を除き、革命軍の幹部達である。全員がシロウによってスカウトされた、王政打倒こそがこの国を良くすると信じる者たちだ。
参加した理由は様々である。困窮しこの国に恨みを持ったという人もいれば、単純により良い世界を目指して活動する人もいる。昼間は別の仕事をして夜だけ参加する者もいれば、フルで参加する者もいるなど、その関わり方も多様である。
「ナーダ、雇った連絡役は信頼できるんだよね?」
「ああ、大丈夫だろう。何回か事前に予行をしているが全て問題なかった。信頼できると判断して問題ない」
「わかった。問題なければそろそろ次の連絡が来るんだよね。まあまだ連絡は取れるだろう。今度は深夜の攻撃になるよ。皆、今のうちに体を休めておくように。他のチームにも伝えてくれ」
しばらくするとテントに兵士がやってくる。
「連絡が来ました! 敵はルートを変更し、少し迂回をしているようです。そして予定通り夜間攻撃の準備も終えているとのことです」
「よし、問題ないな。追うぞ」
ナーダが指示をする。この攻撃におけるリーダーはナーダである。リーダーであるシロウは総責任者として存在しているが、直接的な指示は全てナーダが行う。その理由は、ナーダはこういったテロ行為の経験が豊富だからである。複数回の攻撃で徐々に情報収集と敵戦力の逓減を行い、徐々に目標を達成するのがナーダの得意技だ。
「2回目は夜間攻撃だ。これでどうなるかで、3回目の攻撃の方向性が決まるな。上手くいけばいいが」
「どっちに転んでも僕達には問題ないさ。気楽に行こう」
「今回も魔物の攻撃のみでいいよな?」
「そうだね、それがいいと思う。相手が夜間でも問題なく戦闘できる場合、貴重な人材を失うことになりかねないからね」
「因みに今後リーダーも出陣する可能性もあるのか?」
「いや、僕はやめておこうと思う。姫の魔法が読めないのが大きいね。ヘッズオブドラゴンは僕の力でなんとかできるかもしれないけど、リスクは避けたいからね」
「そうだな。革命軍はリーダーの力で成立している。捕まったら死んだりすることだけは勘弁してほしいからな」
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