異世界に召喚されたが『聖王』じゃなくて『性王』(風俗王)だったので、下品だと追放された。仕方がないのでチート風俗魔法で風俗国家を再建します

横島イクオ

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第24話 ご主人様と呼んではいけません(イラストあり)

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 レイナは台所からカップを取ってくると、優雅な仕草で紅茶をカップに注いでくれた。

「うん、美味しい」

 いれてくれる人が違うだけで、こうまで紅茶の味は違ってくるのか。今まで飲んだどんな紅茶より美味しかった。

「ホント・・・ですか? よかったです」

 嬉しそうにほほ笑むレイナ。

「横に座って、一緒に紅茶を飲もう」

 俺は立ったまま待機しているレイナを紅茶に誘う。

「でも、一応メイドですから」

「他に誰もいないし、フロアメイドは妻でもあるんだろう?」

「でも、あたしはあくまで、貴族様の側室だし・・・」

「正妻なんかどこにもいないし、取る気もない」

 俺の言葉にレイナは嬉しそうに「はい」と微笑むと、長いスカートを折りたたみながら俺の横に腰掛けた。背筋はぴんと伸ばして、行儀のよい仕草は、どこかの令嬢のようにも思えた。



「おいしい、です」

 レイナもまた紅茶を嬉しそうに飲む。

「敬語は別にいいよ」

「でも、一応メイドですから」

「他に誰もいないし、フロアメイドは妻でもあるんだろう?」

 先ほどと全く同じやり取りを繰り返す。

 敬語を使う古典的なメイドさんも好きだったが、レイナに限っては、普段のしゃべり方の方が魅力的に思えた。

「はい。・・・うん、わかった」

 嬉しそうに笑顔を見せてくれる。

(何か、お菓子でも持ってなかったか?)

 俺はポケットの中をまさぐる。幸い、チョコレートが入っていた。

「レイナ、これをあげよう」

「なにこれ?」

 チョコレートの欠片を、口に入れる。

「おいしー! すごく甘い。こんなにおいしいもの、食べたことない!」

 目を輝かせて喜ぶレイナ。200円程度のチョコでこんなに喜んでもらえるとは、アブドルの機嫌取りに使わなくてよかった。

「セイオウ様のお話を聞かせてほしいな」

「その、〝セイオウ〟と呼ぶのは止めてほしいかな」

 何しろ〝聖王〟じゃなくて〝性王〟だからな。

「じゃあ〝ご主人様〟って呼んだ方がいい?」

「うっ!」

 その呼ばれ方はヤバい。なんかググっと来る。特にメイド服を着たレイナの破壊力は、すさまじいものだった。

「ソ・・・ソノ名デヨブデナイ」

「? なんか嬉しそうだけど、ダメなの?」

「ウレシイカラだめナんダ」 

「へんなの~。じゃあ〝旦那様〟は?」

 旦那様か。それならいいかもしれない。メイドだけでなく、上品な奥様が夫に対して使う言葉でもある。

「それなら、大丈夫」

「うん、じゃあ〝旦那様〟って呼ぶね」

 嬉しそうにほほ笑むレイナ。

「旦那様の世界のお話を聞きたいかな?」

「ああ、いいよ。じゃあ、これを見るといい」

 俺はスマホを取り出す。この世界は圏外のため、ずっと機内モードにしていたおかげで電池はほとんど減っていない。
 
 俺は起動すると、保存していた画像フォルダを開く。

「すごい、これも旦那様の魔法なの?」

「いいや、これは機械。異世界のアイテムだ」

 俺は現実世界の写真を表示する。

「すごい、なんか美味しそうな料理!」

「ここ綺麗! なんて場所?」

「大きな橋! この馬車、馬がいないけど、どうやって動くの?」

 目を輝かせながら、写真を見つめるレイナ。特に彼女が興味を持ったのは、俺の世界の女性のファッションだ。裁縫工房で働く身としては、ファッションに強い関心を抱いているようだ。

「かわいい服。でも、こんなに短いスカート履いて大丈夫なの?」

 レイナが心配しているのは、治安に関することだろう。

「問題ないよ。治安はとても良いからね。だから女性は自由なファッションを楽しめる」

 フェミニストがいくら『ミニスカートは女性搾取』と言おうが、歴史的にはミニスカートは女性の自由の象徴なのだ。

「うん、でも・・・見えちゃったら大変じゃない?」

「問題ない。下に肌着を着ているからね」

 俺は秘蔵の下着フォルダを開く。下着フェチだからいろいろと貯蔵があった。

「俺の世界の女性は、こういう肌にフィットする肌着を着ているんだ」

「すごく綺麗・・・」

 レイナは魅入られたように、下着フォルダを見ている。

「これ、材質は何なの?」

「色々あるが、シルクが最上とされている」

「シルクか、それならウチでも作れるかも・・・」

「ああ、裁縫工房でこれを作ってもらう計画だ」

「そうなの!?」

「高級下着は、普及させることができれば高く売れるし、輸送コストも低い。例えばその下着は上下セットで4万円だから、この国でも4万コル近い値段で売る」

「そんなに!? こんなに布地が少ないのに?」

「布地の多さと価格はほとんど関係がない。デザインやブランドの方がはるかに重要なんだ」

「でも、他の国がマネしちゃうんじゃない?」

「女性にとって高級下着は宝石やアクセサリーと同じようなものだからな。安い模倣品より、高い本物を身につけたがるはずだ。そしてこういう商品は値崩れしにくい」

 ブランドというやつだ。俺はアブドルに対する営業話と同じ説明をする。

「すごくいいアイデアだと思う。でも、みんなつけてくれるようになるかな?」

「そこは〝性王〟である俺と、〝風俗国家〟と呼ばれるこの国の国民の頑張りによるかな。例えば娼館の娘たちに下着をつけてもらい、宣伝してもらうとか」

「あー、なるほど」

「治安が良くなって、下着も普及すれば、ファッションの自由度は大きくなる。こんなミニスカートとかも、いつか売りに出せるようになる」

 俺はミニスカートをはいた女の子の写真を、スマホで見せる。

「新しいファッションの中心地であるフリージア王国は、流行の先進地となり、いろんな衣服を生み出す国となる」

「そうすれば、フリージア織物は復活だね」

「ああ、そのために頑張らないと・・・まずはこの世界に女性下着を履くという文化を定着させることから始めないと」

「確かに、こんなきれいな下着、あたしもつけてみたいかな」

「じゃあアイテムクリエイションで作成するから、つけてみるか?」

 俺は、言葉を詰まらせながら、提案してみる。

「この世界の住人の感想も聞きたいしな」

 慌てて言い訳っぽい理由も追加する。

「いいの? また倒れちゃったりしない?」

「寝ている間に回復したから、大丈夫だ。一着くらい、どうってことない」

 俺は右手に精神を集中させ、アイテムを創造する。

 作り出したのは、赤を基調として、白のフリルがついた下着一式だ。イリスに作った下着ほど、露出は多くない。どちらかというと、可愛い系の下着だ。

「あ、かわいい色」

「レイナのリボンの色と合わせてみた。赤好きだと思って」

「うれしい、じゃあつけてくるね」


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