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新たに始まった俺達の関係
第39話 New everyday life starting from now on
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アリスとのセックスを終えて、俺は彼女と横たわりながら物思いにふけっていた。
さて、これで身近な異性としっぽりと致してしまった訳なんだが……。
俺は今後、どうしていけば良いのだろうか……。俺は今までこんな出来事と出会ったことがない。
つまり、これから先どうしていけば良いのか全く分からないのだ。
俺はそんな事を考えながら、頭を悩ませてしまう。
すると、そんな俺に気が付いたのか、アリスがそっと俺に抱きついてきた。
「アリス……?」
「もしかして、今後のことでも考えていたんですか?」
「……よく分かったな」
「そりゃあ、ずっと一緒にいる幼馴染ですからね。
真なら悩みそうだなぁって思ってました」
「流石だなぁ……。なんでもお見通しか……」
そんなに分かりやすかったのかねぇ?
別に表情に出してたつもりなんて無いんだけどな……。
なんか何でも見透かされてそうで怖くなってくるよ……。
「多分ですけど、そこまで深く考えなくても良いと思いますよ?」
「え……?」
「この計画というか、こうしたのはあくまでも、私達の意思なんですよ?
皆が平等に真に愛されるには、この形が一番だと思ったんです。
こうすれば私達は争うことなく、真と付き合えると思った。
だから、真は私達をきちんと愛してくれればそれでいいんですよ」
「は、はぁ……」
なんかこう、釈然としないな……。ほんとに男として、それで良いのか……?
全部を女の子に任せっきりで、男として情けないような気が……。
「ふふっ……。納得いかないって顔してますね」
「いやだってそりゃ、男として情けないだろ……」
「まぁ、全部女の子に任せっきりっていうのは、確かに見栄えが悪いかもしれませんね」
「あぁ、だからさ……」
「じゃあ男らしく、私達を引っ張って行ってください❤
色んな所に連れて行ったり、私達に今まで見た事のないような景色を……。
今まで経験した事のないような出来事を教えて下さい」
「……あぁ、分かった。お前達に相応しくなれるように頑張るよ」
「はいっ❤ 頑張ってください❤ 期待してますからね❤」
アリスはそう言って、ニコリとほほえみ、ギュッと俺を抱きしめる。
そして俺は、それに応えるようにアリスの身体を抱きしめ返した。
そんな話をアリスとした後、俺は彼女を家まで送り届けた。
処女を散らした後だったためか、アリスの足取りは若干おぼつかないようだった。
その後、甘奈に連絡を入れて彼女は無事に帰宅した。
ちょっと色々聞かれはしたものの、どうせ本人が説明するだろうし、俺はアリスに聞いてくれと伝えておいた。
そして次の日……
☆
朝っぱらから俺の耳元で、忌々しいアラームが俺を起こそうとけたたましく鳴り響く。
そんな目覚ましを親の仇を見るかの様に睨みつつ、目が冴えてしまったので仕方なく目覚ましを止めた。
「なんで朝なんて来るんだろうなぁ……」
俺がベッドに腰掛けつつ、ほっと一息ついて窓から空を見上げる。
「いやぁ……真っ青で清々しい程にいい天気だなぁ……」
「兄さ~ん? 起きましたかぁ~?」
俺がそう呟きつつ、独り言を呟いていると、俺の部屋の扉を開けて甘奈が入ってきた。
「あぁ、甘奈か……。おはよう」
「はいっ❤ おはようございますっ❤
ご飯にします? 歯磨きにします? それともわ・た・し?」
「多分、その選択肢は夜に聞くもんだと思うぞ?」
「……? 分かってますよ?」
「分かってて何故それを聞いてくる⁉」
もう最近お兄ちゃんは、義妹の行動理由がさっぱり分かりませんよ⁉
セックスした途端、余計に理解不能になってきたぞ……。
「もう~❤ そんなの決まってるじゃないですかぁ~❤」
「え……?」
「朝一番から兄さんのおちんちんを沈めて差し上げようと思ったのでっ❤」
「あ、あぁ……なるほど。そういう事ですか……」
いや、なんで俺はそこで若干理解しちゃってるんですかねぇ⁉
そこは拒否するところじゃないのかよ!
俺が内心で色々と焦っていると、ゆっくりした足取りで甘奈が俺に近付いてきた。
どうやら甘奈はヤル気満々なようで、彼女はすでに頬を赤らめ目を蕩けさせている。
しかし、現在の時刻は朝の8時前。残念ながら、そんな事をしている余裕はない。
俺は本能を理性で必死に抑え込み、両手で頬を叩いて気合を入れる。
「甘奈、もうすぐ学校に行かなくちゃいけない。
だから今は、そんな事をしている余裕はないんだ」
「むぅ……確かにそうですけど……」
「まだ入学したてなのに、遅刻で目立ちたくないだろう?」
「まぁ……あまり良いことではありませんね……」
「だからな? 今は我慢してくれないか?」
俺はなだめるように、甘奈の目を見つめながら彼女に言う。
すると甘奈も分かってくれたのか、さっきまで赤らんでいた頬はいつもと同じような色に戻り、蕩けていた目もすっかり元通りになっていた。
そうして俺と甘奈は、朝食を済ませて学校へ行く準備をして家を出る。
すると俺の家の前には、夏葉とアリスが二人揃って俺と甘奈を待ち構えていた。
「おはよう、真くん」
「あぁ、おはよう夏葉」
俺は笑顔で朝の挨拶をしてきた夏葉に、普段と同じ様に挨拶を返す。
そして続いて隣にいるアリスにも挨拶をする。
「おはよう、アリス。もう身体は大丈夫なのか?」
「おはようございます、真。
お気遣いありがとうございます。身体はもう大丈夫ですよ❤
まぁまだ少し違和感はありますけどね……」
「なら良かった。昨日、フラフラだったからさ……」
「まぁ、優しいですね❤ またムラムラしちゃうじゃないですか❤」
「ちょっとアリスが違う意味で心配になってくるんだが……」
なんだろう……。家でもこんなやり取りした気がするなぁ……。
そんなやり取りをアリスとしていると、夏葉と甘奈が俺をじーっと見つめていた。
「ん? どうした?」
「いや? なんでもないけど?」
「そうか? なら良いけど……」
「別にぃ? なんにも思ってないよぉ?
あたしの時は、そこまで心配してくれてたかなぁなんて思ってないからね?」
「絶対思ってるやつだろそれ」
俺はあまりにも露骨なアピールに、思わずツッコミを入れる。
「そうですよ! 私もそんなに心配された記憶がありません!
ズルいです! 私の事も心配してください! さぁ! 早く!」
「そんな事を言われても、心配する要素皆無じゃないか……?
二人共元気有り余ってるっぽいし……」
『なっ⁉ しまった!』
俺がそう言うと、二人は「しまった!」という様な表情で、頭を抱える。
そんな二人を見て俺は、ここまで二人はバカだったかなとちょっと心配になっていた。
「まぁそんな二人は放っておいて、私達は行きましょう?」
「え? ちょっと⁉ おい! 引っ張るなよ!」
「あっ! ちょっとアリス! 真くん! 待ってよぉ!」
「兄さん! 待ってください! 私も行きますぅ!」
そんなこんなで、俺達は四人で学校へ向かう。
そしてしばらく皆で歩いていると、俺達の前に一人の女子生徒が誰かを待つように一人で立っていた。
そしてその女子生徒は、俺達の姿を見ると笑顔で俺達の元へ駆け寄ってくる。
「おはよう! 真!」
「あぁ愛衣、おはよう」
待っていたのは、愛衣だった。
愛衣はその笑顔のまま俺に声を掛ける。
「おはよう! 愛衣ちゃん!」
「愛衣、おはようございます」
「愛衣さん、おはようございます!」
「おはよう! 夏葉、アリス! あと甘奈ちゃんも!」
四人はお互い笑顔で挨拶を交わし、そのまま俺達は再び五人で学校へ向かい始めた。
☆
そして俺達五人は、学校へ到着した。
道中で昨日のアリスとの一件を聞かれたが、アリスが自分から話すと言って皆に全てを話していた。
皆も興味津々で聞き入り、アリスの乱れっぷりを聞いた途端に、顔を赤く染めてしまった。
まぁ俺からしたら、皆同じぐらいに乱れていた気がしなくもないけど……。
そんなこんなで俺達は、校内に入って初めに甘奈と別れる。
「兄さん……名残惜しいですが、ここでお別れですね……」
なんかまるで会えないかのように言う甘奈。
まぁあれだけブラコンこじらせてたらこうなっても仕方がない……のかな……?
「またどうせ休み時間に会えるだろ?
ほら、今はこれで許してくれよ」
俺はそう言って、甘奈の頭を軽く撫でる。
そして甘奈も、それで満足したのか悲しそうな表情から一変。
満面の笑みを浮かべて自分の教室へ向かっていった。
「じゃあ俺達も行こうか」
俺はそう言って、俺の後ろで待っていた三人に声を掛ける。
そして俺達は、階段を上がって自分たちの教室へ向かった。
「真……」
「お前もか……アリス……」
「ダメ……ですか……?」
どうやらアリスは、甘奈が羨ましかったようで、俺に頭を撫でられるのを心待ちにしているようだ。
まぁ確かに、甘奈だけってのはダメかと思い、俺はアリスの頭を撫でる。
すると「ふへぇ……」と普段のアリスからは想像できないような気の抜けた声を漏らしていた。
「じゃあな、アリス」
「はい❤ これでなんとか授業に集中できそうです❤」
「それなら良い」
「では、私はこれで」
アリスはそう言って、自分の教室へ入っていった。
あとは俺と夏葉と愛衣だ。
まぁ俺達三人は同じクラスだから別れるわけじゃないけど。
そして俺達は、自分たちのクラスに入る。
「おはよう、伏見くん。それに夏葉と愛衣も」
「あぁ、おはよう」
『おはよう!』
俺達が教室に入ると、何人かのクラスメイト達が挨拶をしてくれた。
もちろん、俺達もそれに返事するように挨拶を返す。そして俺達は、それぞれの席に向かった。
「おう、真! おはよう!」
「あぁ、巽。おはよう」
「おっすおっす!」
どうやら巽も来ていたようで、俺が席に着いた途端に声を掛けてきた。
じゃっかん暑苦しくいと思ったのは、内緒である。
「そういえば、巽はテスト大丈夫なのか?」
「テスト……?」
「お前、まさか……忘れてるのか……?」
まさか……嘘だよな……?
だってわざわざ俺の家に来てまで勉強会しようとしてたんだもんな?
なぁ巽、嘘だと言ってくれよ! なぁ巽ぃぃぃぃぃぃぃい!
しかし現実は非常なもので……
「あっ! しまった! 勉強してねぇ!」
「お前、マジかよ……」
神様は残酷だった……。
このままでは巽は補習行きになってしまうかもしれない。
どうすべきか……。
「なぁ真、テストに出そうな所って分かったりしないか?
そこでヤマ張って勉強するからさ!」
「それぐらいなら出来るとは思うけど……」
「頼む! お願いだ! 俺を助けてくれ!」
「分かったよ……」
こうして俺は、巽のために色々とやらなければいけない事が増えてしまった。
ちなみに、愛衣はと言うと――
「え? テスト勉強? もちろんしてるよ?
だってせっかく真の彼女になったからいいところ見せたいしさ。
それに……補習受けたら真と一緒にいる時間減っちゃうもん」
とても可愛い理由で黙々と勉強をしていた愛衣であった。
さて、これで身近な異性としっぽりと致してしまった訳なんだが……。
俺は今後、どうしていけば良いのだろうか……。俺は今までこんな出来事と出会ったことがない。
つまり、これから先どうしていけば良いのか全く分からないのだ。
俺はそんな事を考えながら、頭を悩ませてしまう。
すると、そんな俺に気が付いたのか、アリスがそっと俺に抱きついてきた。
「アリス……?」
「もしかして、今後のことでも考えていたんですか?」
「……よく分かったな」
「そりゃあ、ずっと一緒にいる幼馴染ですからね。
真なら悩みそうだなぁって思ってました」
「流石だなぁ……。なんでもお見通しか……」
そんなに分かりやすかったのかねぇ?
別に表情に出してたつもりなんて無いんだけどな……。
なんか何でも見透かされてそうで怖くなってくるよ……。
「多分ですけど、そこまで深く考えなくても良いと思いますよ?」
「え……?」
「この計画というか、こうしたのはあくまでも、私達の意思なんですよ?
皆が平等に真に愛されるには、この形が一番だと思ったんです。
こうすれば私達は争うことなく、真と付き合えると思った。
だから、真は私達をきちんと愛してくれればそれでいいんですよ」
「は、はぁ……」
なんかこう、釈然としないな……。ほんとに男として、それで良いのか……?
全部を女の子に任せっきりで、男として情けないような気が……。
「ふふっ……。納得いかないって顔してますね」
「いやだってそりゃ、男として情けないだろ……」
「まぁ、全部女の子に任せっきりっていうのは、確かに見栄えが悪いかもしれませんね」
「あぁ、だからさ……」
「じゃあ男らしく、私達を引っ張って行ってください❤
色んな所に連れて行ったり、私達に今まで見た事のないような景色を……。
今まで経験した事のないような出来事を教えて下さい」
「……あぁ、分かった。お前達に相応しくなれるように頑張るよ」
「はいっ❤ 頑張ってください❤ 期待してますからね❤」
アリスはそう言って、ニコリとほほえみ、ギュッと俺を抱きしめる。
そして俺は、それに応えるようにアリスの身体を抱きしめ返した。
そんな話をアリスとした後、俺は彼女を家まで送り届けた。
処女を散らした後だったためか、アリスの足取りは若干おぼつかないようだった。
その後、甘奈に連絡を入れて彼女は無事に帰宅した。
ちょっと色々聞かれはしたものの、どうせ本人が説明するだろうし、俺はアリスに聞いてくれと伝えておいた。
そして次の日……
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朝っぱらから俺の耳元で、忌々しいアラームが俺を起こそうとけたたましく鳴り響く。
そんな目覚ましを親の仇を見るかの様に睨みつつ、目が冴えてしまったので仕方なく目覚ましを止めた。
「なんで朝なんて来るんだろうなぁ……」
俺がベッドに腰掛けつつ、ほっと一息ついて窓から空を見上げる。
「いやぁ……真っ青で清々しい程にいい天気だなぁ……」
「兄さ~ん? 起きましたかぁ~?」
俺がそう呟きつつ、独り言を呟いていると、俺の部屋の扉を開けて甘奈が入ってきた。
「あぁ、甘奈か……。おはよう」
「はいっ❤ おはようございますっ❤
ご飯にします? 歯磨きにします? それともわ・た・し?」
「多分、その選択肢は夜に聞くもんだと思うぞ?」
「……? 分かってますよ?」
「分かってて何故それを聞いてくる⁉」
もう最近お兄ちゃんは、義妹の行動理由がさっぱり分かりませんよ⁉
セックスした途端、余計に理解不能になってきたぞ……。
「もう~❤ そんなの決まってるじゃないですかぁ~❤」
「え……?」
「朝一番から兄さんのおちんちんを沈めて差し上げようと思ったのでっ❤」
「あ、あぁ……なるほど。そういう事ですか……」
いや、なんで俺はそこで若干理解しちゃってるんですかねぇ⁉
そこは拒否するところじゃないのかよ!
俺が内心で色々と焦っていると、ゆっくりした足取りで甘奈が俺に近付いてきた。
どうやら甘奈はヤル気満々なようで、彼女はすでに頬を赤らめ目を蕩けさせている。
しかし、現在の時刻は朝の8時前。残念ながら、そんな事をしている余裕はない。
俺は本能を理性で必死に抑え込み、両手で頬を叩いて気合を入れる。
「甘奈、もうすぐ学校に行かなくちゃいけない。
だから今は、そんな事をしている余裕はないんだ」
「むぅ……確かにそうですけど……」
「まだ入学したてなのに、遅刻で目立ちたくないだろう?」
「まぁ……あまり良いことではありませんね……」
「だからな? 今は我慢してくれないか?」
俺はなだめるように、甘奈の目を見つめながら彼女に言う。
すると甘奈も分かってくれたのか、さっきまで赤らんでいた頬はいつもと同じような色に戻り、蕩けていた目もすっかり元通りになっていた。
そうして俺と甘奈は、朝食を済ませて学校へ行く準備をして家を出る。
すると俺の家の前には、夏葉とアリスが二人揃って俺と甘奈を待ち構えていた。
「おはよう、真くん」
「あぁ、おはよう夏葉」
俺は笑顔で朝の挨拶をしてきた夏葉に、普段と同じ様に挨拶を返す。
そして続いて隣にいるアリスにも挨拶をする。
「おはよう、アリス。もう身体は大丈夫なのか?」
「おはようございます、真。
お気遣いありがとうございます。身体はもう大丈夫ですよ❤
まぁまだ少し違和感はありますけどね……」
「なら良かった。昨日、フラフラだったからさ……」
「まぁ、優しいですね❤ またムラムラしちゃうじゃないですか❤」
「ちょっとアリスが違う意味で心配になってくるんだが……」
なんだろう……。家でもこんなやり取りした気がするなぁ……。
そんなやり取りをアリスとしていると、夏葉と甘奈が俺をじーっと見つめていた。
「ん? どうした?」
「いや? なんでもないけど?」
「そうか? なら良いけど……」
「別にぃ? なんにも思ってないよぉ?
あたしの時は、そこまで心配してくれてたかなぁなんて思ってないからね?」
「絶対思ってるやつだろそれ」
俺はあまりにも露骨なアピールに、思わずツッコミを入れる。
「そうですよ! 私もそんなに心配された記憶がありません!
ズルいです! 私の事も心配してください! さぁ! 早く!」
「そんな事を言われても、心配する要素皆無じゃないか……?
二人共元気有り余ってるっぽいし……」
『なっ⁉ しまった!』
俺がそう言うと、二人は「しまった!」という様な表情で、頭を抱える。
そんな二人を見て俺は、ここまで二人はバカだったかなとちょっと心配になっていた。
「まぁそんな二人は放っておいて、私達は行きましょう?」
「え? ちょっと⁉ おい! 引っ張るなよ!」
「あっ! ちょっとアリス! 真くん! 待ってよぉ!」
「兄さん! 待ってください! 私も行きますぅ!」
そんなこんなで、俺達は四人で学校へ向かう。
そしてしばらく皆で歩いていると、俺達の前に一人の女子生徒が誰かを待つように一人で立っていた。
そしてその女子生徒は、俺達の姿を見ると笑顔で俺達の元へ駆け寄ってくる。
「おはよう! 真!」
「あぁ愛衣、おはよう」
待っていたのは、愛衣だった。
愛衣はその笑顔のまま俺に声を掛ける。
「おはよう! 愛衣ちゃん!」
「愛衣、おはようございます」
「愛衣さん、おはようございます!」
「おはよう! 夏葉、アリス! あと甘奈ちゃんも!」
四人はお互い笑顔で挨拶を交わし、そのまま俺達は再び五人で学校へ向かい始めた。
☆
そして俺達五人は、学校へ到着した。
道中で昨日のアリスとの一件を聞かれたが、アリスが自分から話すと言って皆に全てを話していた。
皆も興味津々で聞き入り、アリスの乱れっぷりを聞いた途端に、顔を赤く染めてしまった。
まぁ俺からしたら、皆同じぐらいに乱れていた気がしなくもないけど……。
そんなこんなで俺達は、校内に入って初めに甘奈と別れる。
「兄さん……名残惜しいですが、ここでお別れですね……」
なんかまるで会えないかのように言う甘奈。
まぁあれだけブラコンこじらせてたらこうなっても仕方がない……のかな……?
「またどうせ休み時間に会えるだろ?
ほら、今はこれで許してくれよ」
俺はそう言って、甘奈の頭を軽く撫でる。
そして甘奈も、それで満足したのか悲しそうな表情から一変。
満面の笑みを浮かべて自分の教室へ向かっていった。
「じゃあ俺達も行こうか」
俺はそう言って、俺の後ろで待っていた三人に声を掛ける。
そして俺達は、階段を上がって自分たちの教室へ向かった。
「真……」
「お前もか……アリス……」
「ダメ……ですか……?」
どうやらアリスは、甘奈が羨ましかったようで、俺に頭を撫でられるのを心待ちにしているようだ。
まぁ確かに、甘奈だけってのはダメかと思い、俺はアリスの頭を撫でる。
すると「ふへぇ……」と普段のアリスからは想像できないような気の抜けた声を漏らしていた。
「じゃあな、アリス」
「はい❤ これでなんとか授業に集中できそうです❤」
「それなら良い」
「では、私はこれで」
アリスはそう言って、自分の教室へ入っていった。
あとは俺と夏葉と愛衣だ。
まぁ俺達三人は同じクラスだから別れるわけじゃないけど。
そして俺達は、自分たちのクラスに入る。
「おはよう、伏見くん。それに夏葉と愛衣も」
「あぁ、おはよう」
『おはよう!』
俺達が教室に入ると、何人かのクラスメイト達が挨拶をしてくれた。
もちろん、俺達もそれに返事するように挨拶を返す。そして俺達は、それぞれの席に向かった。
「おう、真! おはよう!」
「あぁ、巽。おはよう」
「おっすおっす!」
どうやら巽も来ていたようで、俺が席に着いた途端に声を掛けてきた。
じゃっかん暑苦しくいと思ったのは、内緒である。
「そういえば、巽はテスト大丈夫なのか?」
「テスト……?」
「お前、まさか……忘れてるのか……?」
まさか……嘘だよな……?
だってわざわざ俺の家に来てまで勉強会しようとしてたんだもんな?
なぁ巽、嘘だと言ってくれよ! なぁ巽ぃぃぃぃぃぃぃい!
しかし現実は非常なもので……
「あっ! しまった! 勉強してねぇ!」
「お前、マジかよ……」
神様は残酷だった……。
このままでは巽は補習行きになってしまうかもしれない。
どうすべきか……。
「なぁ真、テストに出そうな所って分かったりしないか?
そこでヤマ張って勉強するからさ!」
「それぐらいなら出来るとは思うけど……」
「頼む! お願いだ! 俺を助けてくれ!」
「分かったよ……」
こうして俺は、巽のために色々とやらなければいけない事が増えてしまった。
ちなみに、愛衣はと言うと――
「え? テスト勉強? もちろんしてるよ?
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