人族が一人だけの異世界転生スローライフですが孤独ではありません

透けてるブランディシュカ

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12 もふもふ枕と臆病なナミダ鳥

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 枕が壊れた!

 今まで適当な枯草をつめて使ってた枕が。

 俺の安眠をサポートしてくれていた枕が。

 スロー&ソロライフを陰ながら支えてくれてた相棒が。

 これは大変だ。

 俺の眠りの質が下がってしまう。

 というわけで、枕を作り直す事にした。

 この際だからもっとグレードアップしてやろう。

 と思った俺は、とある生き物に目をつける。

 それは、ナミダ鳥(俺命名)という生き物だ。

 なぜかいつも泣きながら飛んでいる鳥だ。

 花粉症か何かなのかな。

 そいつが落とした羽を拾った事があるんだけど、これがふわっふわでな。

 あの羽をたくさんつめたら、きっと良い枕ができるに違いない。

 というわけで、ナミダ鳥を捕まえるために行動開始。




 奴の好物を調べて、檻の罠を設置する事数日。

 ナミダ鳥は、罠にかかった。

 さてさて、羽をぬきぬきしましょうねー。

 なんて手をわきわきしていたら、奴はさらに涙をちょちょぎらせた。

 おう、ちょっと罪悪感湧いてきちゃったな。
 
 じゃあ、全抜きじゃなくて半抜きにしといてやるよ。

 え?

 それじゃ嫌だ?

 しかたないな。3分の1抜きだ。

 ナミダ鳥はそれでも嫌がった。

 うーんと腕組をしながら考える。

 ちょっと考えてみたけど、何やってるんだろうね俺。

 鳥と交渉する必要あるかな。

 問答無用で、もうひっこぬいちゃっていいんじゃないかな。

 なんて考えていたら、ナミダ鳥が俺の食べ残しのワインステーキをむしゃり。

 近くにお弁当として広げてあった奴を食べちまった。

 こいつぅ。今夜のメニューは鶏肉のステーキにしてやろか!

 なんて、思っていたら、ナミダ鳥の涙が止まった。

 あ、それ泊まるもんなんですね。

 ん? 美味しくって世の中のアリとあらゆる悲しい事がどうでもよくなった?

 すると感激したナミダ鳥は、びっくりするような大きな声で鳴き声を上げた。

 え?

 なになに?

 なんて思っているうちに、ぞろぞろと他のナミダ鳥たちが集まってきて、自分達の羽をひとつずつ置いていった。

 千匹くらい。

 こわあ。

 なんかこわああ。

 どこにいたのお前ら。

 昔やった、ゲームで鶏虐めた後、その鶏の親につつき殺されるシーン思い出した。

 あれは弱そうに見えるけど、敵に回してはいけない生き物だからな。

 どこかへと去っていく鳥の大軍を見つめて、冷や汗びっしょり。

 俺は大人しく、もらった羽だけで満足しようと思った。




 そんなこんなでつくった、枕はきちんとふわふわ。

 俺に快適な睡眠を提供してくれたのでした。

 おん?

 なんで鳥なんかと意思疎通ができてたのかって?

 それはまあ、後のお楽しみって事で。


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