幼馴染に聖女として異世界に呼び出し喰らいました

藤雪たすく

文字の大きさ
14 / 15

第14話「甘いを通り越して……」

しおりを挟む
「ゆうちゃん、顔見せてよぉ」

「恥ずかしすぎて無理、死ぬ」

目が覚めて、明るい日の下で昨夜のようなテンションで愛を語り合うとか無理で、顔も合わせられないままベッドの中で二人で同じやりとりをかれこれ10回ほど繰り返しているところだ。

俺の記憶が飛んだ後に、テントを出してくれていたらしく周りの目を気にする事はないのだが、愛を確かめ合う様な甘い朝を迎える度胸は俺の中にまだ芽生えていなかった。

「昨夜みたいに『はるちゃんだぁいすきぃ』って可愛く甘えてほしい」

「はぁ!?甘えてねぇし!!可愛くねぇし!!」

勢いよく上半身を起こして抗議すると被っていた布団がはだけて、自分の上半身が露わになる……所狭しと残された赤い斑点、それが散々愛された証を突きつけてきている。蘇る情事の記憶は鮮やかで、布団の中に逃げ込もうとした体を捕まえられた。

「いいよね……ゆうちゃんの体……どこもかしこも俺が触れた証が残ってる」

両手を上から押さえつけられて、曝け出された体を上から下へ、満足そうに悠也は観察していく。
激しい行為に傷ついた箇所は回復してくれたのに、この内出血だけは治してくれなかった。自分の所有物にマーキングを施し誇る雄の顔。

「悠也、離して……」

拘束する手から逃げ出そうとしても、その手は全く動かない。当然だ。力が文字通り桁違いなのだから……。

「恥ずかしそうにしてるゆうちゃんも可愛い。恥ずかしがってる理由は?」

と言いながら悠也の手が、俺の……を握った。

昨夜のことを思い出して反応しただ。

「まだ足りなかった?ごめん……ちゃんとゆうちゃんが満足できるまで俺頑張るね。ずっとずっとずっとずっと、ゆうちゃんへ向けていた想いはあれぐらいじゃまだまだ足りないから……全部受け止めて、ゆうちゃん」

「いや!!もう十分!!離せ悠也!!はなっ……あ…………」

======

横で満足そうに眠る悠也の腕から抜け出そうと体をよじるとドロッとした液体がお尻の割れ目を伝ってくる……お尻に力が入らずに中に出されたものが溢れ出す。

朝目覚めると、体の傷も体力も回復魔法で治してくれていた賢者は何度目かの射精の後にそのまま眠ってしまった。

「どんだけ絶倫なんだよ……」

昨夜も一晩通して抱きつくされたというのに、目覚めてからもこれか。
絶倫というかチート級の勃起は何かしら魔法や薬を使っているのかもしれない……魔力が切れて眠ったか?そんな軽い気持ちで悠也のステータスを鑑定で覗いてみた。

「あ、魔力切れってわけじゃないのか、まだ5000以上ある……は?え?え?ええっ!?」

思わず二度見、三度見……六度見ぐらいしてしまったが間違いではない。悠也のステータスの最下部の項目に……
【乙女の祝福】+60レベル
【乙女の純潔】+4年

なんかいきなり寿命が4年延びてる!!
どういうカウント方法で貯まっていくのかわからないけど、ゲージが貯まったらと説明に書いてあったし『1回=1年』ではないだろう。途中から記憶は曖昧で、何回やられたのか正直記憶にない。だいたい、1回のカウントとはどこまでが1回なんだ?
俺がイクまで?悠也がイクまで?それは中でなのどうか……。

「俺は不老不死になるぐらい、悠生とやりたい」

ステータス画面に集中している間に目を覚ました悠也がじっと俺を見上げてきていた。心底嬉しそうに顔を綻ばせて微笑む悠也の表情に心臓が速まっていく。

「断る。こんなんずっと続けられたら精神壊れる」

「ゆうちゃんが可愛すぎるのがよくないと思う」

「俺は可愛くない」

体を動かすたびに悠也の出したモノが溢れ、自らの吐き出したモノは乾いて張り付いていて、パリパリと気持ち悪い。

不愉快が顔に出ていたのか、フワッと温かい風に包まれえた感覚と共に汚れが全て取り払われた。

「ありがと」

綺麗になった体に衣服を身につけベッドから立ち上がる。
初めてで激しすぎる無茶苦茶な行為の後だが、体の方も回復してくれたらしく辛さはない。

「ゆうちゃん、もっとイチャイチャしようよ」

「いい加減、腹へった。悠也も食べるだろ?」

収納から聖女様のレシピ本を取り出すと、悠也もベッドから飛び降りてくる。

「うん!!ゆうちゃんの作ってくれるご飯は好き!!」

全力でそんな事を言われるとただのお世辞とわかっていても嬉しくなってしまうじゃないか。

お城からいただいていたパンとミルクと砂糖と卵を取り出して調理台に並べていく。作る物はもう考えていた。

『フレンチトースト』

フレンチトースト自体はとても簡単。
難しかったのはバターと生クリームだった。
聖女様が細かく図解入りで魔法の使い方を書いてくれていたのだが、全く理解できずにいたところに横から見ていた悠也が「簡単、簡単」と言ってミルクからいとも容易く作ってくれたのだ。

その時のドヤ顔を思い出すとちょっとおかしくなる。

「悠也が作ってくれたバターと生クリームがせっかくあるんだしな。早速使わせてもらう」

悠也お手製のバターと生クリームも調理台の上に出すと、ちぎれんばかりに振られる尻尾の幻が悠也の背後に見えるほどだった。

卵とミルクと砂糖をかき混ぜてところに、切っておいたパンを浸して漬け込む間に生クリームを泡立て……てもらう。魔法便利!!

「やっぱりいいな……魔法。俺も自由に使えたらいいのに……」

魔法の練習にも手伝ってもらったのだが、まだまだ火の魔法はマッチの様な火を出すのがやっとだし、水の魔法はチロチロと蛇口の締め忘れ程度の水を出すのがやっとだ。しかも持続力はなし。

「乙女の誓いを受けた俺の全てがゆうちゃんの物なんだから、俺をゆうちゃんの手先の様に自由に使ってくれたらいいんだよ……俺とゆうちゃん、二人で一人の聖女みたいなもんでしょ?」

もんでしょ?と言われても俺は聖女になどなりたくはないんだがな。

バターを溶かした熱したフライパンへ、卵液によく浸かったパンを並べて焼いていく、甘い香りが鼻をくすぐっていく……。

「今さらだけど匂いって大丈夫なのかな?匂いに釣られて魔物とか来ないか?」

「結界張ってあるから大丈夫、ゆうちゃんとの楽しい食事を邪魔されたくないもん」

「そっかぁ~結界かぁ~」

昨日次から次へと魔物に襲われたのは結界を解いて空れてたんだな。俺がレベル上げたいと言ったからだね。
変な方向に素直過ぎて困る。

今は結界を張ってくれているそうなので気にせず甘い香りを周囲に漂わせながらパンを焼いていくことに集中した。

焼き上がったフレンチトーストに生クリームをたっぷり添えて、聖女様からのミニアドバイス。メープルシロップやナッツを砕いた物をかけてもOK!とのことなので、収納の中にあったナッツを砕いてふりかけた。

「おお!!なんかお店で出てくるのと遜色ない出来じゃないか?」

お皿の上のほかほかのフレンチトーストのなかなかの出来栄えに自画自賛。

「本当……すぐにでも食べちゃいたいぐらい可愛い」

明らかに視線がフレンチトーストからずれてる悠也からの感想は聞き流し、悠也がセットしておいてくれたテーブルへ並べた。

黄色く輝くフレンチトーストにナイフを入れると、しっかり中まで染みている。生クリームのたっぷり添えて……

「んん、甘さもちょうどいいし、あの硬いパンもこうして食べると食べやすいな」

「うん、噛み締めるごとにゆうちゃんが作ってくれている姿が脳裏に浮かんで最高だよ」

「ベーコンやチーズの甘くないフレンチトーストとか応用レシピも書いていてくれてるから色々試してみるのもいいな」

味に関しての感想をもらいたかったのだが、これがこいつの平常運転だと自分に言い聞かせてスルーした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由

スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。 これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。 無自覚両片想いの勇者×親友。 読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。

処理中です...