双子の姉弟は強すぎます

天藤 深綺

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試合当日〜お説教〜

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 ~雨宮優衣~
私は優希と別れ、彩香を連れて会場に帰ろうとした所で2人の少女とすれ違った。ここは関係者以外は通れない通路なのに一般人がいるのは変だなと思い声を掛けた。

「そこのお2人さんちょっと待ってくれる?」
「「ひゃい!」」

 私が声を掛けると上ずった声で返事をした。
あ~あの子達ね。

「2人とも何処から来たの?」
「えっと、観客席で見ていたんですけど急にトイレに行きたくなって」
「ホントに?その割には警戒心が強くない?」
「いや、声をかけられるとは思ってなかったので」
「ここは関係者以外は立ち入れないところよ?」
「え~?そうなの~?寧々~?」
「あっ!こら!その名前でよぶな!」
「ごめんなさ~い。
お姉さん聞かなかったことにしてくれる~?」
「いやいや、もう遅いから。
バレてるからね霧島姉妹」

 私がそう呼ぶなり、姉妹は揃って正座をしていた。全く怒られるのが分かってるなら正直に言えばいいのに。
隣の彩香うーんってなってるし。

「優衣様申し訳ございません!」
「今回は何事も無かったけれど、次は無いからね」
「「はい!」」
「優希の護衛として名乗り出たんだからそれ相応の働きをしなさいよ」
「心得ています!」
「あ!思い出した!
優ちゃんに引っ付いてた姉妹だ!」
「思い出すのが遅いですよ!この脳筋!」
「なんだと!このチビッ子!」

 久しぶりに見たなーと思ったけどそんな事をさせている場合じゃないから、彩香の首根っこを掴み直し、奈々も寧々の腕を掴んで引き剥がした。

「じゃあ奈々よろしくね」
「了解で~す」
「「今度あったら負かしてやる!」」

二人揃って何言ってるんだか…
まぁ今回の事で少しは気を引き締めてくれると良いけどな。さて、第4戦も見て今日は早く帰って今後の事を話さないとな。
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