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〇39 水の魔女と強欲
しおりを挟む人間どもは強欲だ。
足りて、満足する事がない。
どんなに満ち足りていても、すぐに欲しがる。
人の物でも、手が届かぬ物でも。節操なしにほしがる。
身に余る物でも、過ぎた物でも、関係ないのだ。
きっと、人間は致命的に足りないのだろう。
満足する機能とやらが足りていないに違いない。
それはある意味悲しい事だ。
生まれながらに、満足できない事を宿命づけられているのだから。
だから私は、大海で全部洗い流す事にした。
足りない人間どもが、自分の欲を発揮するまま互いを食いつぶせば、きっと何も残らなくなるから。
だって、ここにいまある物を守らないと。
ここは、私達魔女に生きているのだから。
このままいけば私達が、生活できなくなってしまう。
だから私は、仕方なく大海で洗い流す事にしたのだ。
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