紅蓮の王宮召喚士～いきなり召喚の最高峰～

試験

出発

ストル王国　ハロ村

「アル、ごはんよ～」

母さんの声が響く。
わかってるよ、と、返事をしつつ急ぐ。
今日は待ちに待った王国の試験だ。
遅れるわけにはいかない。朝食を食べ、したくを済ませる。

「いってきます。」

「いってらっしゃい。頑張りな！」

うなずき、出発した。

今日から召喚士になれる。
夢は昔からそうだった。
召喚士に憧れたのは父さんを見てのことだ。
父はかつて召喚士だった。
今は亡くなってしまったが王国で働いていたらしい。
一度だけだが召喚を見せてもらったこともある。
赤い魔法陣が浮かび上がりひよこみたいな妖精をだしてもらった。
「召喚できるやつとは仲良くしないとだめだぞ。」
おまえならきっと良い召喚士になれる。と言ってくれた。

道を歩いているとだんだん人が増えてきた。
その時、突然声をかけられた。

「アルじゃないか！」

ハングさんだ。一応召喚士の。

「一応ってなんだよ！」
すぐにツッコミをいれられた。

「まあ、確かにな。そうでもないとここを歩いてねえ。」

ハングさんはハロ村のＣ級召喚士だ。
召喚士はＥ~SSS級にわかれていて、S以上が城の兵士となる。
Ａから下は町を守る召喚士になるか他の職業につくしかない。
ハングさんは町の召喚士をしながら城の兵士を目指している。

「おい、アル。お前は試験は初めてか？」

そうですけど。と答える。

「じゃあ今日の説明をしたほうがいいな。」
と、言葉を続ける。