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最恐の組織、ヨスバ
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ヨスバという組織は遥か昔から存在する裏組織である。ただ、存在感・規模ともに非常に小さく、細々と活動していた。ある事件をきっかけにメンバーが全滅したため、ランスがリーダーになり再構築を図ったのだが、そこから急速に裏社会で存在感を増していく。なぜヨスバは成功したのか?
1つはランス及びチームメンバーの質である。ランスはもちろんのこと、少数精鋭で、極めて優秀な者達が集結した。作戦立案を担当するシェリー、情報収集のローラ、近距離攻撃のリサ、遠距離攻撃のエフレン、そして偽造や変装道具を作成する支援担当のポート。こういった中心人物はどの組織でもトップになれるほどの能力を持っている上に、その他メンバーも一騎当千の猛者揃いである。質が高い、即ち依頼の成功率が高いということで評価が上がっていった。
2つ目は受ける依頼へのこだわりである。ヨスバは報酬だけではなく、「正義」を追求することを重要視している。裏社会において、このようなこだわりは異質である。どうしても規模を拡大し、多数の構成員を維持するためには様々な仕事を受けなければならないものであるし、そもそもそのようなこだわりを持つリーダーは少ない。その特異性から注目を集めたのである。
3つ目は王家との繋がりである。ヨスバは王家の依頼を受けることがある。極めて難易度が高く、危険性を伴う犯罪行為を王家の代わりに請け負うのだ。いわば王家の暗部として様々な依頼を受けるわけである。代わりに報酬は極めて高く、社会的な影響も大きい。これによりヨスバは知名度を高めていった。
現状、どの裏組織もヨスバに対しては静観する姿勢をとっている。自分達の裏稼業に関与する意向を見せず、拡大していく傾向もないからというのが大きい理由である。ただ、表向きにはそのように見せつつも、どの組織も「自分たちはヨスバに勝てるのか?」という疑問を抱いている。
この世界は誰もが一つ、特別な能力を持っている。攻撃的な能力から防御的なもの、便利なものや嫌がらせに使うしかないものなど多種多様だ。その能力によって、弱い兵士1000人よりも1人の強力な能力を持っている兵士が強い、と言われるのが現代の戦争である。通常の裏組織であれば、警告や宣伝の意味を込めて特定の幹部メンバーの能力を公開することもあるのだが、ヨスバのメンバーが保有する能力は謎に包まれている。様々な依頼を成功させていることを鑑みると、有力な能力を保有しているだろう、ここまでの推測しかできない不気味さが他組織には恐怖を感じさせるのだ。
過去にスパイを送り込んだ組織も存在する。しかし何度送り込んでも必ず失敗し、スパイは死体となって送り返されてくる。「心を読むことができる能力者がいる」と結論を出し、その組織はスパイを送り込むことは断念した、という話は裏社会では有名である。
では、表社会の組織、警察や軍はヨスバのことをどのように考えているのか? 結論から言うと「謎の組織」である。彼らの中でヨスバのことを組織として認識している者は上層部のごく限られた者だけになる。彼らは王家とヨスバの繋がりを知っているため、王家の依頼に関する事件では上手く配下の部隊をコントールすることでヨスバから目を逸らさせることもある。しかし、そんなことをする必要もない事件が大半である。何せヨスバは証拠を現場に一切残さない。常に現場では一方的な虐殺が発生しており、生き残った者でも顔を見たものはいない。警察や軍が到着する前には姿を消しており、付近で怪しげな人物が見つかったこともない。
イザードの事件のように、何かの組織が動いて起きた事件であろう、というところまでは推測できるのだが、それ以上は困難となり捜査は打ち切られてしまう。それが繰り返されているのが現状だ。
ただ、これだけであればヨスバは少し変わった有力な裏組織の一つでしかないかもしれない。その名を一躍有名にしたのは3年前の、傭兵軍団ニーデガルトを消滅させた事件である。ニーデガルドは1000名を超える傭兵を抱える軍団で、虐殺や略奪も頻繁に起こすことで有名な組織だった。彼らはある貴族の依頼を受け、ヨスバの殲滅に乗り出したのである。彼らは情報収集と称してヨスバの有力な情報に大金を支払うとともに、様々な事件を起こして挑発を繰り返した。
しかし、彼らはある夜を境に姿を消す。ニーデガルドは文字通り消滅してしまったのだ。拠点には死体が積み上げられ、ボスとその幹部の首は王都の外壁に吊るされた。この事件は市民の間でも大きく話題になった。そして裏社会の情報屋経由であるメッセージが王国中に届けられる。「ヨスバに手を出すな。ニーデガルドを思い出せ」と。
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1つはランス及びチームメンバーの質である。ランスはもちろんのこと、少数精鋭で、極めて優秀な者達が集結した。作戦立案を担当するシェリー、情報収集のローラ、近距離攻撃のリサ、遠距離攻撃のエフレン、そして偽造や変装道具を作成する支援担当のポート。こういった中心人物はどの組織でもトップになれるほどの能力を持っている上に、その他メンバーも一騎当千の猛者揃いである。質が高い、即ち依頼の成功率が高いということで評価が上がっていった。
2つ目は受ける依頼へのこだわりである。ヨスバは報酬だけではなく、「正義」を追求することを重要視している。裏社会において、このようなこだわりは異質である。どうしても規模を拡大し、多数の構成員を維持するためには様々な仕事を受けなければならないものであるし、そもそもそのようなこだわりを持つリーダーは少ない。その特異性から注目を集めたのである。
3つ目は王家との繋がりである。ヨスバは王家の依頼を受けることがある。極めて難易度が高く、危険性を伴う犯罪行為を王家の代わりに請け負うのだ。いわば王家の暗部として様々な依頼を受けるわけである。代わりに報酬は極めて高く、社会的な影響も大きい。これによりヨスバは知名度を高めていった。
現状、どの裏組織もヨスバに対しては静観する姿勢をとっている。自分達の裏稼業に関与する意向を見せず、拡大していく傾向もないからというのが大きい理由である。ただ、表向きにはそのように見せつつも、どの組織も「自分たちはヨスバに勝てるのか?」という疑問を抱いている。
この世界は誰もが一つ、特別な能力を持っている。攻撃的な能力から防御的なもの、便利なものや嫌がらせに使うしかないものなど多種多様だ。その能力によって、弱い兵士1000人よりも1人の強力な能力を持っている兵士が強い、と言われるのが現代の戦争である。通常の裏組織であれば、警告や宣伝の意味を込めて特定の幹部メンバーの能力を公開することもあるのだが、ヨスバのメンバーが保有する能力は謎に包まれている。様々な依頼を成功させていることを鑑みると、有力な能力を保有しているだろう、ここまでの推測しかできない不気味さが他組織には恐怖を感じさせるのだ。
過去にスパイを送り込んだ組織も存在する。しかし何度送り込んでも必ず失敗し、スパイは死体となって送り返されてくる。「心を読むことができる能力者がいる」と結論を出し、その組織はスパイを送り込むことは断念した、という話は裏社会では有名である。
では、表社会の組織、警察や軍はヨスバのことをどのように考えているのか? 結論から言うと「謎の組織」である。彼らの中でヨスバのことを組織として認識している者は上層部のごく限られた者だけになる。彼らは王家とヨスバの繋がりを知っているため、王家の依頼に関する事件では上手く配下の部隊をコントールすることでヨスバから目を逸らさせることもある。しかし、そんなことをする必要もない事件が大半である。何せヨスバは証拠を現場に一切残さない。常に現場では一方的な虐殺が発生しており、生き残った者でも顔を見たものはいない。警察や軍が到着する前には姿を消しており、付近で怪しげな人物が見つかったこともない。
イザードの事件のように、何かの組織が動いて起きた事件であろう、というところまでは推測できるのだが、それ以上は困難となり捜査は打ち切られてしまう。それが繰り返されているのが現状だ。
ただ、これだけであればヨスバは少し変わった有力な裏組織の一つでしかないかもしれない。その名を一躍有名にしたのは3年前の、傭兵軍団ニーデガルトを消滅させた事件である。ニーデガルドは1000名を超える傭兵を抱える軍団で、虐殺や略奪も頻繁に起こすことで有名な組織だった。彼らはある貴族の依頼を受け、ヨスバの殲滅に乗り出したのである。彼らは情報収集と称してヨスバの有力な情報に大金を支払うとともに、様々な事件を起こして挑発を繰り返した。
しかし、彼らはある夜を境に姿を消す。ニーデガルドは文字通り消滅してしまったのだ。拠点には死体が積み上げられ、ボスとその幹部の首は王都の外壁に吊るされた。この事件は市民の間でも大きく話題になった。そして裏社会の情報屋経由であるメッセージが王国中に届けられる。「ヨスバに手を出すな。ニーデガルドを思い出せ」と。
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