21 / 38
第4章 未踏大陸編
20 なつき鳥
しおりを挟む
ロレンスと決闘する事になり、シャックスは呆れる。
探索を進めなければならないにもかかわらず、身内同士で足を引っ張る事が愚かに感じられた。
それは家族に殺されかけたシャックスには、無視できない事実だ。
しかし、だからといってロレンスに敵意を向けるのは、時間の無駄であり、精神力の無駄である。
シャックスは、決闘を適当にやって負けたら、満足して去るだろうかと考えたが、アンナやサーズたちの事を思い出す。
彼らは、自らの悪事や悪戯で人が弱っている所を見ると、それで満足せずにどんどん調子に乗っていったからだ。
シャックスは仕方なく決闘に応じる。
ロレンスが満足げに笑う。
「ようやくやる気になったようだな」
シャックスは開始の合図を待つことなく、ロレンスに風魔法をぶつけようかと思った。
しかし、自分の行動のせいでアリー達に迷惑はかけられないと自重する。
審判役の男性がロレンス達のグループで挙手し、シャックスとロレンスの間に立つ。
シャックスとロレンスは互いの様子を窺い、その間風が吹いた。
木の葉が何枚か2人の近くを飛んでいった後、審判の男性が「開始」と合図の言葉を放った。
ロレンスは開始そうそう魔法を使いまくった。
ロレンスは雷系の魔法が得意で、いくつもの雷撃が飛んでくる。
その威力は、同年代と比べると優秀だった。
しかし、ワンドと比べると比べ物にならなかったため、シャックスは動揺しない。
シャックスが雷撃をいくつか避けると、ロレンスがイライラし始める。
ロレンスは次に炎の魔法を使った。
それらをシャックスは避けるが、背後にある近くの木に燃え移った。
そのため、ナギがぼやきながら水の魔法で消化している。
シャックスはそろそろ決着をつけようと考える。
風魔法を使って、木の葉を巻き上げ、その瞬間に異動。
シャックスはロレンスの背後に異動していた。
数秒にも満たない時間で、風魔法を使い、ロレンスを近くの木にぶっ飛ばした。
ロレンスは気絶して倒れこむ。
他の者達がロレンスに駆け下り、介抱をした。
その中でも、介抱に参加しないサーズが、シャックスの顔を凝視している。
何か言いたそうな不満顔だったが、何も言わずにロレンス達の元へ合流した。
決闘が終了した後、速やかにその場から離れるシャックス達。
ナギはシャックスに話しかけてくる。
「気のせいだったら申し訳ないのですが」
ナギは、シャックスの立ち振る舞いが、貴族っぽかったと言った。
ナギは元貴族だったらしい。
双子だったが、敗北して一般市民になったという。
しかし、幼馴染が病気になっているため、高価な薬草を手に入れるため、貴族になりたいという。
それで手柄を手てようとしていたのだった。
ナギとシャックスは貴族の悪習についてしばらく話をした。
家を守るため、格を守るため、貴族はしばしば家族を切り捨てる。
そういった考え方や習慣を二人はばかばかしいと考えていた。
シャックスとナギは互いに今までそういった価値観を同じくする者に出会えなかったため、この出会いを喜んだ。
途中、雨が降ってきたため、一度巨大な木の下で雨宿りをした。
怪我をした赤い鳥が、アーリーになついてすり寄ってくる。
アーリーは不思議そうに小首をかしげた。
「可愛いけど、親鳥とかいないのかしら」
ナギがそれを見て、アーリーの髪についている羽をつまんだ。
その羽は赤い羽根で、鳥から抜けたものだ。
ナギが調べてみると、羽からは甘い匂いがした。
「おそらく、私達には分からない匂いで親か仲間だと思っているのでしょう」
シャックス達は直前に鳥型のモンスターとやりあっていた。
その影響かな、とアーリーは首を傾げる。
ひ弱な鳥を攻撃する気になれなかった彼女は、鳥の頭をなでてあげた。
雨にぬれて寒そうにしていたため、アーリーが温めようとする。
しかし、何か未知の病気を持っている可能性もあると、シャックスが止めた。
「病気で倒れたら、探索を続けられなくなる」
「そうね。じゃあ」
アーリーは考えた後、乾いた葉っぱを探して、間接的に鳥を包んだ。
鳥は少し震えていたが、やがてその震えは止まった。
しばらくすると雨が止んだため、シャックス達はその場を移動する。
残される鳥が可哀そうだと思ったアーリーは、鳥型モンスターから採取した羽を、目の前の鳥にあげて、その場を去った。
赤い鳥は寂しそうにぴーぴーと鳴いたが、シャックス達は振り返る事をしなかった。
アーリーが一度だけ振り返って「ごめんね」と謝った。
シャックス達が立ち去った後、灰色の髪の少年が、小鳥に近づいていく。
探検の最中、シャックス達は特殊なモンスターと出会う。
それは、明らかに通常の個体とは異なる体格だった。
巨大なトカゲ型モンスターで、体を震わせて鱗を飛ばしてくるのが特徴だった。
「この個体とは会った事が無い、慎重に戦おう」
始めて出会った個体でもあるため、シャックス達は素早く決断する。
モンスターから距離をとることにした。
「遠距離なら私の弓で。ちょっとストレスたまってるから激しめにいくわよ」
アーリーが気合を入れて、攻撃する。
直前にあった鳥との別れの事を気にしていたからだ。
シャックス達は、十分に距離をとってモンスターと戦うが、その相手は強かった。
徐々に開いていた距離が縮まり始める。
「気をつけろ。こいつ、結構強い!」
「みたいですね。気を引き締めていかないと」
ロックとナギが大きく声を上げた。
探索を進めなければならないにもかかわらず、身内同士で足を引っ張る事が愚かに感じられた。
それは家族に殺されかけたシャックスには、無視できない事実だ。
しかし、だからといってロレンスに敵意を向けるのは、時間の無駄であり、精神力の無駄である。
シャックスは、決闘を適当にやって負けたら、満足して去るだろうかと考えたが、アンナやサーズたちの事を思い出す。
彼らは、自らの悪事や悪戯で人が弱っている所を見ると、それで満足せずにどんどん調子に乗っていったからだ。
シャックスは仕方なく決闘に応じる。
ロレンスが満足げに笑う。
「ようやくやる気になったようだな」
シャックスは開始の合図を待つことなく、ロレンスに風魔法をぶつけようかと思った。
しかし、自分の行動のせいでアリー達に迷惑はかけられないと自重する。
審判役の男性がロレンス達のグループで挙手し、シャックスとロレンスの間に立つ。
シャックスとロレンスは互いの様子を窺い、その間風が吹いた。
木の葉が何枚か2人の近くを飛んでいった後、審判の男性が「開始」と合図の言葉を放った。
ロレンスは開始そうそう魔法を使いまくった。
ロレンスは雷系の魔法が得意で、いくつもの雷撃が飛んでくる。
その威力は、同年代と比べると優秀だった。
しかし、ワンドと比べると比べ物にならなかったため、シャックスは動揺しない。
シャックスが雷撃をいくつか避けると、ロレンスがイライラし始める。
ロレンスは次に炎の魔法を使った。
それらをシャックスは避けるが、背後にある近くの木に燃え移った。
そのため、ナギがぼやきながら水の魔法で消化している。
シャックスはそろそろ決着をつけようと考える。
風魔法を使って、木の葉を巻き上げ、その瞬間に異動。
シャックスはロレンスの背後に異動していた。
数秒にも満たない時間で、風魔法を使い、ロレンスを近くの木にぶっ飛ばした。
ロレンスは気絶して倒れこむ。
他の者達がロレンスに駆け下り、介抱をした。
その中でも、介抱に参加しないサーズが、シャックスの顔を凝視している。
何か言いたそうな不満顔だったが、何も言わずにロレンス達の元へ合流した。
決闘が終了した後、速やかにその場から離れるシャックス達。
ナギはシャックスに話しかけてくる。
「気のせいだったら申し訳ないのですが」
ナギは、シャックスの立ち振る舞いが、貴族っぽかったと言った。
ナギは元貴族だったらしい。
双子だったが、敗北して一般市民になったという。
しかし、幼馴染が病気になっているため、高価な薬草を手に入れるため、貴族になりたいという。
それで手柄を手てようとしていたのだった。
ナギとシャックスは貴族の悪習についてしばらく話をした。
家を守るため、格を守るため、貴族はしばしば家族を切り捨てる。
そういった考え方や習慣を二人はばかばかしいと考えていた。
シャックスとナギは互いに今までそういった価値観を同じくする者に出会えなかったため、この出会いを喜んだ。
途中、雨が降ってきたため、一度巨大な木の下で雨宿りをした。
怪我をした赤い鳥が、アーリーになついてすり寄ってくる。
アーリーは不思議そうに小首をかしげた。
「可愛いけど、親鳥とかいないのかしら」
ナギがそれを見て、アーリーの髪についている羽をつまんだ。
その羽は赤い羽根で、鳥から抜けたものだ。
ナギが調べてみると、羽からは甘い匂いがした。
「おそらく、私達には分からない匂いで親か仲間だと思っているのでしょう」
シャックス達は直前に鳥型のモンスターとやりあっていた。
その影響かな、とアーリーは首を傾げる。
ひ弱な鳥を攻撃する気になれなかった彼女は、鳥の頭をなでてあげた。
雨にぬれて寒そうにしていたため、アーリーが温めようとする。
しかし、何か未知の病気を持っている可能性もあると、シャックスが止めた。
「病気で倒れたら、探索を続けられなくなる」
「そうね。じゃあ」
アーリーは考えた後、乾いた葉っぱを探して、間接的に鳥を包んだ。
鳥は少し震えていたが、やがてその震えは止まった。
しばらくすると雨が止んだため、シャックス達はその場を移動する。
残される鳥が可哀そうだと思ったアーリーは、鳥型モンスターから採取した羽を、目の前の鳥にあげて、その場を去った。
赤い鳥は寂しそうにぴーぴーと鳴いたが、シャックス達は振り返る事をしなかった。
アーリーが一度だけ振り返って「ごめんね」と謝った。
シャックス達が立ち去った後、灰色の髪の少年が、小鳥に近づいていく。
探検の最中、シャックス達は特殊なモンスターと出会う。
それは、明らかに通常の個体とは異なる体格だった。
巨大なトカゲ型モンスターで、体を震わせて鱗を飛ばしてくるのが特徴だった。
「この個体とは会った事が無い、慎重に戦おう」
始めて出会った個体でもあるため、シャックス達は素早く決断する。
モンスターから距離をとることにした。
「遠距離なら私の弓で。ちょっとストレスたまってるから激しめにいくわよ」
アーリーが気合を入れて、攻撃する。
直前にあった鳥との別れの事を気にしていたからだ。
シャックス達は、十分に距離をとってモンスターと戦うが、その相手は強かった。
徐々に開いていた距離が縮まり始める。
「気をつけろ。こいつ、結構強い!」
「みたいですね。気を引き締めていかないと」
ロックとナギが大きく声を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~
こげ丸
ファンタジー
『偶然テイムしたドラゴンは神をも凌駕する邪竜だった』
公開サイト累計1000万pv突破の人気作が改訂版として全編リニューアル!
書籍化作業なみにすべての文章を見直したうえで大幅加筆。
旧版をお読み頂いた方もぜひ改訂版をお楽しみください!
===あらすじ===
異世界にて前世の記憶を取り戻した主人公は、今まで誰も手にしたことのない【ギフト:竜を従えし者】を授かった。
しかしドラゴンをテイムし従えるのは簡単ではなく、たゆまぬ鍛錬を続けていたにもかかわらず、その命を失いかける。
だが……九死に一生を得たそのすぐあと、偶然が重なり、念願のドラゴンテイマーに!
神をも凌駕する力を持つ最強で最凶のドラゴンに、
双子の猫耳獣人や常識を知らないハイエルフの美幼女。
トラブルメーカーの美少女受付嬢までもが加わって、主人公の波乱万丈の物語が始まる!
※以前公開していた旧版とは一部設定や物語の展開などが異なっておりますので改訂版の続きは更新をお待ち下さい
※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております
※小説家になろう様とカクヨム様でも公開しております
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる