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第4章【プロへの道】
第40話【鈴木宗成対天原菊池】
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天原選手は既に落ち着いていたが自分から攻める事はしなかった。
まだ鈴木さんのカウンターのダメージが抜けきれてないのだろう。
そんな天原選手に鈴木さんは牽制のジャブを放つ。
ここまで来たら、誰が見ても形勢逆転は難しいと思うのだが、鈴木さんは慎重だ。
「今がチャンスじゃないですか?
なんで、飛び込まないんですか?」
「いや、迂闊に近付くのは得策じゃない。
実際、天原選手は鈴木さんのパンチを上手く防いでいる。
まだ余力があるってところだろうね?」
そんな話をしていると今度は天原選手が再びサウスポーにスイッチしながら左手を出してくる。
鈴木さんはそれを読んでカウンターを放とうとする。
その瞬間を見計らって天原選手がダッキングしながら突っ込んで来る。
クリンチーーいや、至近距離からのボディーブローである。
鈴木さんは苦悶の表情を浮かべながら後退すると天原選手と距離を取る。
「あれはよくないね。普段の鈴木さんの距離だ。
天原選手はどうやら、鈴木さんを無理矢理いつものスタイルにさせようって魂胆らしい」
獅童さんの言う通り、普段の鈴木さんの射程だと云うのに手が出せない。
寧ろ、ミドルレンジでの差し合いなら鈴木さんよりも天原選手の方が上手なのだろう。
狙うとしたらカウンターしかないが、鈴木さんはそれをしようとはしなかった。
「誘われている・・・恐らく、ここから何かしらの対策があるんだろうね?」
「罠って事ですか?」
「そうだね。鈴木さんもそれを理解しているから手を出せないんだろう」
そんな話をしている間に2ラウンド目が終わる。
「まあ、まだ2ラウンド目だ。先は長いだろう」
「でも、このままじゃ・・・」
「勿論、坂田さんが解決策を見付けるだろうさ。それは解っているだろう?」
確かにそうだ。坂田さんならこの状況を打開する方法を導き出してくれるだろう。
しかし、3ラウンド目のゴングと同時にそれは起こった。
ゴングと同時に天原選手がダッシュして鈴木さんに近付いたのだ。
「戦法を変えてきた!?」
流石の獅童さんも天原選手の様子に動揺する。恐らく、鈴木さんもだろう。
天原選手が途端に足を使い出したのだ。
ショートレンジに入ったと思えば、すぐにミドルレンジへ、ミドルレンジからショートレンジへの切り替えが早い。
これは獅童さんも負けてしまうのも頷ける。
天原選手はオールラウンダーなのだろう。
しかも一つ一つがレベルが高い。
鈴木さんもそれに翻弄され、ボディーを貰いすぎたのか、足がでない。
それを好機と見たのか、天原選手が再びボディーを狙う。
その瞬間、鈴木さんがサウスポーにスイッチしながら左へ回避しつつ、右ジャブからの左ストレートを放つ。
それを喰らい、天原選手の膝が再び揺れた。
だが、しぶとく天原選手は踏ん張っている。
鈴木さんもダウンはしていないものの、完全に足が止まってしまった。
残り30秒になったところでどちらからともなく前に出ると両者が次の拳を放つ。
そこからはお互いに無呼吸連打であった。
「先に根をあげた方が負けるね。しかし、天原選手の引き出しの多さが異常だ。
流石はチャンピオンの如月瞳のいるジムにいるだけあるね」
「え?そうなんですか?」
「あれ?知らなかったのかい?天原選手は如月瞳と同じジムの選手だよ?」
そうだったのか。それは知らなかった。
今度、調べてみよう。
そんな事を思っている最中、天原選手が呼吸の為に顔を上げる。
その瞬間を見計らって鈴木さんがアッパーを天原選手の顎に喰らわせた。
それでも天原選手は倒れない。
何と云う執念だ。何がそうまでさせているのだろうか?
そんな天原選手が右ストレートを放つ。
それに合わせて、鈴木さんが素早くスイッチしてオーソドックススタイルに戻り、カウンターの右フックを合わせた。
その一撃を喰らい、天原選手は今度こそ、倒れる。
鈴木さんは荒くなった呼吸を整えつつ、コーナーへと戻って行く。
今度こそ、立てない筈だ。
そんな淡い期待を打ち砕くようにカウント5で天原選手の手に力が込められる。
早くカウントが終われと思いながら、俺は天原選手がゆっくりと起き上がろうとするのを固唾を飲んで見詰める。
天原選手はロープを支えに立ち上がろうとするが、ロープとの距離を見誤ったのか、再び倒れ込む。
レフェリーが10カウントを取ったのは次の瞬間であった。
実感が湧くのに少し時間が掛かった。
だが、鈴木さんの手をレフェリーが上げたのを見て、改めて俺は鈴木さんが勝ったのだと実感するのであった。
こうして、鈴木さんはランキング3位へと上り詰めるのであった。
まだ鈴木さんのカウンターのダメージが抜けきれてないのだろう。
そんな天原選手に鈴木さんは牽制のジャブを放つ。
ここまで来たら、誰が見ても形勢逆転は難しいと思うのだが、鈴木さんは慎重だ。
「今がチャンスじゃないですか?
なんで、飛び込まないんですか?」
「いや、迂闊に近付くのは得策じゃない。
実際、天原選手は鈴木さんのパンチを上手く防いでいる。
まだ余力があるってところだろうね?」
そんな話をしていると今度は天原選手が再びサウスポーにスイッチしながら左手を出してくる。
鈴木さんはそれを読んでカウンターを放とうとする。
その瞬間を見計らって天原選手がダッキングしながら突っ込んで来る。
クリンチーーいや、至近距離からのボディーブローである。
鈴木さんは苦悶の表情を浮かべながら後退すると天原選手と距離を取る。
「あれはよくないね。普段の鈴木さんの距離だ。
天原選手はどうやら、鈴木さんを無理矢理いつものスタイルにさせようって魂胆らしい」
獅童さんの言う通り、普段の鈴木さんの射程だと云うのに手が出せない。
寧ろ、ミドルレンジでの差し合いなら鈴木さんよりも天原選手の方が上手なのだろう。
狙うとしたらカウンターしかないが、鈴木さんはそれをしようとはしなかった。
「誘われている・・・恐らく、ここから何かしらの対策があるんだろうね?」
「罠って事ですか?」
「そうだね。鈴木さんもそれを理解しているから手を出せないんだろう」
そんな話をしている間に2ラウンド目が終わる。
「まあ、まだ2ラウンド目だ。先は長いだろう」
「でも、このままじゃ・・・」
「勿論、坂田さんが解決策を見付けるだろうさ。それは解っているだろう?」
確かにそうだ。坂田さんならこの状況を打開する方法を導き出してくれるだろう。
しかし、3ラウンド目のゴングと同時にそれは起こった。
ゴングと同時に天原選手がダッシュして鈴木さんに近付いたのだ。
「戦法を変えてきた!?」
流石の獅童さんも天原選手の様子に動揺する。恐らく、鈴木さんもだろう。
天原選手が途端に足を使い出したのだ。
ショートレンジに入ったと思えば、すぐにミドルレンジへ、ミドルレンジからショートレンジへの切り替えが早い。
これは獅童さんも負けてしまうのも頷ける。
天原選手はオールラウンダーなのだろう。
しかも一つ一つがレベルが高い。
鈴木さんもそれに翻弄され、ボディーを貰いすぎたのか、足がでない。
それを好機と見たのか、天原選手が再びボディーを狙う。
その瞬間、鈴木さんがサウスポーにスイッチしながら左へ回避しつつ、右ジャブからの左ストレートを放つ。
それを喰らい、天原選手の膝が再び揺れた。
だが、しぶとく天原選手は踏ん張っている。
鈴木さんもダウンはしていないものの、完全に足が止まってしまった。
残り30秒になったところでどちらからともなく前に出ると両者が次の拳を放つ。
そこからはお互いに無呼吸連打であった。
「先に根をあげた方が負けるね。しかし、天原選手の引き出しの多さが異常だ。
流石はチャンピオンの如月瞳のいるジムにいるだけあるね」
「え?そうなんですか?」
「あれ?知らなかったのかい?天原選手は如月瞳と同じジムの選手だよ?」
そうだったのか。それは知らなかった。
今度、調べてみよう。
そんな事を思っている最中、天原選手が呼吸の為に顔を上げる。
その瞬間を見計らって鈴木さんがアッパーを天原選手の顎に喰らわせた。
それでも天原選手は倒れない。
何と云う執念だ。何がそうまでさせているのだろうか?
そんな天原選手が右ストレートを放つ。
それに合わせて、鈴木さんが素早くスイッチしてオーソドックススタイルに戻り、カウンターの右フックを合わせた。
その一撃を喰らい、天原選手は今度こそ、倒れる。
鈴木さんは荒くなった呼吸を整えつつ、コーナーへと戻って行く。
今度こそ、立てない筈だ。
そんな淡い期待を打ち砕くようにカウント5で天原選手の手に力が込められる。
早くカウントが終われと思いながら、俺は天原選手がゆっくりと起き上がろうとするのを固唾を飲んで見詰める。
天原選手はロープを支えに立ち上がろうとするが、ロープとの距離を見誤ったのか、再び倒れ込む。
レフェリーが10カウントを取ったのは次の瞬間であった。
実感が湧くのに少し時間が掛かった。
だが、鈴木さんの手をレフェリーが上げたのを見て、改めて俺は鈴木さんが勝ったのだと実感するのであった。
こうして、鈴木さんはランキング3位へと上り詰めるのであった。
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