好きになってしまいました

藤雪たすく

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俺の話

逃亡計画

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「……都居くん」

ソファーで眠る都居くんの髪を撫でると、薄く目が開き、俺を視界に捕らえると嬉しそうに微笑んだ。

「山川……大好き……」

形の良い唇に唇を重ねて舌を絡める。

都居くんのシャツのボタンを開けて手を差し入れて、胸を指の腹で撫でると都居くんの体がビクリと震える。

「都居くん……敏感なんだね……可愛い」

舌で乳首を舐めて……舌先で刺激すると色気のある吐息が漏れ始めた。

手をズボンの中へ滑らせると……都居くんのモノも硬く勃ちきっている。

ズボンを脱がせて、手で刺激をしてやると気持ち良さそうに都居くんはのけ反り、白い喉をさらす。

「都居くん……挿れて良い?」

「……山川の……欲しい」

都居くんの足を持ち上げて……。
ん……?

挿れる……?
挿れるって何処に?どうやって?

ーーーーーー

目を覚ますとまだ辺りは暗かった。

……何て大それた夢を。

都居くんの事が好きだと自覚してから、バイトの休憩中。

好奇心に駆られ、返品用に積まれてたBLコミックを覗いてしまったのが間違いだったよ……可愛い表紙に騙された。

担当も違うし、あまり中を覗いた事は無かったけど、あんなに過激なモノとは思わなかった。

あれは成人コーナーに移動しなくて良いのだろうか……?

スマホで時間を確認するとまだ1時だ。

水でも飲もうと起き上がるとリビングから仄かに明かりが漏れている。

都居くん……まだ起きてるのかな?

扉を少しだけ開いて覗いて見ると、いつになく真剣な眼差しで鍋に向かい、メモを睨んで考え込んでいる。

そっと扉を閉めた。

こんな時間まで料理の勉強。

俺は……何をしているんだろう。

夢を諦めきれないと、何か必死になっているだろうか?ただぼんやりと機会が来るのを待っていただけ。親に、都居くんに甘えて何もしてない。

こんな俺が……都居くんの側でこんな邪な気持ちを抱いて、居座っていて良いのだろうか?

ーーーーーー

給料日、都居くんに支払うお金を抜いて、残りのなけなしのお金でスーツを買って帰った。

「都居くん、これ……今月の家賃……光熱費とか食費とか1ヶ月分の金額教えて貰っても良い?」

「何で?そこは良いって言ったじゃん」

……駄目だよ。
甘えてばっかりの、こんな情けない自分じゃ、都居くんの前に立つのも辛い。

「……わかった。それで山川が納得するなら……計算しておく」

都居くんは諦めた様に言って食器を持って席を立った。

「山川、明日休みでしょう?俺もバイト無いし、学校が終ったら出掛けようよ。なんか最近元気無いし気分転換しよう?」

「あ……ごめん。面接が入ってる……」

「面接?何の?」

「……バイトを増やそうと思って……木曜日と金曜日は空いてるし、夜も増やして……」

ダンッと大きな音を立ててコーヒーを置かれる。

え!?何で怒ってんの!?
迫力のある瞳で睨まれる。

「あの……都居くん?」

「……居心地悪い?そんなに俺が嫌?」

「何で……?そんなこと無いよ……?」

イケメン、怒ると恐い。ビクビクと肩を竦める。

「最近、すぐに部屋に籠るし、俺の事避けてんじゃん。何がそんなに嫌なわけ?」

こんなに恐い都居くんは初めてで……視界が揺らぐ。

「求人とか……賃貸探してて……っ!?」

都居くんにいきなり担ぎ上げられて、部屋のベッドに投げられた。

「俺から逃げようとしてんの?何が足りない?悪いとこがあるなら直してやるから言えよ!」

上に都居くんが乗っかってくる。

悪いとこ……悪いとこ……そうだよ……。

「都居くんが悪い……あんな……優しくされて……あんなキスされて……勘違いするなって方がおかしいんじゃ!!あんなんされたら好きなるじゃろう!?都居くんとエッチな想像ばっかしよって一緒になんか暮らせんのじゃ!!」

胸に抱えていた物を吐き出すと、涙も出てきた。

こんな気持ち悪い奴。
もう見たくないだろ……出ていかせてよ。

「……山川……本気……で?」

「本気じゃなかったらこんな事、言えんわ……ごめん、すぐ出ていくか……ぐえっ!!」

ギュッと背骨が折れるほど抱き締められた。

「山川!!好き!!大好き!!やっと俺になついてくれた!!」

な……なつくって何!?動物かよ!!
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