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第3話 ガールミーツガールかは疑わしい
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プールでの出来事の後、2人で話す機会が多くなった。
「私達って元々の質量は変わらないわけじゃん。家ネコの重さって、大体4キロ前後らしいんだけど、私は其よりちょっと重いから恥ずかしいんだよね…。」
体重が重くて恥ずかしいとは、思春期の女の子みたいで、猫はやっぱり可愛いものなのだと思った。
お昼休み─
私はいつもの様に人気の少ない校舎裏の倉庫前の階段で一人でご飯をとっていた。
「お昼は飲みものだけ?そんなんだから、痩せすぎのガリガリなんだよ。」
ミトさんが今日も私に声を掛ける。
「…そう?このお茶、栄養たっぷりでお気に入り。これでも私、食事にはこだわりある。」
これでも、健康体なんだと主張する。
「…君を見ても美味しそうだと思わないんだけどなぁ。」
そう言われて首を傾げてしまう。
「…ミトさん、私を食べようとしてる?」
「思うのとするのは別!…それより、じっと見つめてくるのはやめてくれよ。」
ごめん。と目線を前にそらす。
暫く沈黙が続いた後、ミトさんが口を開いた。
「……私は君と仲良くしたいと思ってる。」
「私、美味しそうじゃないのに?」
「だからこそなんだ!」
ガシッと肩を捕まれた。
「君と居ると冷静でいられるというかさ─。」
その時、少し離れたところでザッと砂と靴が擦れた音がした。そこへミトさんが俊敏な動きで向かったのは一瞬の出来ごとだった。
「ごめんなさい、ごめんなさいー!!」
セーラー服の襟と艶やかな黒髪のポニーテールをミトさんに捕まれて現れたのは、同じクラスの林さんだった。林さんは擬人化していない"人"だ。
「いやぁ、お二人がただならぬ関係だったことは秘密にしますよ。」
冷静になった林さんは、眼鏡をくいっと持ち上げる。
「ちげーから。」
ミトさんはぶっきらぼうに言った。
「人気のない場所。最近お二人だけで居られることが多いですし、先ほどミトさんがあなたの肩を掴んだところで確信しました。ええ、確信しましたとも!」
何を確信したのか良くわからなかった。
「なんだか、首根っこを噛みたくなってくる様な奴だな…。」
ミトさんが、疲れた様に言う。
林さんは続ける、
「だけど、私嫉妬しました。肩ガシッのところで、動揺して物音を出してしまったのは不覚です!ミトさん、あなたに嫉妬しました!イチャコライチャコラと!私もずっと前から妖精さんと仲良くしたかったのに!」
ミトさんの反応はいうと…ちょっと瞳孔が狭くなっている気がする。
「妖精さん?」
「あなたにふさわしいあだ名だとおもいませんか?透明感あって、ミステリアスで!是非"妖精さん"と呼ばせて頂いても?」
「……別に、いいけど─」
暫く呆れた様子で林さんの話を聞いていたミトさんは、何かを確信したかの様に口を開いた。
「…ちょっとまて林、お前コイツのことずっと付け回してりしてないだろうな?」
ジトッとした目で林さんを睨む。
「いえいえいえ!授業中は後ろ姿を眺めていたり、持ち物をチェックしたり─あっ!まだ拝借したまま…いえ、純粋に妖精さんのすべてが知りたいというか、目が離せないというか、主にお昼の時間はここに居るっているのを知っているというか、気づいたら後をつけてるっていうか─」
…語るに落ちた。
「この際、コイツのストーカーということは置いておこう…。」
「ストーカーだなんて!ただ純粋に近くで見守っていたいだけです!」
「だ、ま、れ…。」
ミトさんが凄い威圧感を出している。
「問題はだ…私達の話をどこまで盗み聞きしてた?」
「どこまで、とは?!」
「確かに…私達、擬人化してるから、あんまり聞かれたくない話もしてたかも…。」
すると、林さんは大きく目を見開いた。
「妖精さんは…擬人化の方だったのですか?」
私も語るに落ちてしまったのだった─。
「私達って元々の質量は変わらないわけじゃん。家ネコの重さって、大体4キロ前後らしいんだけど、私は其よりちょっと重いから恥ずかしいんだよね…。」
体重が重くて恥ずかしいとは、思春期の女の子みたいで、猫はやっぱり可愛いものなのだと思った。
お昼休み─
私はいつもの様に人気の少ない校舎裏の倉庫前の階段で一人でご飯をとっていた。
「お昼は飲みものだけ?そんなんだから、痩せすぎのガリガリなんだよ。」
ミトさんが今日も私に声を掛ける。
「…そう?このお茶、栄養たっぷりでお気に入り。これでも私、食事にはこだわりある。」
これでも、健康体なんだと主張する。
「…君を見ても美味しそうだと思わないんだけどなぁ。」
そう言われて首を傾げてしまう。
「…ミトさん、私を食べようとしてる?」
「思うのとするのは別!…それより、じっと見つめてくるのはやめてくれよ。」
ごめん。と目線を前にそらす。
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「私、美味しそうじゃないのに?」
「だからこそなんだ!」
ガシッと肩を捕まれた。
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その時、少し離れたところでザッと砂と靴が擦れた音がした。そこへミトさんが俊敏な動きで向かったのは一瞬の出来ごとだった。
「ごめんなさい、ごめんなさいー!!」
セーラー服の襟と艶やかな黒髪のポニーテールをミトさんに捕まれて現れたのは、同じクラスの林さんだった。林さんは擬人化していない"人"だ。
「いやぁ、お二人がただならぬ関係だったことは秘密にしますよ。」
冷静になった林さんは、眼鏡をくいっと持ち上げる。
「ちげーから。」
ミトさんはぶっきらぼうに言った。
「人気のない場所。最近お二人だけで居られることが多いですし、先ほどミトさんがあなたの肩を掴んだところで確信しました。ええ、確信しましたとも!」
何を確信したのか良くわからなかった。
「なんだか、首根っこを噛みたくなってくる様な奴だな…。」
ミトさんが、疲れた様に言う。
林さんは続ける、
「だけど、私嫉妬しました。肩ガシッのところで、動揺して物音を出してしまったのは不覚です!ミトさん、あなたに嫉妬しました!イチャコライチャコラと!私もずっと前から妖精さんと仲良くしたかったのに!」
ミトさんの反応はいうと…ちょっと瞳孔が狭くなっている気がする。
「妖精さん?」
「あなたにふさわしいあだ名だとおもいませんか?透明感あって、ミステリアスで!是非"妖精さん"と呼ばせて頂いても?」
「……別に、いいけど─」
暫く呆れた様子で林さんの話を聞いていたミトさんは、何かを確信したかの様に口を開いた。
「…ちょっとまて林、お前コイツのことずっと付け回してりしてないだろうな?」
ジトッとした目で林さんを睨む。
「いえいえいえ!授業中は後ろ姿を眺めていたり、持ち物をチェックしたり─あっ!まだ拝借したまま…いえ、純粋に妖精さんのすべてが知りたいというか、目が離せないというか、主にお昼の時間はここに居るっているのを知っているというか、気づいたら後をつけてるっていうか─」
…語るに落ちた。
「この際、コイツのストーカーということは置いておこう…。」
「ストーカーだなんて!ただ純粋に近くで見守っていたいだけです!」
「だ、ま、れ…。」
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「どこまで、とは?!」
「確かに…私達、擬人化してるから、あんまり聞かれたくない話もしてたかも…。」
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「妖精さんは…擬人化の方だったのですか?」
私も語るに落ちてしまったのだった─。
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