異世界転生したら、なんか詰んでた 精霊に愛されて幸せをつかみます!

もきち

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閑話

その7 公爵様の憂鬱

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 果たしてこれはどうしたものか…

 置き土産としてリリスは大量の宝を残していった。

「セリア、久しぶりにふたりで会いたいの…」
 などどメールが来るから、焦ってしまった。

「リリス、結婚したばかりじゃないか…」
 と、色々な妄想をしてしまった。もちろん友人としてリリスと会うことにしたのだが、俺はリリスに会った瞬間にいやな予感がした。リリスは俺の顔を見てにっこりと笑うと、大量の財宝を時空収納から取り出した。

 そうだな…二人っきりじゃないと出せないな。

 いやな予感は的中した。

「旅の資金が足りないから売りたいのだけど…よその国で売るのはダメだってバルが言うからセリアに相談しようと思って」

 脅すのだな…王族を脅すなんてリリスは破天荒過ぎる。

 確かに、これは我が国の財宝だ。初代からの金貨や王冠に王妃のネックレス…みな肖像画に描かれているものばかりだ。歴史を経て紛失したのだろうと考えられていたものが現物としてキレイな状態のまま残っている。これは歴史価値からいっても値段は付けられないものばかりだ。それをリリスは旅の資金が足りないからなどと…

 価値が分かってないのか、バル殿に同情する…。

 値段を付けられる品物じゃないと言っても金がいるの一点張り…買ってくれないのならバラバラに解体して他所で売るしかない、と。だから王族を脅すんじゃない!

 初代の金貨は一枚でも、コレクターに売れば50万ベニーにもなる品物だ。そんなものを固いテーブルの上にジャラジャラと…


 リリスが魔力の多い子だというのは分かっていた。俺と同じくらいだろうと思っていたがケタがまるで違ったようだ。どおりで父上が執着するはずだ。最初は俺の妻にと行っていたのに最終的には、自分が結婚するのだと言い出した時には父上はよほどお疲れなのだと思った。だがまさかリリスが「救世主」だとは思わなかった。

 レイジュの泉に行けるのは「救世主」だけだ。

 そして財宝を細かく調べてわかった事は、財宝の周りに良質のエリクサーが付着していること。エリクサーが付着しているという事は紛れもなくレイジュの泉から発見されたものだろう。

 リリスはこれを平気な顔で持っていたのか…

 そしてリリスからは買い取ってくれたお礼にと、天然のエリクサーが大量に入っている、これまた伝説級のマジックボックスをくれた。リリスによれば、そのまま飲むことより高級ポーションに1滴か2敵を混ぜて使った方が良いと言われた。
「なくなったら知らせて、また入れてあげる。マジックボックスの使い方はわかるよね?」
 そしてリリスはセリアの両手を取り、濃い紫の瞳でじっとセリアを見つめた。
「住民には安値で治療してやって、セリアを信じているよ」

 リリスにそんなことを言われたら、高額には出来ない。

 リリスの言う通りに高級ポーションに1滴のエリクサーを混ぜ、試しに以前魔獣の毒牙を受け動かなくなった騎士の腕にそのポーションを与えた。次の日、毒牙にやられまったく動かなくなった石のような腕が、固い衣がはがれたかのように柔らかく血が通っているのがわかる。「腕が動くぞ!」騎士は泣いて喜んだ。

 リリス、財宝よりこちらの方が宝だぞ…
支払った金は、マジックボックスの代金でも安い方だ。これでは王家の財宝はおまけではないか…

 大量にあるレイジュの泉のエリクサーは住民に安く提供することにしよう。無くなったらまたリリスがくれる言っていたしな、約束を破る方がこわい。こうなったらジャンジャン使ってやるさ。でも他国には高値で売らせてもらう。元は取らないとな。

 セリアはマジックボックス小にレイジュの泉の水を入れ、高額で取引をした。

 これくらいは許してくれリリス。その代わり貧しい国にはそんなことはしない。お金持ちの国だけだ。

 財宝は結局のところ返納してくれたに過ぎない。レイジュの泉のエリクサーが大量に入っているマジックボックス大をお礼だと無料でくれたのだから。無料で渡すようなものではないのだ。財宝の支払いだと言う事にしただけだ。


 エリクサーは飛ぶように売れ我が国は潤った。リリスに支払った金額を超えることにもなった。

 そのお金はなるべく住民に還元できるようにしよう。もちろん頑張った貴族たちも還元する。じゃないと不満が出来からね。


 これでいいだろう、リリス
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