チョウチョのキラキラ星

あやさわえりこ

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満月の夜……

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「ねえママ、見てー!」
 おやおや、気がついたみたいだ。
「なあに? さえちゃん」
「まるでお星さまが飛んでるみたいだよ!」
 さえちゃんが言うように、『星』といってもいいかもしれない。窓を開けると、そこにはキラキラと輝くものが……。
 羽を広げ、空を飛び、ゆっくりと高くまで舞い上がっていく。
 それらの模様はまるで空に浮かぶ色とりどりの宝石のよう。赤に青、黄に紫に白。いろんな色が、夜の空を彩った。
「あら! すごい数のチョウチョね」
 チョウチョは何匹いるだろう。ぼくにもわからなくなっちゃった。あのあとも、とにかく数え切れないほどたくさん呼んだことはたしか。窓の外にはたくさんの仲間たちが、さえちゃんの目の前でキラキラ光る羽を輝かせている。
「きれー!」
 さえちゃんは、きれいな目をまん丸にしている。窓の景色からずっと離れない。さえちゃんの目に無数のきらめきが写りこんでいるだろうな。
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