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第6話
しおりを挟む「そういえば二階堂って家どこなの?」
写真も撮り終わって片付けをしている最中に尋ねる。
「学校から歩いて五分くらいのとこ。俺朝苦手だからさ」
「へーいいな、まあ俺も電車で四駅だけど」
あれ、確か二階堂って親の仕事の都合でこっちに来たって言ってなかったけ。それなのに、二階堂の学校から近いという理由を第一に家を選んだのか?
少し疑問には思ったが聞くほどのことでもないよな、と胸の中にしまっておいた。
片付けも終わり、二階堂が今日使っていたカメラを俺に渡してきたけれど、週末まで貸しておくつもりだったのでそのまま返した。
「これ週末まで持ってていいよ」
「マジ?じゃあありがたく。」
「二階堂の家ってどっち方面?」
「こっちの左の通り」
「駅と反対なんだ。じゃあここでお別れかー」
二階堂と一緒に下校できるという期待は儚くも散ってしまったが仕方ない。毎日学校で会えるしいいだろ、と思う事にした。
「ん、また明日」
「また明日」
手を振って二階堂が駅とは反対の道を歩いて行くのを少し眺めた後、自分も振り返り駅の方に歩き出した。
***
通学時間と通勤時間のちょうど間の時間だったからか電車は少し空いており、幸運にも座ることができた。
自分の家の駅になるまで少し暇だなと思い先程撮った写真を眺める事にした。
カメラを取り出し、一枚一枚送りながら見ていく。紅葉の風景写真から二階堂をメインにした写真まで今日はよく撮れたなと思わず眺めながら自画自賛する。
どんどん写真を送っていくと、最後までいったのか今日のとは違う写真が現れた。
そこに写っていたのは今より少し幼い顔をした昭だった。二年半くらい前の日付が右下に書かれており、ちょうどこのカメラを買った時に撮ったものなのだと気づいた。
画面に写っている昭は、カメラの方を向いて眩しいほどの笑顔を見せていた。そして改めて今日見た昭の苦しそうな顔を思い出す。
あのころは二人でいつも一緒に居て、あいつの考えている事はなんだって分かった。なのに今では、あいつの考えていることが何一つ分からなくなってしまった。
あの顔の意味はなんだったのだろう、と考えても答えは出てこない。それ程までに昭との距離が離れてしまったのだな、となんとも言えない気持ちになった。
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