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脱出計画
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そんな…もしかするとここはもうHero of the worldの世界では無くなってしまったのかもしれない。ノアをやっていたことは全部そのままやっておくべきだったのかもしれない。
そして何より…
(僕はここから抜け出さなければならない…。)
きっと今ラルトは聖女を殺して気が動転してこんなことをしているのだろう。ならば1度僕が離れた方が冷静になれるのではないか?それに僕も痛い思いはしたくないし。
「ここからはどうやったら出れる?」
「単刀直入だね。首輪と鎖とディルドをつけて俺とずっと手を繋ぐなら廊下くらいは歩かせてあげるよ。」
……聞いた僕が馬鹿だった。これを大真面目に言ってそうだから気色悪い。
何とかして自力で脱出通路を見つけなければ。
「…何が目的?私に何をするつもりだ?」
「だから!目的とかそんなないって!ノアの居場所はここだから連れてきただけだよ。」
「私はここが私の居場所だとは思わないんだが。」
「大丈夫!いつかわかるようになるからさ。」
一生分かりたくないな……。
「じゃあこれで最後にしよう。もう3つも答えたしね」
「貴様は…どうやったら幸せになる?」
これが僕が1番聞きたかったことだ。第1に僕はラルトの幸せのためにこの4年間行動してきたのだ。
4年たって意識がノアに侵食されているのか、意識せずともプライドが高く、人を見下すような態度になり、あの時よりもラルトのことを推しであるより、勇者としては認識することが増えてきた気がする。一人称派時々揺れそうになるけど。
それでも、あんなことをされたってファンだった1人間のあがきとしては幸せになってもらいたいのだ。
きっとラルトが得るはずだった幸せも僕の過失で壊してしまったようなものだし。
そう思って聞くと、ラルトは目を丸くしてこちらを見ていた。
「そっ、か…。君からそんな言葉が聴けるとは思わなかったよ、ノア。俺は君が、君さえいてくれたらずっと幸せになれるよ。」
そう赤面しながら言うラルト。それは本当に絵になっていて。思わずその顔に見とれてしまった。さすが顔だけ満点の男。
しかし本当にラルトは混乱しているらしい。本当に僕が聞きたかった答えは聞けなかった。やはり1度距離をとるべきだ。
そう思い、空間探知をしようとするが、途中で跳ね返ってくる。たまたま失敗しただけだと思い、再度試してみてもこの部屋までしか探知が出来ない。
混乱していると不意にラルトが首輪に繋がれた鎖を引っ張る。
「俺が喜んでる隙狙って何してんの?ダメだよ。君は俺から逃げられない。…今は機嫌がいいから許してあげる。諦めた方が身のためだよ。」
そう言ったラルトの目は暗く濁っていた。なるほど……この部屋にはラルトの魔力がかかっているのか。それじゃあ普通に太刀打ちは出来ないな。
そして何より…
(僕はここから抜け出さなければならない…。)
きっと今ラルトは聖女を殺して気が動転してこんなことをしているのだろう。ならば1度僕が離れた方が冷静になれるのではないか?それに僕も痛い思いはしたくないし。
「ここからはどうやったら出れる?」
「単刀直入だね。首輪と鎖とディルドをつけて俺とずっと手を繋ぐなら廊下くらいは歩かせてあげるよ。」
……聞いた僕が馬鹿だった。これを大真面目に言ってそうだから気色悪い。
何とかして自力で脱出通路を見つけなければ。
「…何が目的?私に何をするつもりだ?」
「だから!目的とかそんなないって!ノアの居場所はここだから連れてきただけだよ。」
「私はここが私の居場所だとは思わないんだが。」
「大丈夫!いつかわかるようになるからさ。」
一生分かりたくないな……。
「じゃあこれで最後にしよう。もう3つも答えたしね」
「貴様は…どうやったら幸せになる?」
これが僕が1番聞きたかったことだ。第1に僕はラルトの幸せのためにこの4年間行動してきたのだ。
4年たって意識がノアに侵食されているのか、意識せずともプライドが高く、人を見下すような態度になり、あの時よりもラルトのことを推しであるより、勇者としては認識することが増えてきた気がする。一人称派時々揺れそうになるけど。
それでも、あんなことをされたってファンだった1人間のあがきとしては幸せになってもらいたいのだ。
きっとラルトが得るはずだった幸せも僕の過失で壊してしまったようなものだし。
そう思って聞くと、ラルトは目を丸くしてこちらを見ていた。
「そっ、か…。君からそんな言葉が聴けるとは思わなかったよ、ノア。俺は君が、君さえいてくれたらずっと幸せになれるよ。」
そう赤面しながら言うラルト。それは本当に絵になっていて。思わずその顔に見とれてしまった。さすが顔だけ満点の男。
しかし本当にラルトは混乱しているらしい。本当に僕が聞きたかった答えは聞けなかった。やはり1度距離をとるべきだ。
そう思い、空間探知をしようとするが、途中で跳ね返ってくる。たまたま失敗しただけだと思い、再度試してみてもこの部屋までしか探知が出来ない。
混乱していると不意にラルトが首輪に繋がれた鎖を引っ張る。
「俺が喜んでる隙狙って何してんの?ダメだよ。君は俺から逃げられない。…今は機嫌がいいから許してあげる。諦めた方が身のためだよ。」
そう言ったラルトの目は暗く濁っていた。なるほど……この部屋にはラルトの魔力がかかっているのか。それじゃあ普通に太刀打ちは出来ないな。
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