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〇50 赤の女王と占い
しおりを挟む赤の女王はとても愛らしい女性だった。
誰もが彼女に恋をせずにはいられない。
しかし、赤の女王は人から愛されても、人を愛す事ができなかった。
「愛ってなあに?」
赤の女王はずっとそれが分からなかった。
だから、彼女がいる炎の国の一部では、いつも炎が噴き出していた。
彼女の心が反映されるその世界では、いつもその場所から炎が噴き出し続けていた。
赤の女王は、心の中にどうしようもできない何かを抱えている。
それは、誰かに相談出来る事でもないように思えて。
そして、誰かに何とかできるようなものでもないように思えた。
だから、赤の女王は「占い」に心をあずけた。
都合のいい答えをもたらしてくれる「占い」を心のよりどころにした。
「占い」通りにすごしていれば、いつか自分が愛を知る事ができると思いながら。
「占い」通りに過ごさなければならないと、自分自身で決め込んだ。
そして、赤の女王に運命の「占い」が言い渡される。
それがすべてを破滅へ導く「占い」だとは、その時はまったく知らずに。
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