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もふって就職!
◆もふって獲得!2
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夕食を食べ終えた舞たち一行はそのまま帰宅して、就寝。翌朝、一番に以前訪ねてきた騎士、バージェスがやってきた。
「いやはや、朝早くにすみません。何せ国事に関する事なので、いの一番に主役の方にお伝えしなくてはならなくて…」
「お気になさらず。私達のためにわざわざこんなに早くにありがとうございます」
「はは、そう言ってもらえると助かります。では、少々長い話になってしまうのですが、よろしいでしょうか?」
バージェスはこちらを見ながらそう言って笑った。
「そうですね。立ち話も何ですし、中には入りましょう。飲み物くらいなら出せますよ」
「では、お言葉に甘えて」
おじゃましますと声をかけて靴を脱いでバージェスが部屋に入ると、舞は椅子に腰を掛けるように促し飲み物を出す。
そのまま自分も席についてバージェスの話に耳を傾ける。
「さて、今回こちらを伺ったのも指定推奨冒険者についての話なんです」
「はい」
会話に同調するように頷く。
「まずは、この度の指定推奨冒険者認定任務、達成おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「つきましては、叙勲、そして指定推奨冒険者認定式の予定日、そしてさらに詳しく制度についての説明をさせていただきます」
こほん、と一度咳払いをして視線を落とす。少しの沈黙のあと、顔を唐突にあげたバージェスが話を切り出した。
「まず、予定日なのですが、三日後の昼に開催となりますので朝方に王城へおいでください。もしくは、前日の夕頃に来ていただければおもてなし致します」
「はい。あの、それって二日後の夕頃、連絡もなしに行っても大丈夫なんですか?」
「えぇ。ギルドカードをお持ちでしょう? それは魔力を介して作られたものですから、偽ることはできません。また、魔力を通して顔を焼き上げるので、別の方が使うことはできません。ですので、ギルドカードを門番あたりに見せればいつでも歓迎いたします」
「わかりました」
では、と言葉を続けて次の話題へと移る。
「ここから、以前お話した内容以外で変わる事を説明させていただきます。必要なようでしたらメモなど、どうぞお取りください」
「あっ、はい。大丈夫です。説明をお願いします」
「かしこまりました。では説明させていただきます」
もう一度咳払いをして、少し間を置いてから話し始める。
「では、これまでと変わることについてですが、まず、指定推奨冒険者ということで大抵の場所で顔パスが効きます。とは言いましても、ギルドカードの提示はしていただきます。入れないところ、といいますと、王宮などの最高機密が関わるところとなります」
「じゃあ王立の図書館とかもダメなんですか?」
「そうですね……一般開放域はもちろんですが、マイさんの場合ですと貴族級開放域も閲覧可能となります」
聞きなれない言葉に首を傾げる舞。バージェスはそれに気がついたのか補足の説明を勝手にし始める。
「貴族級開放域とは、と言いたげな顔をしていらっしゃいますね。それも含めてご説明いたしましょう。我が国は、貴族級でしか扱うことを禁じている魔法があります。というのも、被害が甚大なとき責任を取ることができないからです。お察しいただけたかと思いますが広範囲魔法です」
「…!」
舞はその広範囲魔法という単語に聞き覚えがあった。以前、涼華から貰った魔法についての本、それに載っていた。その記憶を掘り出し、どのような魔法かを理解する。
「なるほど…責任として、その、お金、とか称号の剥奪とかがあるんですね?」
「はい。基本的に称号の剥奪が主なのですが、ときたま、まれに現金で責を果たすこともありまして。ですが、被害が無ければ責を果たすこともありませんので」
要するに周りに人がいるところで使わなければ良いわけだ。だが、被害というところを鑑みると一つ疑問が出てくる。
「…そうなると、私が以前お店を壊した時のあれって被害が出てるんですがそれってどうなったんですか?」
「あぁ、あの店の店主のご厚意、と言いますか『ドラゴンがいたでしょう? それであの程度の被害ならこちらも責任を取らせるようなことはできません』と。あの店には店を建て替えるだけの金額と、それに追加で特別保証金が下りたそうです」
それならよかったと息をつく。店を壊してしまい、罪悪感を感じていた。どうやら話は金のところで区切りがついていたようだったが、歯切れが悪いので後で誤りに行こうと心の中でそう決めた。
なんにせよ、無事だったのならそれでいい。聞けば、死人も出ていなかったそうだ。
「さて、それでですが、貴族級開放域の話でしたよね。そこで本などの借り入れが可能となります」
「なるほど……戦力の増強ができるようにもなりますね」
「えぇ。ですからリスクは負いますが、その分戦闘が楽になりますね。……そして、次ですが、王への謁見権利が与えられます。これも大きいですね。謁見権利があれば具申なども出来ますし、指定推奨冒険者ともなると、大きな動かし方もできます」
王への謁見行為は一般的な見解を持っていればどれだけ凄いことかは嫌でも分かる。こちらの世界に召喚されて間も無く、叙勲をされていたが、その時はそれがどれだけの名誉なのかもわからなかった。
そして、それに加えてのこの謁見の許可の話だ。国事には関わることは許されないだろうが、それを除外しても大きな権利だ。それは日本で言えば天皇、そして内閣総理大臣に謁見し、話し合う場を設けてもらえる、というものだ。
「そんな権利貰ってもいいのでしょうか…お話を聞くと、それこそ一般的な視点からみたときにできることとは一線を画すような大きなことができてしまうということに…」
「はい。ですから、その通りに説明させて頂いた次第です」
話がうますぎる気がしないでも無いが、それがそうだというならそうなのだろう。要はそれだけ大きな功績を気付かぬうちに上げたということだ。
恐らく、こちらでの生活が定着しないうちにアリルと出会ってしまったからだろう。あの強さは尋常じゃないという言葉でさえも形容できないほどの強さだった。それこそ"化け物"だ。
「…わかりました。そうと仰るのなら私達はそれを納得するしかないんですね」
「そうなりますね。最も、与えられる側がこんなにいい条件なのに納得するしかない、というのもおかしな話ですけどね。ですが、分かりますよ。いきなりこんな大きな話になってしまうと、なんとも実感が沸かす、相手を疑ってしまう。それはしょうがないことです。ですが、こちらとしては騙す意味もないので、ここは素直に受け取っていただきたい」
「そうですね。折角の報奨ですし、ありがたく受け取っておかないといけませんね」
「そういうことです」
バージェスは微笑みながらそういうと、契約書らしき書類にサインを求めてきた。その書類に手を伸ばし、内容をじっくりと読む。もし、読み落としがあればそこを穴に何かされるかもしれない。
その疑いはバージェスの言葉を聞いても晴れなかった。何せ地球でのラノベやネット上では勇者が戦力を持ちすぎたせいで国に殺される、などということはありふれた出来事なのだ。もし自らの身にそんなことが起これば、たまったものではない。
最後の欄までしっかりと読み終え、自分たちに不利のないことを確認してからサインをする。書体は日本とは違うようだが、何故かすらすらと文字が書けている。
今は気にすることでもないか、と一蹴してサインを施した書類をバージェスに手渡すと、受け取ったバージェスはありがとうございますと一礼してその書類を自身の空間魔法に放り込んだ。
「さて、ここまででなにか不明瞭な点はありましたでしょうか?」
「いえ、特にありませんね」
「そうですか。では、この間お渡しした学園の入学書類の方、どうなってますか?」
「あっ……」
書くどころか目を通してすらいなかったことに思わず声が漏れる。その反応からバージェスはすぐに舞が考えていることを読み取り、先に言葉を紡ぐ。
「では、入学の意思がお有りならばここで書いてしまいましょう」
「いやはや、朝早くにすみません。何せ国事に関する事なので、いの一番に主役の方にお伝えしなくてはならなくて…」
「お気になさらず。私達のためにわざわざこんなに早くにありがとうございます」
「はは、そう言ってもらえると助かります。では、少々長い話になってしまうのですが、よろしいでしょうか?」
バージェスはこちらを見ながらそう言って笑った。
「そうですね。立ち話も何ですし、中には入りましょう。飲み物くらいなら出せますよ」
「では、お言葉に甘えて」
おじゃましますと声をかけて靴を脱いでバージェスが部屋に入ると、舞は椅子に腰を掛けるように促し飲み物を出す。
そのまま自分も席についてバージェスの話に耳を傾ける。
「さて、今回こちらを伺ったのも指定推奨冒険者についての話なんです」
「はい」
会話に同調するように頷く。
「まずは、この度の指定推奨冒険者認定任務、達成おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「つきましては、叙勲、そして指定推奨冒険者認定式の予定日、そしてさらに詳しく制度についての説明をさせていただきます」
こほん、と一度咳払いをして視線を落とす。少しの沈黙のあと、顔を唐突にあげたバージェスが話を切り出した。
「まず、予定日なのですが、三日後の昼に開催となりますので朝方に王城へおいでください。もしくは、前日の夕頃に来ていただければおもてなし致します」
「はい。あの、それって二日後の夕頃、連絡もなしに行っても大丈夫なんですか?」
「えぇ。ギルドカードをお持ちでしょう? それは魔力を介して作られたものですから、偽ることはできません。また、魔力を通して顔を焼き上げるので、別の方が使うことはできません。ですので、ギルドカードを門番あたりに見せればいつでも歓迎いたします」
「わかりました」
では、と言葉を続けて次の話題へと移る。
「ここから、以前お話した内容以外で変わる事を説明させていただきます。必要なようでしたらメモなど、どうぞお取りください」
「あっ、はい。大丈夫です。説明をお願いします」
「かしこまりました。では説明させていただきます」
もう一度咳払いをして、少し間を置いてから話し始める。
「では、これまでと変わることについてですが、まず、指定推奨冒険者ということで大抵の場所で顔パスが効きます。とは言いましても、ギルドカードの提示はしていただきます。入れないところ、といいますと、王宮などの最高機密が関わるところとなります」
「じゃあ王立の図書館とかもダメなんですか?」
「そうですね……一般開放域はもちろんですが、マイさんの場合ですと貴族級開放域も閲覧可能となります」
聞きなれない言葉に首を傾げる舞。バージェスはそれに気がついたのか補足の説明を勝手にし始める。
「貴族級開放域とは、と言いたげな顔をしていらっしゃいますね。それも含めてご説明いたしましょう。我が国は、貴族級でしか扱うことを禁じている魔法があります。というのも、被害が甚大なとき責任を取ることができないからです。お察しいただけたかと思いますが広範囲魔法です」
「…!」
舞はその広範囲魔法という単語に聞き覚えがあった。以前、涼華から貰った魔法についての本、それに載っていた。その記憶を掘り出し、どのような魔法かを理解する。
「なるほど…責任として、その、お金、とか称号の剥奪とかがあるんですね?」
「はい。基本的に称号の剥奪が主なのですが、ときたま、まれに現金で責を果たすこともありまして。ですが、被害が無ければ責を果たすこともありませんので」
要するに周りに人がいるところで使わなければ良いわけだ。だが、被害というところを鑑みると一つ疑問が出てくる。
「…そうなると、私が以前お店を壊した時のあれって被害が出てるんですがそれってどうなったんですか?」
「あぁ、あの店の店主のご厚意、と言いますか『ドラゴンがいたでしょう? それであの程度の被害ならこちらも責任を取らせるようなことはできません』と。あの店には店を建て替えるだけの金額と、それに追加で特別保証金が下りたそうです」
それならよかったと息をつく。店を壊してしまい、罪悪感を感じていた。どうやら話は金のところで区切りがついていたようだったが、歯切れが悪いので後で誤りに行こうと心の中でそう決めた。
なんにせよ、無事だったのならそれでいい。聞けば、死人も出ていなかったそうだ。
「さて、それでですが、貴族級開放域の話でしたよね。そこで本などの借り入れが可能となります」
「なるほど……戦力の増強ができるようにもなりますね」
「えぇ。ですからリスクは負いますが、その分戦闘が楽になりますね。……そして、次ですが、王への謁見権利が与えられます。これも大きいですね。謁見権利があれば具申なども出来ますし、指定推奨冒険者ともなると、大きな動かし方もできます」
王への謁見行為は一般的な見解を持っていればどれだけ凄いことかは嫌でも分かる。こちらの世界に召喚されて間も無く、叙勲をされていたが、その時はそれがどれだけの名誉なのかもわからなかった。
そして、それに加えてのこの謁見の許可の話だ。国事には関わることは許されないだろうが、それを除外しても大きな権利だ。それは日本で言えば天皇、そして内閣総理大臣に謁見し、話し合う場を設けてもらえる、というものだ。
「そんな権利貰ってもいいのでしょうか…お話を聞くと、それこそ一般的な視点からみたときにできることとは一線を画すような大きなことができてしまうということに…」
「はい。ですから、その通りに説明させて頂いた次第です」
話がうますぎる気がしないでも無いが、それがそうだというならそうなのだろう。要はそれだけ大きな功績を気付かぬうちに上げたということだ。
恐らく、こちらでの生活が定着しないうちにアリルと出会ってしまったからだろう。あの強さは尋常じゃないという言葉でさえも形容できないほどの強さだった。それこそ"化け物"だ。
「…わかりました。そうと仰るのなら私達はそれを納得するしかないんですね」
「そうなりますね。最も、与えられる側がこんなにいい条件なのに納得するしかない、というのもおかしな話ですけどね。ですが、分かりますよ。いきなりこんな大きな話になってしまうと、なんとも実感が沸かす、相手を疑ってしまう。それはしょうがないことです。ですが、こちらとしては騙す意味もないので、ここは素直に受け取っていただきたい」
「そうですね。折角の報奨ですし、ありがたく受け取っておかないといけませんね」
「そういうことです」
バージェスは微笑みながらそういうと、契約書らしき書類にサインを求めてきた。その書類に手を伸ばし、内容をじっくりと読む。もし、読み落としがあればそこを穴に何かされるかもしれない。
その疑いはバージェスの言葉を聞いても晴れなかった。何せ地球でのラノベやネット上では勇者が戦力を持ちすぎたせいで国に殺される、などということはありふれた出来事なのだ。もし自らの身にそんなことが起これば、たまったものではない。
最後の欄までしっかりと読み終え、自分たちに不利のないことを確認してからサインをする。書体は日本とは違うようだが、何故かすらすらと文字が書けている。
今は気にすることでもないか、と一蹴してサインを施した書類をバージェスに手渡すと、受け取ったバージェスはありがとうございますと一礼してその書類を自身の空間魔法に放り込んだ。
「さて、ここまででなにか不明瞭な点はありましたでしょうか?」
「いえ、特にありませんね」
「そうですか。では、この間お渡しした学園の入学書類の方、どうなってますか?」
「あっ……」
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