紅蓮の王宮召喚士～いきなり召喚の最高峰～

試験

王家の血筋

「ハングさん、はやく行きましょう！試合始まっちゃいますよ！」

「あぁ。」

ハングさんを見つけたはいいが元気がない。まさか…

「もしかして番号って…」
恐る恐る聞くと、

「あぁ、２だ。どうせ俺は万年C級だよ。」

2ブロックということ、それは例えグループ選考を超えると第1グループの勝者に当たるとうこと。第1グループの勝者はおそらく...

カーン、カーン、カーン！

試合を告げる鐘が鳴り響いた。コロシアムへ足を速める。と、

「グルオオオオオオオオオォォォォ！！！！」

会場の扉を開くと、そこには金色の体を持つドラゴンがコロシアムの中央に雄叫びをあげていた。

そこからは一瞬だった。ドラゴンが尻尾で周囲の敵を蹴散らし、ブレス攻撃で距離を取っていた敵を燃やし尽くした。

歓声が上がり、第3皇子は試合の終わりを確認すると、客席に手を上げてから、コロシアムを去っていった。

コロシアムでは一瞬で召喚獣を消されてしまった他の受験者達が呆然と立ち尽くしていた。

「あれが、ドラゴン...」

圧倒的な強さに驚き、言葉が出てこない。
ハングさんが戦う前に落ち込む理由も理解できた。  

「王族が羨ましいよ、確定でドラゴン召喚だからなぁ。」

と、ハングさん。

昔、竜の国の王と共に魔王を倒し勇者と呼ばれた皇子がいた。皇子は竜王に力を認められ、眷属であるドラゴンの召喚を認められた。その結果、その血が流れる王族はドラゴンを召喚できるという。


そろそろ第2グループの試合が始まる頃だろう。

「ドラゴンにどこまで戦えるかはわからんが、出来る限りやってみるしかないな。」

そう言ってハングさんは召集場所に向かっていった。

100グループ目のアルの選考は明日になるだろう。

待っているのもヒマなので、今晩の宿を探しに行く事にした。