強制悪役令息と4人の聖騎士ー乙女ハーレムエンドー

チョコミント

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好きだから幸せを願う

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フリードは驚いた顔をして俺を見ていた。
そりゃあそうだよな、付き合う前に浮気宣言しているようなものだしな。
ジョーカーが特別だったんだって分かる。

呆れられただろうか、俺の事が嫌いになっただろうか。
フリードの顔からは本心は分からない。

フリードが口を開いた。

「…イリヤは、恋愛感情として俺達が好きなのか?」

キスされても嫌じゃない、むしろ俺からもそれを求めているという事は恋愛感情だと思っている。
恋愛ゲームをしていてさすがに恋愛がなにか分からないわけではない。

頷くとフリードはため息を吐いた。
本当、呆れるよな…フリードは俺に一途なのに俺はフリードもジョーカーも好きなんて…

何の取り柄もない俺を好きで居てくれたのに俺は裏切ったようなものだ、責められても仕方ない。
下を向きフリードの顔が見れなくなる。

「困らせるつもりはなかったんだ、少しの間だけでもフリードと…一緒に…」

「……どういう事だ?」

気持ちが沈みすぎて心の声を口走ってしまった。
もう余計な事を言わないように口を手で塞ぐがもう既に遅かった。

フリードに肩を掴まれて強制的に目を合わせられた。
困惑したような怒ったようなそんなフリードの顔が瞳に写る。

少しの間なんてフリードにとっては奇妙な事だろう……普通恋愛に期限はない筈だから…
どうしよう、なんて言えばフリードは信じてくれるだろうか。

「イリヤは俺の事、好きじゃないのか?」

「す、好きだよ!…でも、フリードは…」

「……まさか、また相応しい相手とか言うのか?」

肩を掴む手が強められて痛かった。
でもフリードが怒るのは無理がない。

フリードに聖騎士の話をしたらいったいどうなってしまうだろうか。
普通なら俺より誰もが憧れる聖騎士を目指すに決まっている。
フリードがそうしたいと言うなら俺は応援したい。

でも、俺が聖騎士になる人物を知っているなんてやっぱり可笑しいよな。

「…も、もし…俺と別れたら聖騎士になれるって言われたら…どうする?」

「………何?」

「もしもだよ!」

例え話を強調しながらフリードに聞いてみた。
でも、俺の前だから本当の事を言わないかもしれない。
…いや、ゲームのフリードは意地悪を言ったり自信過剰だったりするが真剣な相手に対して嘘は言わない性格だ。

それは傍にいた俺も分かっている、嘘を付く優しさより本当の事を言って気付かせてくれる優しさをフリードは持っている。
だから俺もフリードをまっすぐ見つめてどんな答えでも受け入れる覚悟をする。

険しい顔をしたフリードだったが、当たり前のように言った。

「そんなの答えるまでもなくイリヤと別れるなら聖騎士なんてクソだろ」

「……く、クソ?」

俺が考えていた答えと真逆の答えが返ってきて目を丸くする。
フリードだし、嘘を付いてはいないんだけどちゃんと分かっているのだろうか。
聖騎士と俺を天秤に掛けたのか?ちゃんと考えた方がいい!

もしかして例え話だから軽く考えているのだろうが、それが真実だって知ったらきっとフリードは…
もうこの際変な奴だと思われてもいいから俺はフリードの言葉が知りたくなった。

フリードに俺より聖騎士を取ってほしいわけじゃないが、俺にとって大事な事だからちゃんと考えてほしい。

「俺!実は占いが出来て予知夢も見るんだ!フリードは俺と別れると聖騎士になれるんだよ!絶対!」

「イリヤ占いが出来るのか、凄いな」

「そこじゃない!!」

占いが出来るは嘘だけど、予知夢はゲームの内容を覚えているから全部嘘というわけではないと思う。

身を乗り出してフリードに聞いたからグラッとバランスを崩しフリードの上に倒れた。
膝を心配してくれるフリードに「大丈夫」と口で言うが顔は全然大丈夫じゃない。
フリードの鼓動を感じて抱きしめられて頬を赤くする。

言っちゃった、全部……俺が隠していた事。
いずれ必ずなるとはいえ言っても良かった事なのか悪かったのか自分でも分からない。

フリードはさっきの怒った感じではなく優しく俺の頭を撫でた。

「イリヤは俺と別れたいのか?」

「…別れたいなら好きなんて言わないよ、でも…本当の事なんだよ」

「イリヤの予知夢か…もしかしてそれのせいで俺の事好きじゃないって言ったのか?」

コクンと頷くとぎゅっとさっきよりも強く抱きしめられた。
もうこれは例え話じゃないんだ、さすがのフリードも俺の行動と言葉が繋がり信じてくれると思う。
好きだからフリードには幸せになってほしいんだ。

壁に掛けられた時計の針の音と鼓動の音が静かな部屋に響く。
実際は短い時間だっただろうが、俺にとっては長く感じた。

フリードはさっきと同じように答えた。

「イリヤには悪いけど、やっぱり聖騎士はいらないな」

「なんで!?フリードは騎士になりたいんじゃないの!?」

「…イリヤに会う前の俺なら憧れの騎士になりたいって思ってたな、聖騎士はなりたいって思ってなるものじゃねぇだろ」

「でも聖騎士になれるって分かったらやっぱりなりたいじゃん」

「そうだな、なりたいよ」

分かっていた事だからショックは受けない、当然だって思ってる。
顔を上げるとフリードは俺の両頬を包み込むようにした。
優しく見ないでよ、期待しちゃいけないのにしちゃうじゃん。
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