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009.挙動不審な王子様
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「俺の鼻血と汗の結晶だ、心して食えよ!!」
「ありがとう、これは美味しそうだ」
2本の串を受け取った王子様、なんでも似合ってしまう王子様でも串焼きを両手に持つ姿はちょっと違うなって感じるな。笑顔は満点だけど。
「いいのか?お金を貯めるんだって張り切っていたのに、いきなり使ってしまって」
ツノウサギの串焼き銅貨2枚×2
高原アカウシの串焼き銅貨5枚×2
俺の今日の稼ぎは串焼きへと消えた。
「いいんだよ。初めて稼いだお金はこれから頑張るために楽しいことに使わなきゃってのが持論だからな」
「楽しいことか……確かに美味しい。陸也の作ったウーリーラットのステーキの方が美味しいけどな」
よほど飢えてたんだなぁ……あれぐらいの料理でそんだけ感動してたらヒロインの料理食べたらそのまま天へ召されちゃうんじゃないか?
ちらっと横を覗き見ると、串焼きを食べる姿すら上品だ。
「陸也、口の端……脂が垂れてる」
「それぐらい自分で拭くって」
口の端をタオルで拭かれて、慌ててそのタオルを受け取り自分で拭う。
「私はお目付役をおおせつかったからな……陸也がお子様すぎてつい構いすぎてしまう」
「……お前が落ち着きすぎなだけだろ。いちいちドキッとするからやめてほしいんだよな……」
口うるさいお目付役に世話を焼かれないよう口元に気をつけながら2本の串を食べ比べた。
ツノウサギの肉はさっぱりめで脂が少ないからかちょっと肉がパサっとしてるかな。
高原アカウシの肉は牛って感じ。残念ながら和牛ではなく赤身の多い外国の牛って感じかな。
そして共通して言えること……獣臭。
毒消し草はそれなりに値段が張るし、毒消しのポーションの材料に回されるため料理に使おうとすると価格を上げざるを得ないとか……。
「アランはどっちの肉が……アラン?どうした?」
右手で額を押さえて身体を丸めている、頭痛?寝れてなかったみたいだし無理させたか……串焼きより早く寮に帰してやれば良かった。てか街の中なんだから本当は俺に付いて歩く必要もないんだけどな。
「なんでもない……どちらも美味しいが、強いて言うなら高原アカウシだな」
盛大なため息を吐きながら言う事だろうか?
絶対何か……怒ってる?
「本当かよ?なんか怒ってないか?」
「怒ってない。早く食べて寮へ急ごう。あと1時間で王宮への門が閉まる。そうすると寮へ戻れなくなる」
「え?そういう事は、もっと早く教えてよ」
今夜寮に戻れなかったら、これから宿に泊まるなんてお金はもう残っていない。
残った肉へ急いで齧り付いた。
ーーーーーー
門が閉まる前に戻ることができて、無事に今夜の寝床は確保できた。
「アラン様、陸也様今日はお戻りになられたんですね」
寮に戻るなり副寮長のえ~と……えっと、ハー……ハ……なんだっけ?
「ああ、いきなり寮長を押し付けることになって悪かったな、ハーラント」
そうそう、ハーラントさんが出迎えに出てきてくれた。
アランを連れ出してしまったから副寮長から寮長へ昇格したようだ。
「今年は聞き分けの良い学生が多いので大丈夫です。初めての野営は成功しましたか?徹夜で冒険者の手引き書を熟読して道具をかき集め「ハーラント!!」
「手引き書?」
ハーラントさんの言葉を遮ったアランを見ると初めて見るような真っ赤な顔で慌てている。
もしかして俺が突然無計画に冒険者になるとか言い出したから、一晩で勉強して必要なあれらの道具を揃えてくれたのか?どんだけ面倒見いいんだよ、この王子は。
やっぱこのゲームの世界は人が温かい……感動に胸が熱くなっちゃうよ。
魔王がどんな存在でどんな事をしているのか描写がなくてどんな敵かわからないけど俺に守れるなら守りたい。守れる力があるならね。
「……なんだ。付け焼き刃の知識で偉そうにしてたとでも思ってるのか?」
拗ねた様な顔が可愛いな、アラン王子こんなキャラだったか?恋愛要素はシェリー一択で、他のキャラはスキップで進めてきてたから知らなかったけど
「そんなわけないだろ。俺のわがままの為にそこまでしてくれたの嬉しいなって感動してたとこ。ありがとうアラン。アランの為にも勇者として役に立てるように頑張るよ」
スンッと効果音が聞こえてきそうなほど瞬時に表情が抜けてアランはくるっと背中を見せた。
「……寝る」
「ええ!?なんでそんな急に……明日の予定決めようってさっき話しただろ」
そんな怒るようなこと言ったか?別にアラン可愛いなぁって思っただけでばかにしたりしてないのに。
呼び止めようと掴んだマントは握りしめる前に手の中からすり抜けた。バタンと扉の閉まる音が聞こえて、本当に部屋に戻ってしまったみたいだ。
「俺なんか機嫌損ねるような事言いました?」
一緒に残されたハーラントさんの顔を見上げる……気まずい。
「あれは怒ってる訳ではないと思いますね。修行僧の様なお顔になってまあ……あのアラン様が勇者様のお目付役として冒険者に登録しなければいけなくなったと報告を受けた時には驚きましたが……そうですか、なるほど」
アランを怒らせた事を不安に思う俺とは対照的にハーラントさんは何やら楽しそうだ。
「陸也様、冒険者登録を済ませて困ったことはありませんか?必要な物があれば揃えます」
「問題なく登録できました。依頼の受け方や採取方法なんかもアランが丁寧に教えてくれましたし、野営もアランが全て道具を用意していてくれたので快適に過ごせました」
「そうですか。アラン様と大変仲良くなられたみたいですね」
ハーラントさんにニコッと微笑まれて俺もニコッと微笑み返した。
……アランがいいって言うから呼び捨てしてたけど、周りからしたら不敬だ!!って睨まれたかな?養成学校内では身分は関係ないって言ってたけどハーラントさんとアランの間には確実に上下関係が存在してるよね。
笑って誤魔化したけれど内心は冷や汗がダラダラだった。
「ありがとう、これは美味しそうだ」
2本の串を受け取った王子様、なんでも似合ってしまう王子様でも串焼きを両手に持つ姿はちょっと違うなって感じるな。笑顔は満点だけど。
「いいのか?お金を貯めるんだって張り切っていたのに、いきなり使ってしまって」
ツノウサギの串焼き銅貨2枚×2
高原アカウシの串焼き銅貨5枚×2
俺の今日の稼ぎは串焼きへと消えた。
「いいんだよ。初めて稼いだお金はこれから頑張るために楽しいことに使わなきゃってのが持論だからな」
「楽しいことか……確かに美味しい。陸也の作ったウーリーラットのステーキの方が美味しいけどな」
よほど飢えてたんだなぁ……あれぐらいの料理でそんだけ感動してたらヒロインの料理食べたらそのまま天へ召されちゃうんじゃないか?
ちらっと横を覗き見ると、串焼きを食べる姿すら上品だ。
「陸也、口の端……脂が垂れてる」
「それぐらい自分で拭くって」
口の端をタオルで拭かれて、慌ててそのタオルを受け取り自分で拭う。
「私はお目付役をおおせつかったからな……陸也がお子様すぎてつい構いすぎてしまう」
「……お前が落ち着きすぎなだけだろ。いちいちドキッとするからやめてほしいんだよな……」
口うるさいお目付役に世話を焼かれないよう口元に気をつけながら2本の串を食べ比べた。
ツノウサギの肉はさっぱりめで脂が少ないからかちょっと肉がパサっとしてるかな。
高原アカウシの肉は牛って感じ。残念ながら和牛ではなく赤身の多い外国の牛って感じかな。
そして共通して言えること……獣臭。
毒消し草はそれなりに値段が張るし、毒消しのポーションの材料に回されるため料理に使おうとすると価格を上げざるを得ないとか……。
「アランはどっちの肉が……アラン?どうした?」
右手で額を押さえて身体を丸めている、頭痛?寝れてなかったみたいだし無理させたか……串焼きより早く寮に帰してやれば良かった。てか街の中なんだから本当は俺に付いて歩く必要もないんだけどな。
「なんでもない……どちらも美味しいが、強いて言うなら高原アカウシだな」
盛大なため息を吐きながら言う事だろうか?
絶対何か……怒ってる?
「本当かよ?なんか怒ってないか?」
「怒ってない。早く食べて寮へ急ごう。あと1時間で王宮への門が閉まる。そうすると寮へ戻れなくなる」
「え?そういう事は、もっと早く教えてよ」
今夜寮に戻れなかったら、これから宿に泊まるなんてお金はもう残っていない。
残った肉へ急いで齧り付いた。
ーーーーーー
門が閉まる前に戻ることができて、無事に今夜の寝床は確保できた。
「アラン様、陸也様今日はお戻りになられたんですね」
寮に戻るなり副寮長のえ~と……えっと、ハー……ハ……なんだっけ?
「ああ、いきなり寮長を押し付けることになって悪かったな、ハーラント」
そうそう、ハーラントさんが出迎えに出てきてくれた。
アランを連れ出してしまったから副寮長から寮長へ昇格したようだ。
「今年は聞き分けの良い学生が多いので大丈夫です。初めての野営は成功しましたか?徹夜で冒険者の手引き書を熟読して道具をかき集め「ハーラント!!」
「手引き書?」
ハーラントさんの言葉を遮ったアランを見ると初めて見るような真っ赤な顔で慌てている。
もしかして俺が突然無計画に冒険者になるとか言い出したから、一晩で勉強して必要なあれらの道具を揃えてくれたのか?どんだけ面倒見いいんだよ、この王子は。
やっぱこのゲームの世界は人が温かい……感動に胸が熱くなっちゃうよ。
魔王がどんな存在でどんな事をしているのか描写がなくてどんな敵かわからないけど俺に守れるなら守りたい。守れる力があるならね。
「……なんだ。付け焼き刃の知識で偉そうにしてたとでも思ってるのか?」
拗ねた様な顔が可愛いな、アラン王子こんなキャラだったか?恋愛要素はシェリー一択で、他のキャラはスキップで進めてきてたから知らなかったけど
「そんなわけないだろ。俺のわがままの為にそこまでしてくれたの嬉しいなって感動してたとこ。ありがとうアラン。アランの為にも勇者として役に立てるように頑張るよ」
スンッと効果音が聞こえてきそうなほど瞬時に表情が抜けてアランはくるっと背中を見せた。
「……寝る」
「ええ!?なんでそんな急に……明日の予定決めようってさっき話しただろ」
そんな怒るようなこと言ったか?別にアラン可愛いなぁって思っただけでばかにしたりしてないのに。
呼び止めようと掴んだマントは握りしめる前に手の中からすり抜けた。バタンと扉の閉まる音が聞こえて、本当に部屋に戻ってしまったみたいだ。
「俺なんか機嫌損ねるような事言いました?」
一緒に残されたハーラントさんの顔を見上げる……気まずい。
「あれは怒ってる訳ではないと思いますね。修行僧の様なお顔になってまあ……あのアラン様が勇者様のお目付役として冒険者に登録しなければいけなくなったと報告を受けた時には驚きましたが……そうですか、なるほど」
アランを怒らせた事を不安に思う俺とは対照的にハーラントさんは何やら楽しそうだ。
「陸也様、冒険者登録を済ませて困ったことはありませんか?必要な物があれば揃えます」
「問題なく登録できました。依頼の受け方や採取方法なんかもアランが丁寧に教えてくれましたし、野営もアランが全て道具を用意していてくれたので快適に過ごせました」
「そうですか。アラン様と大変仲良くなられたみたいですね」
ハーラントさんにニコッと微笑まれて俺もニコッと微笑み返した。
……アランがいいって言うから呼び捨てしてたけど、周りからしたら不敬だ!!って睨まれたかな?養成学校内では身分は関係ないって言ってたけどハーラントさんとアランの間には確実に上下関係が存在してるよね。
笑って誤魔化したけれど内心は冷や汗がダラダラだった。
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