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想いを…
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大きなシャンデリアと赤いカーペットの豪華なロビーを抜けて部屋があるフロアにやってきた。
生徒達はほとんどまだ外にいるのかとても静かだった。
フロアの一番奥の部屋の鍵をカードキーをスライドして開ける。
なんかホテルみたいだな。
部屋は2LDKでリビングがとても広かった。
ソファーに下ろされるとフリードは棚から救急セットを取り出す。
「フリード、関係者じゃないけど寮に入って大丈夫なの?」
「手当てだけだ、問題ないだろ」
「…でも同室者いるんだよね」
表札はなかったけど確か二人部屋だった筈だ。
フリードはよくても同室者が帰ってきたら嫌になるかもしれないと思った。
しかしフリードは「気にしなくていい」と言って俺の前にひざまずいた。
足を触られ冷たくて身震いした。
すぐに手を離してしまったから俺は「大丈夫だから続けて」と笑った。
濡れたタオルで傷口の周りの血を脱ぐってくれた。
「…フリード、おめでとう」
「おまじないが優秀なおかげだ」
お互い目を合わせて笑いあった。
傷口を綺麗にして消毒液を傷口に塗られる。
ピリッと痛みを感じて手を握りしめるが我慢して堪えた。
男なんだからいつまでも泣いていられない。
フリードは心配そうに見てくるから安心させるように笑った。
顔は、まぁ歪だったとは思うが俺が頑張っているからかフリードは何も言わないでいてくれた。
「イリヤ、俺の話聞いてくれるか?」
「うん、何?」
「俺と初めて会ったあの日、覚えてる?」
忘れるわけない、俺とフリードが知り合ったあの日の事…俺は覚えている。
フリードは噴水を見ててよそ見をしていた俺とぶつかってずぶ濡れにしてしまったんだ。
あの時はゲームの攻略キャラクターに会ってしまった、服の弁償どうしようとそればかり考えててフリードの事好きとは思ってなかった。
俺がフリードの事好きだって思ったのはアル様から助けてくれて手を差し伸ばしてくれたあの時だろうな。
あの時もまだ弁償とか考えていたけど、それだけじゃない暖かい感情を抱いていた……俺の、初恋。
その後すぐにジョーカーと知り合って好きになるから俺ってどうしようもないほど惚れっぽいのかもしれない。
「イリヤを初めて見た時、本気で天使だって思ったんだ」
「…え?天使?」
「可愛くて俺を魅了する天使」
傷口にガーゼを当てられて包帯を巻かれる。
ゲームでは結構大雑把でジョーカーの方が器用だったのにフリードも器用なんだ。
しかし、こんな没個性の影の薄い顔が可愛いのか?
もしかして自分だからそう思うだけで本当はゲーム通りの美少年って認識とか?
……いや、それはないか…アル様だってガッカリしてたし…
それに天使って、俺…普通よりかなり劣る魔法使いなんだけど…
「俺、可愛くないし…天使じゃないよ」
「そうか?俺から見たらどんなに顔が整った奴よりイリヤが一番可愛いけどな、俺の目には羽根が見える」
「えっ!?」
驚いて後ろを振り返る、やっぱり羽根なんてない。
フリードって結構変わってるのかもしれない、俺も変わってるから人の事言えないけど…
包帯を巻き終わり救急セットを片して俺の隣に座った。
フリードが手当てしてくれたから膝はもう痛くなくなった。
両手で包み込むように手を握られてフリードの方を見ながらドキドキする。
フリードも俺と同じくらいドキドキしてくれてたら嬉しいな。
「俺の初恋なんだ、それは今でも変わらない」
「…フリード」
「好きだ」
顔が近付いてきて目蓋を閉じた。
フリードの手を握り受け入れた。
それが俺の答えだったんだ。
だけど、ちゃんと口で言わなきゃいけない。
ジョーカーとの件もあるし…
触れるだけのキスをしてから唇が離れた。
「フリード、俺…フリードの事…好きだよ」
「……やっと言ってくれたな」
「でも俺、変だから…その…ジョーカーの事も同じくらい好きなんだ」
「……………ジョーカー?」
生徒達はほとんどまだ外にいるのかとても静かだった。
フロアの一番奥の部屋の鍵をカードキーをスライドして開ける。
なんかホテルみたいだな。
部屋は2LDKでリビングがとても広かった。
ソファーに下ろされるとフリードは棚から救急セットを取り出す。
「フリード、関係者じゃないけど寮に入って大丈夫なの?」
「手当てだけだ、問題ないだろ」
「…でも同室者いるんだよね」
表札はなかったけど確か二人部屋だった筈だ。
フリードはよくても同室者が帰ってきたら嫌になるかもしれないと思った。
しかしフリードは「気にしなくていい」と言って俺の前にひざまずいた。
足を触られ冷たくて身震いした。
すぐに手を離してしまったから俺は「大丈夫だから続けて」と笑った。
濡れたタオルで傷口の周りの血を脱ぐってくれた。
「…フリード、おめでとう」
「おまじないが優秀なおかげだ」
お互い目を合わせて笑いあった。
傷口を綺麗にして消毒液を傷口に塗られる。
ピリッと痛みを感じて手を握りしめるが我慢して堪えた。
男なんだからいつまでも泣いていられない。
フリードは心配そうに見てくるから安心させるように笑った。
顔は、まぁ歪だったとは思うが俺が頑張っているからかフリードは何も言わないでいてくれた。
「イリヤ、俺の話聞いてくれるか?」
「うん、何?」
「俺と初めて会ったあの日、覚えてる?」
忘れるわけない、俺とフリードが知り合ったあの日の事…俺は覚えている。
フリードは噴水を見ててよそ見をしていた俺とぶつかってずぶ濡れにしてしまったんだ。
あの時はゲームの攻略キャラクターに会ってしまった、服の弁償どうしようとそればかり考えててフリードの事好きとは思ってなかった。
俺がフリードの事好きだって思ったのはアル様から助けてくれて手を差し伸ばしてくれたあの時だろうな。
あの時もまだ弁償とか考えていたけど、それだけじゃない暖かい感情を抱いていた……俺の、初恋。
その後すぐにジョーカーと知り合って好きになるから俺ってどうしようもないほど惚れっぽいのかもしれない。
「イリヤを初めて見た時、本気で天使だって思ったんだ」
「…え?天使?」
「可愛くて俺を魅了する天使」
傷口にガーゼを当てられて包帯を巻かれる。
ゲームでは結構大雑把でジョーカーの方が器用だったのにフリードも器用なんだ。
しかし、こんな没個性の影の薄い顔が可愛いのか?
もしかして自分だからそう思うだけで本当はゲーム通りの美少年って認識とか?
……いや、それはないか…アル様だってガッカリしてたし…
それに天使って、俺…普通よりかなり劣る魔法使いなんだけど…
「俺、可愛くないし…天使じゃないよ」
「そうか?俺から見たらどんなに顔が整った奴よりイリヤが一番可愛いけどな、俺の目には羽根が見える」
「えっ!?」
驚いて後ろを振り返る、やっぱり羽根なんてない。
フリードって結構変わってるのかもしれない、俺も変わってるから人の事言えないけど…
包帯を巻き終わり救急セットを片して俺の隣に座った。
フリードが手当てしてくれたから膝はもう痛くなくなった。
両手で包み込むように手を握られてフリードの方を見ながらドキドキする。
フリードも俺と同じくらいドキドキしてくれてたら嬉しいな。
「俺の初恋なんだ、それは今でも変わらない」
「…フリード」
「好きだ」
顔が近付いてきて目蓋を閉じた。
フリードの手を握り受け入れた。
それが俺の答えだったんだ。
だけど、ちゃんと口で言わなきゃいけない。
ジョーカーとの件もあるし…
触れるだけのキスをしてから唇が離れた。
「フリード、俺…フリードの事…好きだよ」
「……やっと言ってくれたな」
「でも俺、変だから…その…ジョーカーの事も同じくらい好きなんだ」
「……………ジョーカー?」
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