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もふって新人生!
◆もふって調査!
しおりを挟む「…なるほど……とりあえずは、様子見するしかないなぁ」
ついさっきの事を二人に話し終え三人で腕を組んで「うーむ…」と唸る。
「一週間の間に、調査が終わればいいんだよね?」
「うん……でも、どうやって…?」
「国立魔法図書館に行くんだよ!」
千明の案に二人は「なるほど……」と納得したようだった。
■
残り一週間の短いタイムリミットの中で事をこなさなければいけない為、早速国立魔法図書館を訪れた。
「さて、まずは、探索系魔法の本からかな?」
「そうだね!」
まず、三人は手分けして使えそうな探索系魔法の載っている本を探す。それぞれ見つかったようで次々に本を読み漁っていく。
「どう?二人共使えそうな魔法はあった?」
「幾つか……」
「俺も二、三個しか……」
「十分だよ。どこのページ?」
「えっと……まずはここかな!」
三人が見つけた探索系魔法はこの七つだった。
・監視魔法
・追尾魔法
・透視魔法
・解錠魔法
・千里眼魔法
・痕跡削除魔法
・気配削除魔法
「ふむ……よし、これくらいあれば、十分だな。しかも目的の魔法まであったから魔法探しはもう終わりかな」
「え?これだけ?」
「うん、後は僕がなんとかするよ」
少し俯き気味になっている舞の表情は心無しか怒っているように見えた。
二人は舞の醸しだす雰囲気を感じ取って席を立つ。
「じゃあ、俺らは先に宿に戻ってるな」
「うん。夜には帰るよ」
「頑張ってね!お姉ちゃん!」
二人と別れた舞はそのページを眺める。
【・魔法合成
二つ以上の魔法を合成させて造られる魔法。五代元素である地水火風空の属性魔法を合成すると、威力が跳ね上がる。また、同属性の階級の異なる魔法の合成、若しくは同属性の名前の異なる魔法の合成の場合、新しい魔法が出来上がることがある。】
「…これしか、ないか」
舞はある程度この世界についての知識を手に入れていた。もちろん、魔法合成も名だけは知っていた。その危険度も。
「まぁ、転生者だし、失敗しないだろ」
などとフラグを建ててから魔法の開発を始める。
「よし、まずはこの魔法の習得からだな…」
そう言って本に手を置く。魔法に大切なのはイメージ、すなわち想像力である。初めに習得しようと試みた魔法は監視だった。
目を閉じて息を吐き、手のひらの上に魔力を集中させる。
監視とは、見ることである。だったら想像するのは、第三者からの視点。詰まるところ、監視カメラだ。
「お、よしよし。これは成功、と」
これでノリに乗ったのか、覚える魔法をどんどん一発で修得して、終いには全て一発で覚えてしまったので、予定より遥かに時間が余った。
「どうしよう、思ったよりも時間余ったぞ……うーん……魔法合成しちゃうか……」
その時間を利用して魔法合成を始める舞。まず手始めに監視魔法と追尾魔法を合成する。
先程の本には簡単にしか書いてなかったが、実際にやってみると全く上手く行かない。
「魔法式の組み換えをしなきゃいけなのか……そこから学び直しかぁ……」
この世界では魔法毎に魔法式がある。初級の物に関してはほぼ無いと言って等しいほど初歩的な魔法式なので、組み替える必要が無く楽に魔法合成ができる。
だが、探索魔法の空属性の監視魔法と追尾魔法はどちらも上級魔法で、その魔法単体でもとても複雑な魔法式が書かれている。
「でも、こんなとこで躓いてられないよね……!!」
静かな闘志を燃やす舞は、急いで魔法式についての本を掻き集めて勉学に励み始めた。
数時間が経ち、辺りも暗くなってきたのでそろそろ今日は辞めとくか、と本を本棚に仕舞い始める。
「…最後にもっかいやってみよっと……」
暗くなった図書館の中で舞の掌だけが仄かな光を放っている。するとそこから魔法式に使われるルーン文字が現れた。
舞は器用にそれを一文字一文字組み合わせていく。
その作業が終わった瞬間、掌の上の光が弾けた。これが、魔法合成の成功時のアクションだ。つまり、これによって新魔法追尾監視魔法の完成である。
「……ふぅ、やっと成功した。だったら、今日中に終わらせちゃおうか……」
無駄に早めの行動を取ろうとする舞は作ったばかりの追尾監視魔法と気配削除魔法を合成させ始めた。
しかし、何度、合成を試みても一向に成功する気配がない。
「…イメージ………気配がない…ん?あれ?これ来たんじゃない?」
いきなりぶつぶつと呟き何かわからない疑問も自己完結する。
「…………………………………………!!よし!できたっ!」
またもや、掌の光が弾け飛んだ。成功して出来た魔法は無機追尾監視魔法だったが、舞はある疑問を抱いていた。
「まさかだけど、僕、革新的な事思いついちゃったんじゃないかな………」
舞は実際に恐ろしい事をしてしまっていた。追尾監視魔法の時は、しっかりと文字を組み合わせる事により、2つの魔法が歯車のように噛みあうようになり使える。
しかし、今のやり方は全く違うやり方で、歯車を噛みあわせるのが難しいなら、歯車二枚をくっつければいい。要するに、一つの棒に歯車を二つ通せばいいのだ。
「あれ、これって思ってたよりもヤバイかもしれない………」
舞がそう考えこみ始めて数分。
「やっぱりこれヤバイわ………魔法の威力が普通の魔法合成の最低で二倍の威力だ…ううん、とりあえず今日は帰って寝よう。あ、その前に無機追尾監視魔法飛ばして、おっけーかな……帰ろう……」
舞は「自分は弱いのにチート化してる…」と呟きながら夜の街を歩いて行った。
宿に戻ると既に二人はお風呂に入ってしまっていたようで先に寝てしまっていたので、ゆっくりとお湯に浸かることができた。
今日一日を振り返る舞。昨日までは普通のステータスの低い村娘だったはずなのに、気が付いたらチートとなっていたことに溜息を漏らす。
「とりあえず、今はこの問題は特に大事でもないし、今日はもう寝よう……」
力弱くそう言って布団に潜り、すぐに就寝した。
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