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7.管澤 光輝
しおりを挟む――ガバリと飛び起きる。
「……っ、はっ、はっ……」
クラリとする頭を押さえ、見た夢……――いや、過去のことを思い返す。
そうだ……。俺は昔、満にあんなことをしていた。
俺がここに来て、満にされたこと全てそのまま、過去の俺が満にしていたことだった。
「は、はははっ……。マジで、くそ野郎じゃねぇか……俺」
満は、俺がしたことをやり返したいんだ。
人が一生かかっても返せない程の大金を払ってまで、俺のことが許せないのだろう。
「もし、満足したら……。俺はどうなる?」
満が、もう復讐はいいと思えた時――俺はどうでもいい人間だと思われ、いらないと捨てられるのか? それか、殺される……?
満が今、どんな立場の人間なのかは分からない。けど、堅気ではないはずだ。
あんな、暴力が当たり前だといった態度を取っていたからだ。
仮にヤクザだったなら、人ひとりを亡き者にすることだって可能だろう。
俺は、満に……――『どうでもいい人間』だと思われるのが嫌だった。
それなら、『大嫌い』なままが良い。
『大嫌い』という気持ちがあるなら、俺を気にしてくれている。満の心の中に俺がいるんだ。
とっくに俺のことを忘れていると思っていたから……満が俺を憎しみという感情であったとしても、強く記憶に残していてくれて嬉しかった。
勝手だけど、俺は満をずっと忘れられなかったからだ。
ああ、そうか……満が俺を『大嫌い』なままでいるためには、また満以外の人間と――。
バチンと、おもいっきり頬を叩く。
「……ぅうっ、馬鹿か……! それだけは、絶対にしちゃいけないだろ……っ!」
自分勝手なとこ、全然変わってないじゃねぇか……――。
「…………お前、なにしてんだ?」
「――ッ!?」
満の声が真上から聞こえて、ビクッと飛び上がる。
「い、いつから……」
「さっきだけど……。真剣に変顔してたから、話し掛けちゃいけないかと……」
満は、クククッと喉の奥で低く笑っている。
「……っ、ぅ……」
満の笑顔を久しぶりに見て、胸がキュッと締まる感覚がした。
「――じゃ、早く服脱いで」
今見たものは幻想であったのかと思うほど、満は表情をストンと無くし俺に指示を出す。
「……これをして、お前の気が晴れるか?」
「――あ"? まさかとは思うが、いま拒否した?」
『こうすることで、余計に辛くないのかと思って』と言おうとしたが、破れてしまうほどの乱暴さで服を剥ぎ取られ、身体をベッドに投げ飛ばされた。
「うっ、満……待って……!」
満は目を鋭くさせている。
これでは、もう話を聞いてはくれないだろう。
俺は満が求めてくれて嬉しい。けど、満は違う……本当はこんなことをしたくはないはずだ。
「み、満は……本当に、俺を抱くので満足か?」
一瞬、満の動きが止まる。しかしすぐに声を立てて笑われた。
「はっ、俺がてめぇに抱かれたがってると思ってんのかよ?」
「……?」
次は俺が一瞬動きが止まってしまった。
なぜ、俺が満を……? と混乱し、言い方で勘違いさせてしまったのだと気付く。
けど……――過去に満のナカに入った感覚を思い出してしまい、下腹部に熱が帯びる。
「おいおい、マジか……」
呆れたように満が見ている場所――俺のそそり立っている部分だった。
「……ご、ごめ……これは、違うっ!」
誰かのナカに入れたいと、久しぶりに思ってしまった。
しかも、俺を嫌悪している満のナカになんて――。
「違う……? こんなビンビンにおっ立てて、なに言ってんだ?」
グッとそこを強く握られ、痛みで呻いた。
「み、満……」
「……見境ない奴だな。本当に、コレ……切り落としてやろうか?」
満の目が本気で言っているように見えて、慌てて起き上がった。
「……ッ!」
「ぅわっ!」
満が体勢を崩し、その上に重なるように倒れ込んでしまった。
謝ってすぐに退こうとしたが――満を見下ろし、胸が苦しいくらいに高鳴る。
まるで5年前に満を抱いていた時のようだった。
無意識に、満の脚を持ち上げようと触れて――
「チッ、退け」
ガッと、強く突き飛ばされた。
「いっ……」
「てめえ、まさか……俺を抱こうなんて考えてねぇよな?」
サッと血の気が引く。
そう、俺は満を抱こうと考えた。
今も――また満を抱きたい、と考えてしまっているのだ。
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