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021.悪意があったわけではない
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「それで……明日の米の炊き方の講義へは当然私も同行して良いんだよな?」
強がってはいたけれど、正直あの辺りの雰囲気は怖かった……ヒロインがいないと分かったならアランについてきて貰えると心強い。
「逆についてきてくれるのか?」
「当たり前だ。私は陸也のお目付け役だからな……常に側にある」
お目付け役ってそういう人だっけ?
手を握られて真剣な眼差しで真正面から見つめられると……ここはベッドの上なわけで、また変な反応をしてしまって揶揄われるのも癪だというものだ。
「ありがとう。じゃあ今日はもう寝よう……なんか疲れた。俺はどっちのベッド使ったら良い?こっち使って良い?おやすみ。アランもしっかり休めよ」
何かを答えさせる暇を与えず、一気におやすみまで持っていった。寝よう、とにかく寝るんだ。気まずい空気は寝て過ぎ去らせるに限る!!
「おやすみ、陸也」
ベッドから離れていく際、さらっと頬にキスしていくのやめてよね!!
王子の猛攻に俺の心臓はどこまで持つのか!?
ドキドキしたけれど、それ以上アランがふれてくる事はなく暗く静かな室内、徐々に重くなってくる瞼を手助けするように今日あった事を思い出しながら瞼を閉じた。
お爺さん、ドナードさんだったっけ?元気そうだったな。
異世界へ転生してきたヒロインはまず森の中でシェリーと出会い、仲良くなって異世界人の事情を説明して数日シェリーの家の農業を手伝いつつ畑を荒らすスライムを数匹倒すとシェリーの上手く乗せられて冒険者になるんだよな。
初冒険(チュートリアル)から街に戻るとたまたま(たまたま辿り着けるような場所じゃなかったけど)ドナードの酒場へ辿り着く。
酒場に入ると歩くもやっとといったドナードさんから自分の病気への嘆きと、あとは死を待つだけだと自嘲するドナードさんを励まして、昔のように活気のある酒場にしたいと言うドナードさんの願望を引き継いで酒場経営が始まるんだよな。経営のチュートリアルを完了させたら『レシピ解放』を覚えて、様々な食材を手にしてレシピを解放して酒場を盛り上げていく……。
とてもじゃないが死を待つだけだと自嘲する様な人にも病気になるような人にも見えなかった。
ヒロインの登場はまだまだ先のことなのだろうか?いや……勇者カイトと「俺も転生してきたばかりで」みたいな会話を交わしていたと思う。
もしかしたらシェリーの農場で過ごしているのかもしれない。
シェリーの家族は居心地良さそうだったもんな。あれぞスローライフ。俺もシェリーの家にご厄介になりたかった。
生シェリーも見てみたかった……な…………
ーーーーーー
朝食を済ませてゆっくり目な時間でドナード酒場を訪れた俺たちが目にしたのは、飛び散る汗を朝日に輝かせながら大きな剣で素振りをするムキムキのお爺さん。
思わずそのまま回れ右をしてしまうところだった。
「きたか、小僧!!お前さんのおかげで現役の時の様に体が軽いんだ!!お前らも冒険者だろ?米の炊き方と言わず冒険者時代の知恵でも何でも教えてやるよ!!」
ガハガハと笑う姿は魔法を撃ち込んだぐらいでは死にそうにないぐらい元気だ。
「ありがとうございます。困った事があったら知恵をお借りに寄らせてもらいますよ。とりあえず今日はお米の炊き方を教えてもらえますか?研いだりの工程はわかるんですけど分量や火加減がわからなくて……」
「ああ……なるほどな。しかし……お前さんたちの身なりを見るにそれなりの身分なんじゃねぇのか?いや、詮索はしねぇが、もし金があるんなら『炊飯器』を買った方が簡単なんじゃねぇか?」
「ええっ!?そんな物があるんですか?」
「米だけじゃなく煮込みにも使える魔道具なんだが、かなりの高級品だ。それを手にするまでの間の為にも炊き方はちゃんと教えてやるよ。汗を流してくるから厨房で待ってな」
アランはそんなの教えてくれなかった……王子で冒険者としても同じ初心者なアランが知らなくても無理ないか。
周囲に警戒ばかりしているアランを連れて厨房へ向かった。
「年季は入っているが、丁寧に手入れされているな」
置かれていた包丁を眺めながら感心している。確かに古めかしい店内だけれども汚れているわけではない。がさつそうな冒険者を相手にしていて清潔さを保つのは大変な事だろう。
「味も良かった。お米の炊き方覚えられたらアランにもたくさん食べさせてやるからな」
牛丼、カツ丼、寿司にカレー……日本の制作会社が作ったゲームだからヒロインが作るお食事メニューも和食など馴染み深い料理が用意されているからありがたい。
「楽しみだな。陸也の料理を食べる為なら地の果てであっても材料を集めに行くよ」
「その地の果てには俺も同行させられるんだよな」
俺には飯の為に懸ける命はない。その際はアランだけ『派遣』という形を取らせてもらおう。
「人の店の厨房でイチャイチャしてんじゃねぇよ」
「イチャイチャはしてないでしょうに……」
水浴びをしてきてさっぱりしたドナードにお叱りを受けつつ、早急にお料理教室を開始してもらうことにした。
くそっ!!どいつもこいつも俺がアラン大好きみたいな目でみやがって……。
意味を理解した後のハーラントさんの生暖かい笑顔は居心地悪かった。朝食を取ってる間中、俺とアランのやり取りを見ながらニッコニッコしてたもん。
指示された米櫃の中には白く丸っこいお米の粒がいっぱい。
昨日のトマトご飯も美味しかったけどやっぱり白米食べたいよな。
「お前らは普段から二人で行動してるのか?二人分となら米はこのカップ2杯分でいいだろう」
渡されたカップで米を救って用意してもらった片手鍋へ……2杯ってのは2合ということだろう。
「まずは研げばいいですか?」
ちゃんと水道があるので流しで米を研いで、30分ほど水につけておくらしい。
「30分かぁ……忙しいのに時間を割いてもらってるので何か仕込みとか手伝えることありますか?この人、刃物の扱いならプロ並みなんで何でも言ってください」
「はははっ!!なるほど、兄ちゃんはしっかり小僧の尻に敷かれているわけか。じゃあこの野菜の皮剥きをお願いしようか」
ドンと置かれた野菜の山に、飲食店の経営という大変さを目の当たりにした。ゲームではそういうとこは省かれていたからなぁ。これを毎日一人でこなしてたんだ。
「俺はじゃあ店内の掃除でもしてますね」
普段から掃除がされているみたいなので30分もあれば大丈夫だろ。
掃除道具の場所を聞いて、まずはテーブルや椅子を拭いていく。頑丈そうだからまだまだ使えそうだけど、こうしてみると結構ボロボロだな。床も傷や凹み、土足なので落としきれないのであろう汚れも気になる。
テーブルの染みと格闘しつつ厨房の様子を伺うと、予想外に和気藹々とした和やかな空気で作業してないか?
二人ともちゃんと神のようなスピードで皮を剥いたり刻んだりしているんだけど、楽しそうに笑い合っている。
自分で志願したけど、雑巾を持って一人でポツンとちょっと寂しくなってきたぞ。早く終わらせて俺も厨房へ……こういう時こそ魔法じゃね?『クリーン』で自分の服や体の汚れを綺麗にできるんだから、部屋を綺麗にできないなんて事は無いよな?うん、無いはず。
回復魔法は無闇に知らない人に見せるんじゃありませんと怒られたけどもうドナードさんには見せちゃったし許容範囲のはずだ。
この店内が綺麗になるようにイメージして……こういうのはイメージが大事だからな、多分。
「クリーンッ!!」
よしよしいい感じ……。
俺を中心に光の輪が広がっていき、店内の汚れを消していく……消しゴムで消していくみたいで気持ちいいけど、清々しいんだけど……。
「陸也!!お前はまた何をしているんだ!!」
二人が焦った顔で厨房から駆け寄ってくる。
「アラン……どうしよう。年季によるせっかくの味わい深い渋さが消えてしまった」
「そういう事じゃない!!」
額にゴッとアランの拳が……「もうおっちょこちょいだなぁ、こいつぅ~」頭をツンッ。なんて可愛いもんじゃない。割と本気で殴りやがったこいつ。額を抑えてうずくまる俺を、頭を抱えながらため息を吐く王子様が見下ろしてきている。
これ俺が勇者じゃなかったら死んでたんだからな!!
強がってはいたけれど、正直あの辺りの雰囲気は怖かった……ヒロインがいないと分かったならアランについてきて貰えると心強い。
「逆についてきてくれるのか?」
「当たり前だ。私は陸也のお目付け役だからな……常に側にある」
お目付け役ってそういう人だっけ?
手を握られて真剣な眼差しで真正面から見つめられると……ここはベッドの上なわけで、また変な反応をしてしまって揶揄われるのも癪だというものだ。
「ありがとう。じゃあ今日はもう寝よう……なんか疲れた。俺はどっちのベッド使ったら良い?こっち使って良い?おやすみ。アランもしっかり休めよ」
何かを答えさせる暇を与えず、一気におやすみまで持っていった。寝よう、とにかく寝るんだ。気まずい空気は寝て過ぎ去らせるに限る!!
「おやすみ、陸也」
ベッドから離れていく際、さらっと頬にキスしていくのやめてよね!!
王子の猛攻に俺の心臓はどこまで持つのか!?
ドキドキしたけれど、それ以上アランがふれてくる事はなく暗く静かな室内、徐々に重くなってくる瞼を手助けするように今日あった事を思い出しながら瞼を閉じた。
お爺さん、ドナードさんだったっけ?元気そうだったな。
異世界へ転生してきたヒロインはまず森の中でシェリーと出会い、仲良くなって異世界人の事情を説明して数日シェリーの家の農業を手伝いつつ畑を荒らすスライムを数匹倒すとシェリーの上手く乗せられて冒険者になるんだよな。
初冒険(チュートリアル)から街に戻るとたまたま(たまたま辿り着けるような場所じゃなかったけど)ドナードの酒場へ辿り着く。
酒場に入ると歩くもやっとといったドナードさんから自分の病気への嘆きと、あとは死を待つだけだと自嘲するドナードさんを励まして、昔のように活気のある酒場にしたいと言うドナードさんの願望を引き継いで酒場経営が始まるんだよな。経営のチュートリアルを完了させたら『レシピ解放』を覚えて、様々な食材を手にしてレシピを解放して酒場を盛り上げていく……。
とてもじゃないが死を待つだけだと自嘲する様な人にも病気になるような人にも見えなかった。
ヒロインの登場はまだまだ先のことなのだろうか?いや……勇者カイトと「俺も転生してきたばかりで」みたいな会話を交わしていたと思う。
もしかしたらシェリーの農場で過ごしているのかもしれない。
シェリーの家族は居心地良さそうだったもんな。あれぞスローライフ。俺もシェリーの家にご厄介になりたかった。
生シェリーも見てみたかった……な…………
ーーーーーー
朝食を済ませてゆっくり目な時間でドナード酒場を訪れた俺たちが目にしたのは、飛び散る汗を朝日に輝かせながら大きな剣で素振りをするムキムキのお爺さん。
思わずそのまま回れ右をしてしまうところだった。
「きたか、小僧!!お前さんのおかげで現役の時の様に体が軽いんだ!!お前らも冒険者だろ?米の炊き方と言わず冒険者時代の知恵でも何でも教えてやるよ!!」
ガハガハと笑う姿は魔法を撃ち込んだぐらいでは死にそうにないぐらい元気だ。
「ありがとうございます。困った事があったら知恵をお借りに寄らせてもらいますよ。とりあえず今日はお米の炊き方を教えてもらえますか?研いだりの工程はわかるんですけど分量や火加減がわからなくて……」
「ああ……なるほどな。しかし……お前さんたちの身なりを見るにそれなりの身分なんじゃねぇのか?いや、詮索はしねぇが、もし金があるんなら『炊飯器』を買った方が簡単なんじゃねぇか?」
「ええっ!?そんな物があるんですか?」
「米だけじゃなく煮込みにも使える魔道具なんだが、かなりの高級品だ。それを手にするまでの間の為にも炊き方はちゃんと教えてやるよ。汗を流してくるから厨房で待ってな」
アランはそんなの教えてくれなかった……王子で冒険者としても同じ初心者なアランが知らなくても無理ないか。
周囲に警戒ばかりしているアランを連れて厨房へ向かった。
「年季は入っているが、丁寧に手入れされているな」
置かれていた包丁を眺めながら感心している。確かに古めかしい店内だけれども汚れているわけではない。がさつそうな冒険者を相手にしていて清潔さを保つのは大変な事だろう。
「味も良かった。お米の炊き方覚えられたらアランにもたくさん食べさせてやるからな」
牛丼、カツ丼、寿司にカレー……日本の制作会社が作ったゲームだからヒロインが作るお食事メニューも和食など馴染み深い料理が用意されているからありがたい。
「楽しみだな。陸也の料理を食べる為なら地の果てであっても材料を集めに行くよ」
「その地の果てには俺も同行させられるんだよな」
俺には飯の為に懸ける命はない。その際はアランだけ『派遣』という形を取らせてもらおう。
「人の店の厨房でイチャイチャしてんじゃねぇよ」
「イチャイチャはしてないでしょうに……」
水浴びをしてきてさっぱりしたドナードにお叱りを受けつつ、早急にお料理教室を開始してもらうことにした。
くそっ!!どいつもこいつも俺がアラン大好きみたいな目でみやがって……。
意味を理解した後のハーラントさんの生暖かい笑顔は居心地悪かった。朝食を取ってる間中、俺とアランのやり取りを見ながらニッコニッコしてたもん。
指示された米櫃の中には白く丸っこいお米の粒がいっぱい。
昨日のトマトご飯も美味しかったけどやっぱり白米食べたいよな。
「お前らは普段から二人で行動してるのか?二人分となら米はこのカップ2杯分でいいだろう」
渡されたカップで米を救って用意してもらった片手鍋へ……2杯ってのは2合ということだろう。
「まずは研げばいいですか?」
ちゃんと水道があるので流しで米を研いで、30分ほど水につけておくらしい。
「30分かぁ……忙しいのに時間を割いてもらってるので何か仕込みとか手伝えることありますか?この人、刃物の扱いならプロ並みなんで何でも言ってください」
「はははっ!!なるほど、兄ちゃんはしっかり小僧の尻に敷かれているわけか。じゃあこの野菜の皮剥きをお願いしようか」
ドンと置かれた野菜の山に、飲食店の経営という大変さを目の当たりにした。ゲームではそういうとこは省かれていたからなぁ。これを毎日一人でこなしてたんだ。
「俺はじゃあ店内の掃除でもしてますね」
普段から掃除がされているみたいなので30分もあれば大丈夫だろ。
掃除道具の場所を聞いて、まずはテーブルや椅子を拭いていく。頑丈そうだからまだまだ使えそうだけど、こうしてみると結構ボロボロだな。床も傷や凹み、土足なので落としきれないのであろう汚れも気になる。
テーブルの染みと格闘しつつ厨房の様子を伺うと、予想外に和気藹々とした和やかな空気で作業してないか?
二人ともちゃんと神のようなスピードで皮を剥いたり刻んだりしているんだけど、楽しそうに笑い合っている。
自分で志願したけど、雑巾を持って一人でポツンとちょっと寂しくなってきたぞ。早く終わらせて俺も厨房へ……こういう時こそ魔法じゃね?『クリーン』で自分の服や体の汚れを綺麗にできるんだから、部屋を綺麗にできないなんて事は無いよな?うん、無いはず。
回復魔法は無闇に知らない人に見せるんじゃありませんと怒られたけどもうドナードさんには見せちゃったし許容範囲のはずだ。
この店内が綺麗になるようにイメージして……こういうのはイメージが大事だからな、多分。
「クリーンッ!!」
よしよしいい感じ……。
俺を中心に光の輪が広がっていき、店内の汚れを消していく……消しゴムで消していくみたいで気持ちいいけど、清々しいんだけど……。
「陸也!!お前はまた何をしているんだ!!」
二人が焦った顔で厨房から駆け寄ってくる。
「アラン……どうしよう。年季によるせっかくの味わい深い渋さが消えてしまった」
「そういう事じゃない!!」
額にゴッとアランの拳が……「もうおっちょこちょいだなぁ、こいつぅ~」頭をツンッ。なんて可愛いもんじゃない。割と本気で殴りやがったこいつ。額を抑えてうずくまる俺を、頭を抱えながらため息を吐く王子様が見下ろしてきている。
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