双子の姉弟は強すぎます

試合当日～第一試合開始～

 僕の目の前に突然現れたご老人はいきなり肩を叩いて話しかけた。

「君はなかなかの素質を感じたよ。この大会で君の全てを見せておくれ」

 それだけ言うと元の場所に戻り、今度はマイクを使い喋り始めた。

「ワシは7剣神を束ねる一条宗介(いちじょう そうすけ)と申す。名前だけは知っている者もおるじゃろうが姿までは知らないだろう。だって普段の姿ではないからのう。」

 いきなりの発言に会場は静まり返る。
もちろん優衣姉や学園長、その他教員はあらかじめ知っている様なので驚いてはいない。
それから話はまだ続いていた。

「この場に来て話させてもらっているのはただの気まぐれじゃ。強いて言うなれば素質のある子を探しているのじゃよ。まぁあの子に比べて一番近いのは雨野君じゃな」

なるほどさっきの言葉そう言うことなのか。困ったものだ、みんなの視線が痛い。早く開会式終わらないかな…

「まぁ優勝するくらいなら見込みあるんじゃがないなら他の優勝者と手合わせくらいしたいものじゃよ。さて、ワシからの挨拶はこれで終わりにしようかのう」
「はい、一条宗介殿ありがとうございます。期待の星となった雨野君には是非頑張って欲しいですね！それでは全員の挨拶が終わりましたので第一試合を30分後に開始します」

そう言って開会式は終わり、これから第一試合が始まる。たしか第一試合は実技4位の明智 正宗(あけち まさむね)VS実技5位の橘 雄也(たちばな ゆうや)の試合だったな。しっかり見ておこう。

試合までの30分はあっという間だった。
なにせ初っ端の戦いだから興味があるから待っている間うずうずしてるくらいだからね。僕は選手控え室から観戦することにしていたので見やすい所に移動した。

「もうすぐ始まるのか、僕と戦うことはきっと無いけど肉弾戦の勉強になるといいな」
「優ちゃんなら充分肉弾戦強くなってると思うけどな～」
「いや、まだまだ。勉強が足りないよ」

そんな会話を彩姉としていた。
すると放送が鳴り出した。

「いよいよ始まる学年トップ10による試合の第一試合ですね！さぁ選手入場です！」

その言葉と同時に2人がステージに上がってきた。2人とも凄い張り切ってるのがわかる。僕も見るのが楽しみになってきた。

「それでは両者準備が出来たら手を挙げてください。準備は宜しいですね！それでは第一試合明智君VS橘君で試合開始です！」

開始の合図と共に2人は同時に床を蹴りだし戦いが始まった。