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ミルクティー嫌がらせ以降から、私はライカ様の姿が見えた瞬間に逃げるようになった。
だって、顔を合わせるたびにケンカするなんて、いい加減疲れる。
顔を合わせないから勿論のこと、性行為(最後まではしていない)もしておらず。だからか、あの行為がいかに恐ろしいことだったと気づけた。
もし、ライカ様に知られたら……殺される。
本当は、いたしたことを謝罪した方がいいのだろうが、申し訳ないが命には変えられないし、ライカ様もかなり私の悪口をいったから痛み分けということで……。
だから私はライカ様とアリス様へせめてもの罪滅ぼしをするため、今人気な縁結びスポットに足を運んだ。
イビツなハート型の石に向かって願う。
『これからは、イケナイコトをせずに清く正しく生きていきます。だから、愛し合うライカ様とアリス様に祝福をお与え下さい』
――手をグッと合わせた。
『どうぞ、くっついて一生離れませんように!』
うん、なんだかスッキリした気がする!
私もずっとこのままじゃいられない。気を新たにしなければ――。
「よ~し! 私も本格的に新しい相手を見つけちゃおうかな~!」
「許さん」
「ふ、きゅっ!?」
あ、変な声でた……。
バッと振り向くと、黒い笑顔を浮かべたライカ様が、私を見下ろしている。
な、なんでここに……!?
「お前に、そんな相手が見つかるわけがない」
「はぁっ!? 赤の他人の貴方なんかに言われる筋合いありませんけど?」
「はっ、赤の他人だって……?」
腕をガシリと掴まれ、ズルズルと引きずられる。
「は? ちょ、ちょ、離してよ!」
助けを求めるために周囲を見渡すが、何故か貸し切りのように誰もいない。
あ、あれ? ここ人気なんだよね?
――馬車に押し込まれる。
「ちょっと、なに!? 下ろして!」
私の声が聞こえていないように隣に陣取られ、扉から出られない。
こ、こうなったら……!
「命令よ、そこをどきなさい!」
ライカ様にビシッと指をさし、高らかに言い放つ。
「…………ふっ、馬鹿な女だ……」
何故か、ライカ様が肩を震わせて笑っている。催眠がかかっていないようだ。
いつも催眠をかけるように言ったはず……。
どうしてだろうと、何度も命令しているが、更にライカ様に笑われ。そうしているうちに、ライカ様の公爵家に着いてしまった。
「なに、本当……どういうこと……?」
再びズルズルと引きずられるが、もう色々と疑問しかなくて、頭が混乱する。
ライカ様の私室に入れられ、やっと手を離された。
「さて……新しい相手とやらは、どうやって見つけるつもりだ?」
「関係ないでしょ? というか、貴方さっきは『見つかるわけがない』なんていったくせに、本当なんなのよ!」
「その通りだ。お前に、新しい相手が見つかるわけがないだろう」
「……」
本当、ムカつく男! 私を人間じゃなくて、日々のストレスの捌け口にしてるんじゃないの?
だから、私だけにこんな横暴ことが出来るのよ。
ライカ様は無愛想だけど、人望に厚く、皆に慕われている。こ~んな支離滅裂な暴言を、誰かに吐いたりしたけとがない。
なら完全に、私をストレス発散の道具にしているということだろう。
ライカ様を、キッと睨み付け――。
「もう……! 黙って、膝まづいてなさいよ!」
「…………」
「……ん?」
ライカ様はストンと膝をつき、何も言わなくなった。
「はぁ~……。一体、発現条件どうなってんの……」
じっと床を向くライカ様をどうしようかと、私はもう一度ため息をついた。
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