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第1章 クロニカ編
07 かつてとは違う光景
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ワンドがアンナとフォウを褒める。
「よくやった。お前達は私の自慢だ。これで落ちこぼれ共を一掃できる」
アンナとフォウは嬉しそうに笑った。
その後ワンドは、ニーナとフォウに冷たい視線を向ける。
そして、言葉を掛ける事なく、他の使用人に命令を下す。
「そいつらはもう用済みだ、やれ!」
結果が明らかになったため、使用人たちが敗者であるニーナやフォウを殺害しようとする。
「やめて! お願い、殺さないで!」
レーナが叫び声を上げるが、ワンドは気にしない。
「あなたの子供でもあるのよ!?」
ニーナとフォウの元へ駆け寄ろうとするレーナだが、ワンド側の使用人たちがレーナを抑える。
この場で動けるのはシャックスだけだった。
面倒な事になるのを承知で、シャックスは二人を助ける。
まず、雷の魔法でアンナとサーズを気絶させた。
油断していたため、楽勝だった。
その魔法を見たワンドは、驚愕で目を見開く。
「まさか、自分の実力を偽っていたのか?」
レーナも驚いてシャックスを見つめていた。
ワンドはシャックスに話しかける。
「今の威力はなかなかのものだった。お前は喋れないから、始末一択だったが、これなら使い物になりそうだな」
ワンドの言う通り、シャックスは生まれてから今までにたった一言もしゃべった事はない。
だから、元から何も期待されていなかったのだ。
その評価は、たった一度の魔法であっさり覆る。
それはワンドが、何よりも実力を重視する人間だったからだ。
シャックスは首を振った。
それは、ワンドの言う通りの駒にはならないという意味でだ。
シャックスに断られたワンドは、反抗的な駒は処分するのが普通だと言うが。
「普通なら、私に反抗する駒など必要ないが、その力惜しいな」
シャックスを利用する方向にした。
ワンドは、再教育や洗脳を施すために、シャックスを気絶させようとした。
「子供一人を言う通りにする方法なんて、いくらである。我がクロニカ家の役に立ってもらうぞ」
ワンドがシャックスに襲い掛かった。
雷の魔法を放つ。
シャックスはそれを避ける。
ワンドは次に炎の魔法を放つ。
下級が次々にシャックスへ飛来した。
しかしシャックスはこれも避けた。
ワンドはわずかに眉をひそめた。
予想外だったからだ。
少し考えた後、ワンドは今度は水の壁でシャックスを取り囲んだ。
しかしシャックスは、この水の壁をやぶって外に出る。
ワンドは何が起こったのか分からなかった。
実は脱出のためにシャックスは、人が行使している水の魔法を操り返したのだった。
それは、シャックスの新たな力が土壇場で覚醒した結果だ。
ワンドは今度、風の魔法を放った。
鋭い風の攻撃がシャックスを切り裂こうとする。
普通ならシャックスはこれを軽々とよけられるはずだった。
しかし、背後にレーナがいる事に気が付く。
シャックスは一人で戦う事になれていたため、周囲に人がいる時の戦い方になれていなかった。
そのため、魔法に当たってしまいそうになる。
しかしレーナがシャックスをかばう。
レーナは肩に怪我を負った。
「私の秘密主義が子供に遺伝してしまったのかしら。こうなったら、使うしかないわね」
レーナの瞳が光り輝き、ワンドの瞳も同じように輝く。
次の瞬間、胸を押さえたワンドが膝をつき、荒い呼吸をしはじめる。
レーナは、人の心に作用する魔法を使ったのだ。
それを見たシャックスは、レーナと共にその場を離脱するため、倒れているニーナ達の元へ向かう。
ワンドは魔法にかかり、動けなくなる。
レーナもシャックスと同じように隠し事をしていた。
強い衝撃を受けたワンドは、放心状態になってその場に立ち尽くすままだ。
シャックスの視線を受けて、レーナが説明する。
「今まで受けてきた精神的な痛みを、相手に返す魔法よ。制限時間があるし、貯めた分しか使えないから不便なのよね」
普段から魔法について話していたら、ワンドに対策されてしまう可能性があった。
シャックスはレーナの行動について納得した。
シャックスにも秘密があるため、レーナを責められなかった。
レーナがニーナを背負い、シャックスはフォウを背負って、その場から離れる。
マルコを背負ったジョウンや本能で危機感を覚えた馬も、別々の方向に逃げていく。
レーナは別れ際に彼らに、危険な目に合わせたお詫びといって、お金を投げ渡した。
ジョウンは、お金のために協力していたわけではなかったため、悲しい顔をしたが、何も言わずにその場を去った。
レーナと共に森の中を歩くシャックス。
周囲にはゴースト系のモンスターが浮遊していた。
モンスターたちは、シャックス達に手出しをしてこない。
直前にあった命のやり取りを見て彼らが実力者であることを見抜いているだめだ。
しかし興味や好奇心はあるのか、シャックス達の行動から目を話そうとはしなかった。
シャックスはいつもなら思い出さない前世の事を、脳裏に浮かべる。
英雄ゴロとして魔王を倒した後、ゴロは他の仲間達と共に漆黒の森に来ていた。
森の中で、協力なゴースト系モンスターが暴れ回っていると聞いたからだ。
相手はキングレイス。
霊魂の形をした大きな白いモンスターだ。
半球状のそれは、人間の生命力を吸い取って吸収しながら魔法を打ち出す敵だ。
ゴロは、アンナやニーナ、サーズやフォウと協力しながら、敵を倒した。
敵の攻撃はたまにアンナ達にあたりそうになるが、それをお互いが上手くカバーして、連携をとった。
生命力を吸い取られながらも、互いの魔法を全力で打ち出し、短期集中の作戦で倒したのだった。
遠巻きに見ていた巡回する予定の衛兵たちが、歓声を上げてゴロ達をほめそやす。
それを聞いて、ゴロの仲間達がそれぞれの反応を示す。
たくさんの声があたりに響いた。
しかし回想から戻ったシャックスの耳には、人の声など聞こえなかった。
「よくやった。お前達は私の自慢だ。これで落ちこぼれ共を一掃できる」
アンナとフォウは嬉しそうに笑った。
その後ワンドは、ニーナとフォウに冷たい視線を向ける。
そして、言葉を掛ける事なく、他の使用人に命令を下す。
「そいつらはもう用済みだ、やれ!」
結果が明らかになったため、使用人たちが敗者であるニーナやフォウを殺害しようとする。
「やめて! お願い、殺さないで!」
レーナが叫び声を上げるが、ワンドは気にしない。
「あなたの子供でもあるのよ!?」
ニーナとフォウの元へ駆け寄ろうとするレーナだが、ワンド側の使用人たちがレーナを抑える。
この場で動けるのはシャックスだけだった。
面倒な事になるのを承知で、シャックスは二人を助ける。
まず、雷の魔法でアンナとサーズを気絶させた。
油断していたため、楽勝だった。
その魔法を見たワンドは、驚愕で目を見開く。
「まさか、自分の実力を偽っていたのか?」
レーナも驚いてシャックスを見つめていた。
ワンドはシャックスに話しかける。
「今の威力はなかなかのものだった。お前は喋れないから、始末一択だったが、これなら使い物になりそうだな」
ワンドの言う通り、シャックスは生まれてから今までにたった一言もしゃべった事はない。
だから、元から何も期待されていなかったのだ。
その評価は、たった一度の魔法であっさり覆る。
それはワンドが、何よりも実力を重視する人間だったからだ。
シャックスは首を振った。
それは、ワンドの言う通りの駒にはならないという意味でだ。
シャックスに断られたワンドは、反抗的な駒は処分するのが普通だと言うが。
「普通なら、私に反抗する駒など必要ないが、その力惜しいな」
シャックスを利用する方向にした。
ワンドは、再教育や洗脳を施すために、シャックスを気絶させようとした。
「子供一人を言う通りにする方法なんて、いくらである。我がクロニカ家の役に立ってもらうぞ」
ワンドがシャックスに襲い掛かった。
雷の魔法を放つ。
シャックスはそれを避ける。
ワンドは次に炎の魔法を放つ。
下級が次々にシャックスへ飛来した。
しかしシャックスはこれも避けた。
ワンドはわずかに眉をひそめた。
予想外だったからだ。
少し考えた後、ワンドは今度は水の壁でシャックスを取り囲んだ。
しかしシャックスは、この水の壁をやぶって外に出る。
ワンドは何が起こったのか分からなかった。
実は脱出のためにシャックスは、人が行使している水の魔法を操り返したのだった。
それは、シャックスの新たな力が土壇場で覚醒した結果だ。
ワンドは今度、風の魔法を放った。
鋭い風の攻撃がシャックスを切り裂こうとする。
普通ならシャックスはこれを軽々とよけられるはずだった。
しかし、背後にレーナがいる事に気が付く。
シャックスは一人で戦う事になれていたため、周囲に人がいる時の戦い方になれていなかった。
そのため、魔法に当たってしまいそうになる。
しかしレーナがシャックスをかばう。
レーナは肩に怪我を負った。
「私の秘密主義が子供に遺伝してしまったのかしら。こうなったら、使うしかないわね」
レーナの瞳が光り輝き、ワンドの瞳も同じように輝く。
次の瞬間、胸を押さえたワンドが膝をつき、荒い呼吸をしはじめる。
レーナは、人の心に作用する魔法を使ったのだ。
それを見たシャックスは、レーナと共にその場を離脱するため、倒れているニーナ達の元へ向かう。
ワンドは魔法にかかり、動けなくなる。
レーナもシャックスと同じように隠し事をしていた。
強い衝撃を受けたワンドは、放心状態になってその場に立ち尽くすままだ。
シャックスの視線を受けて、レーナが説明する。
「今まで受けてきた精神的な痛みを、相手に返す魔法よ。制限時間があるし、貯めた分しか使えないから不便なのよね」
普段から魔法について話していたら、ワンドに対策されてしまう可能性があった。
シャックスはレーナの行動について納得した。
シャックスにも秘密があるため、レーナを責められなかった。
レーナがニーナを背負い、シャックスはフォウを背負って、その場から離れる。
マルコを背負ったジョウンや本能で危機感を覚えた馬も、別々の方向に逃げていく。
レーナは別れ際に彼らに、危険な目に合わせたお詫びといって、お金を投げ渡した。
ジョウンは、お金のために協力していたわけではなかったため、悲しい顔をしたが、何も言わずにその場を去った。
レーナと共に森の中を歩くシャックス。
周囲にはゴースト系のモンスターが浮遊していた。
モンスターたちは、シャックス達に手出しをしてこない。
直前にあった命のやり取りを見て彼らが実力者であることを見抜いているだめだ。
しかし興味や好奇心はあるのか、シャックス達の行動から目を話そうとはしなかった。
シャックスはいつもなら思い出さない前世の事を、脳裏に浮かべる。
英雄ゴロとして魔王を倒した後、ゴロは他の仲間達と共に漆黒の森に来ていた。
森の中で、協力なゴースト系モンスターが暴れ回っていると聞いたからだ。
相手はキングレイス。
霊魂の形をした大きな白いモンスターだ。
半球状のそれは、人間の生命力を吸い取って吸収しながら魔法を打ち出す敵だ。
ゴロは、アンナやニーナ、サーズやフォウと協力しながら、敵を倒した。
敵の攻撃はたまにアンナ達にあたりそうになるが、それをお互いが上手くカバーして、連携をとった。
生命力を吸い取られながらも、互いの魔法を全力で打ち出し、短期集中の作戦で倒したのだった。
遠巻きに見ていた巡回する予定の衛兵たちが、歓声を上げてゴロ達をほめそやす。
それを聞いて、ゴロの仲間達がそれぞれの反応を示す。
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しかし回想から戻ったシャックスの耳には、人の声など聞こえなかった。
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