25 / 139
19.
しおりを挟む
紹介して貰った宿は定食屋兼宿だった。
「こんにちは、お部屋空いていますか」
ランチの時間が終わり、夕食の下準備をしていた。
「ああ、205号室が空いてるよ。朝食なしで1泊2000ルーだ。朝食有りは2500ルーだよ」
恰幅のいいおばさんが奥から現れた。
「えっと、あ、有りでお願いします」
「あいよ。先払いだよ。ここにヴァイを置いて」
おばさんがリアに商人ギルドでも見た小さな木箱を指さす。木箱の上にヴァイを乗せればいいようだ。初めてヴァイでの支払いをしたリアはちょっと感動した。
「わぁ、どんな構造になってるのかな。こんな一瞬で支払いができるなんて」
「アッハッハッハ、あんた、モグリベルから来た人だね。モグリベルから来た人らは毎回これに驚くんだよ」
「そうです。本当にすごい」
「アッハッハ、素直だね。まあ楽しんでいきなよ」
日本でも似たようなシステムはあったが1枚のカードですべて対応しているのは本当に便利だ。王国ならではかもしれない。アリアナはシシリアキングスが大きくなったのがわかる気がした。
モグリベルはまだ考え方が古いし対応が遅い、しかも王子の一声で無罪の人を魔の森に追放してしまう国なのだ。
翌日、定食屋の部分で朝ごはんを食べ、その日また宿泊のお願いし宿を出た。日常品や今後の仕事など確保しなければならない。
街を歩いていると今までモグリベルで何をしていたのかと思うほど世間知らずのお嬢様だったことが知れる。シシリアキングスのこの街はシシリーという。シシリーの街は少しモグリベルの文化と似ていたが便利さ機能面などすべてにおいてシシリーが勝っていた。
街には八百屋、肉屋に食堂、古着屋、修理屋など多種多様な職業の店が並んでいる。枝分かれの道に行くと今度は、ポーション屋、素材屋、魔術具や魔法陣、魔法円が売っている魔術屋や魔石屋、武器屋などもあった。ここ一体は魔法街として賑わっていた。まさにゲームの世界や本で読んでいた魔法の世界のようだった。
せっかくこんな世界に生れてきたのに自分の豊かな生活を守る為になにも見て来なかった事を悔やんだ。
素材屋に入ると色々な魔獣の素材が所狭しと並んでいた。シルバーウルフの毛皮や牙、クマの魔獣の毛皮、右手、牙、幸せの鳥の黄色い羽根、命の花と言われている花の種、なんの素材にするのだと言わんばかりの物もあった。
「ここでは素材を売る事も出来るのですか?」
ローウルフの素材が売れるかもしれないと店のおやじに聞いてみた。
「は?そんな事したらお役人たちが飛んでくるよ。俺たち商人はほしい素材はセリの市場で正当な金額で手に入れてそれから売るんだよ。売る値段は自由になるがね。そんな事常識だろう。あんたどこのお嬢様だい」
なにやら商人のルールが有り、それを破るとお役人さんが取り締まりに来て罰金刑や処罰などがあるらしい。
そういう事をしたいのなら商人か冒険者に登録するんだね、と言われた。
そういえば、昨日はヴァイを作っただけで商人ギルドにも冒険者ギルドにも登録はしていない。
冒険者は依頼を遂行しその報酬で金銭を得る事が出来る、または需要があればそのまま素材を売る頃が出来るのだそうだ。商人は生産側から得た物を商人ギルドを通して売買するとの事だ。職人の場合はまた職人ギルドなるものが存在してまたルールがあるようだ。
なんだか色々な規制がある。アリアナは素材を売りたいのだから商人ギルドか冒険者ギルドに登録すればいいのだろう。自分で手に入れた素材をそのまま売る事が出来る冒険者ギルド、手に入れた素材を商人ギルドに通して売る商人ギルド、どちらがいいか判断が付かないでいる。こんな場合は誰に相談すればいいのだろうか。
「こんにちは、お部屋空いていますか」
ランチの時間が終わり、夕食の下準備をしていた。
「ああ、205号室が空いてるよ。朝食なしで1泊2000ルーだ。朝食有りは2500ルーだよ」
恰幅のいいおばさんが奥から現れた。
「えっと、あ、有りでお願いします」
「あいよ。先払いだよ。ここにヴァイを置いて」
おばさんがリアに商人ギルドでも見た小さな木箱を指さす。木箱の上にヴァイを乗せればいいようだ。初めてヴァイでの支払いをしたリアはちょっと感動した。
「わぁ、どんな構造になってるのかな。こんな一瞬で支払いができるなんて」
「アッハッハッハ、あんた、モグリベルから来た人だね。モグリベルから来た人らは毎回これに驚くんだよ」
「そうです。本当にすごい」
「アッハッハ、素直だね。まあ楽しんでいきなよ」
日本でも似たようなシステムはあったが1枚のカードですべて対応しているのは本当に便利だ。王国ならではかもしれない。アリアナはシシリアキングスが大きくなったのがわかる気がした。
モグリベルはまだ考え方が古いし対応が遅い、しかも王子の一声で無罪の人を魔の森に追放してしまう国なのだ。
翌日、定食屋の部分で朝ごはんを食べ、その日また宿泊のお願いし宿を出た。日常品や今後の仕事など確保しなければならない。
街を歩いていると今までモグリベルで何をしていたのかと思うほど世間知らずのお嬢様だったことが知れる。シシリアキングスのこの街はシシリーという。シシリーの街は少しモグリベルの文化と似ていたが便利さ機能面などすべてにおいてシシリーが勝っていた。
街には八百屋、肉屋に食堂、古着屋、修理屋など多種多様な職業の店が並んでいる。枝分かれの道に行くと今度は、ポーション屋、素材屋、魔術具や魔法陣、魔法円が売っている魔術屋や魔石屋、武器屋などもあった。ここ一体は魔法街として賑わっていた。まさにゲームの世界や本で読んでいた魔法の世界のようだった。
せっかくこんな世界に生れてきたのに自分の豊かな生活を守る為になにも見て来なかった事を悔やんだ。
素材屋に入ると色々な魔獣の素材が所狭しと並んでいた。シルバーウルフの毛皮や牙、クマの魔獣の毛皮、右手、牙、幸せの鳥の黄色い羽根、命の花と言われている花の種、なんの素材にするのだと言わんばかりの物もあった。
「ここでは素材を売る事も出来るのですか?」
ローウルフの素材が売れるかもしれないと店のおやじに聞いてみた。
「は?そんな事したらお役人たちが飛んでくるよ。俺たち商人はほしい素材はセリの市場で正当な金額で手に入れてそれから売るんだよ。売る値段は自由になるがね。そんな事常識だろう。あんたどこのお嬢様だい」
なにやら商人のルールが有り、それを破るとお役人さんが取り締まりに来て罰金刑や処罰などがあるらしい。
そういう事をしたいのなら商人か冒険者に登録するんだね、と言われた。
そういえば、昨日はヴァイを作っただけで商人ギルドにも冒険者ギルドにも登録はしていない。
冒険者は依頼を遂行しその報酬で金銭を得る事が出来る、または需要があればそのまま素材を売る頃が出来るのだそうだ。商人は生産側から得た物を商人ギルドを通して売買するとの事だ。職人の場合はまた職人ギルドなるものが存在してまたルールがあるようだ。
なんだか色々な規制がある。アリアナは素材を売りたいのだから商人ギルドか冒険者ギルドに登録すればいいのだろう。自分で手に入れた素材をそのまま売る事が出来る冒険者ギルド、手に入れた素材を商人ギルドに通して売る商人ギルド、どちらがいいか判断が付かないでいる。こんな場合は誰に相談すればいいのだろうか。
65
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
平民に転落した元令嬢、拾ってくれた騎士がまさかの王族でした
タマ マコト
ファンタジー
没落した公爵令嬢アメリアは、婚約者の裏切りによって家も名も失い、雨の夜に倒れたところを一人の騎士カイルに救われる。
身分を隠し「ミリア」と名乗る彼女は、静かな村で小さな幸せを見つけ、少しずつ心を取り戻していく。
だが、優しくも謎めいたカイルには、王族にしか持ちえない気品と秘密があり――
それが、二人の運命を大きく動かす始まりとなるのであった。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
【完結】婚約破棄はいいのですが、平凡(?)な私を巻き込まないでください!
白キツネ
恋愛
実力主義であるクリスティア王国で、学園の卒業パーティーに中、突然第一王子である、アレン・クリスティアから婚約破棄を言い渡される。
婚約者ではないのに、です。
それに、いじめた記憶も一切ありません。
私にはちゃんと婚約者がいるんです。巻き込まないでください。
第一王子に何故か振られた女が、本来の婚約者と幸せになるお話。
カクヨムにも掲載しております。
【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。
まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。
泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。
それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ!
【手直しての再掲載です】
いつも通り、ふんわり設定です。
いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*)
Copyright©︎2022-まるねこ
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる