強制悪役令息と4人の聖騎士ー乙女ハーレムエンドー

チョコミント

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裏の事情

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※フリード視点

母に呼ばれて家にやってきた。

散々騎士になる事を反対していたというのに、手のひらを返したように呼ぶなんてと思うが俺は母に会うために帰ってきたんじゃない……イリヤに会うためにやってきたんだ。
とはいえ母にイリヤに会うなと言われているから正面から会えないからいつもの穴から入るか。

玄関で出迎えてくれたのは俺の唯一の理解者であるギルだ。
いい歳だがまだまだ元気なギルが俺にお辞儀した。
イリヤの事は幼少期以来ギルには話してはいないし、ギルにイリヤの事を頼んだらすぐに母や兄にバレてしまうから使い魔がいるからいいかと思い何も伝えていない。

前を歩くギルを眺めながら着いていくと大きな声でイリヤを呼ぶ声が聞こえて目を見開いて驚いた。
音がした方を振り返ると兄が俺の部屋のドアを叩いていた。
俺はギルに先に行くように言って兄に近付き肩を掴んだ。

兄は試験に落ちて母にもなにか言われイライラしているのか俺の手を振り払いこちらを睨んだ。

「フリード……またお前か」

「いい加減にしろ、イリヤはお前のストレス発散ではないんだぞ」

舌打ちをしていたが、兄は不意に笑った。
余裕そうな顔に眉を寄せる。
兄の考えている事なんてろくな事ではない事は分かる。

昔から兄はそうだ。
弱い者を蔑まなくては気がすまない性格だった。
自分はマシだとずっと自分に言い聞かせていたのだろう。
……そんな事をしても、自分自身が成長しないというのに…

「お前、アイツが好きなのか?」

「………」

「はっ!!でもアイツは俺のもんだから残念だったな!」

「…婚約者は期限付きだろ」

「あぁそうだ!だから捨てる前に玩具のように乱暴に犯してやるよ!」

俺の耳元でわざと少し大きな声を出してそんな事を言う。
どうやら兄はそのイライラを俺にぶつけて、俺を怒らせたいようだ。

そのまま俺の横を通りすぎる兄を見てそのまま後ろから兄の首を掴み押し付けた。
驚く兄はこちらを見ようとしたから兄のように耳元に唇を寄せた。

あぁ…ダメだ、これ以上やったら兄の首をへし折りそうになる。
流石にいくらクズでも身内は殺しちゃいけない事くらい分かってる……だから…

「その前に俺がお前をその軽口聞けないようにしてやるよ」

ぐっと少し力を込めて低い声で囁くと兄から短い悲鳴が聞こえた。

俺のイリヤになにかしたら使い魔の時よりも、今度こそ容赦しない…その警告も込めて…

手を離すと兄が早足に去っていく。
これで懲りたら俺も警戒していない、早くイリヤをこの家から連れ出さないとな。

イリヤ、あんな事されて驚いただろう。
俺は優しくドアを叩いて安心するように声を掛けた。

そして母の部屋に急いで向かった、すぐに終わらすために…

やはり俺の考えていた事は当たっていた。
母はホワイト家の誇りだと笑って賛辞を口にしていた。
俺は愛想笑いを浮かべて早くイリヤのところに行きたいと思っていた。
母の目には俺ではなく、在学中に騎士団に入れた事しか見えていないのだろう。

そんな母をやり過ごし、部屋を出た。
最後にギルではなく他の使用人に俺を見送らせた。
見送る事は建前で俺がイリヤと接触する事を警戒しているのだろう。
でも俺には外からイリヤに会う方法があるから別に問題じゃない。

そのまま使用人が玄関で俺を見送りすぐに穴があるところに向かった。

そこからイリヤがいる部屋に入る。
この穴もしばらく忙しくなって会えなくなるから塞いだ方がいいな、もう滅多な事がない限りここには来ないし…俺は聖騎士だからきっと塞ぐ事が出来るだろう。

今はもう騎士団の稽古が始まっているが、入団の時国王と会った。
国王は何度かパレードとかで見ていたから顔は知っていたが近くで見ると威厳な態度が迫力があった。
でも国王は国民を第一に思いとても慕われている。
その人の元で働けるのはとても名誉な事なのだろう。

俺はあまり公にするのはいけない事かと思い、国王に二人っきりで相談したい事があると伝えた。
騎士の人達は止めていたが国王はそれを片手で止めて俺に頷いてくれた。

「見習いとはいえ騎士を信用出来ずにいる国王などいるか?」とそう言い、俺は改めて国のために貢献したいと誓った。

聖騎士だと言って信用されるかなんて分からない、世迷い言だと笑うだろう、証拠の刺青がないんだから…

しかし国王は笑わず真剣に聞いてくれた。
俺が聖騎士になった事、それを覚醒させてくれた子の事…
イリヤの事は詳しくは言わなかったがその子のために俺は強くなりたいといろいろと話した。

「……共魔術師、か」

ふと国王はそんな事を言った。
俺は少しイリヤの話をしたが共魔術師の話はしなかった。
驚く俺に国王は顔を和らげて微笑んだ。

国王だから国民が知らない事を知って当たり前なのかもしれない。

国王は「愛の力で聖騎士は強くなると王家に伝わる書物に記されている、その子を大切にしなさい」と俺の頭をぽんぽんと撫でた。
俺は強く頷いた、きっと王家の書物の内容を知らない筈の俺が口にしたから信用してくれたのだろうか。

聖騎士に関しては公表しないと国王は言った。
国王は信じてくれたが普通の国民なら信用しないだろう。
それと俺が本物の聖騎士だと公表したら他国まで知れ渡り、王都に攻め込む危険があった。
聖騎士を奪うために何をするか分からない。

国民を危険に晒すわけにはいかない。
俺は普通の騎士として聖騎士の事は隠す事にした。

それが、この国のためになるなら……
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