拾われた子犬は無償の愛に戸惑う

reina

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~プロローグ1~

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はぁ・・・。


目の前に広がる惨状に、ため息しか出ない。
そこには、自分のモノであったはずのノートや筆記用具がぐちゃぐちゃに荒らされ、次いでとばかりに教室のごみ箱がひっくり返されていた。

これって、私が片付けなきゃだめかな。
だめなんだろうな・・・。

すでに誰もいなくなった教室で、掃除用具入れから道具を取り出した。

ぐちゃぐちゃにされて、ほとんどのページがもぎ取られたノートは昨日買ったばかりだというのに。
筆記用具だって、先週なくなってから必要なものを買い足したばかりだった。

よく見れば使えるものもあるかもしれないが、使う気にもなれずにすべてゴミ箱に捨ててしまう。


はぁ・・・・。


大雑把に散らかるものを捨てて、掃除用具を片付ける。
あとは早朝に入る掃除業者が片付けるだろう。


教室に備え付けのロッカーから鞄を取り出す。
ロッカーだけは頑丈でしかも鍵付きなので鞄に被害はなかった。
こじ開けようとした跡がないとは言わない。



はぁ・・・・。



校舎から出るともう外は真っ暗。
夜空を見上げながらもう一度ため息をつくと、そのまま帰路についた。













「ただいま」

自宅に帰ってつぶやいても、帰ってくるのは暗闇と沈黙だけ。
電気もつけずにリビングへ進むと、外の街灯の薄明かりの中、テーブルにおいてある紙幣に気づく。

「帰ってきてたんだ・・・」

そこに無造作においてある数枚の紙幣。
金額からいって、次に帰ってくるのは一月後というところか。

鞄をソファに投げると、ないだろうなと思いつつ冷蔵庫の中身を確認するが朝と同じ。
無言で閉めると、机の上の紙幣をぐしゃりとつかんで鞄を持って部屋に戻った。






部屋に戻って初めて電気をつけると、久しぶりに見る光源に目を瞬かせるのもつかの間、つかんでいた紙幣を放り出し部屋着に着替えてベッドへダイブ。


ため息すらも面倒になり、そのまま目を閉じた。
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