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陰猫(改)

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三日目・現状考察

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 大学の授業を受けながら、朝多マヤは疑問に思った事や配信のネタ探しをする。
 何気ない会話や日常にこそ、ネタというのは落ちているものである。
 例えば、大学生活最初の授業である古文のおさらいなどもその一つだ。
 いまの授業では古文のかぐや姫についてのおさらいだが、これを配信で話したりするのならば、竹取の翁についての解釈の違いなど気になる点が山ほど存在するし、それをネタに会話する事が成立する。

 ──例えば、物語出て来るかぐや姫は何故、月という別の惑星へと帰って行ったのか?
 成長過程的を考察するに竹取の翁の切った光る竹とは本当に竹であったのだろうか?
 かぐや姫が宇宙人だった説で考えるのならば、かぐや姫の姿は本当は擬態だったのではないだろうか?或いは何らかの事情で姿を隠していて噂だけがそれによって広がったのではなかろうか?
 他にも本来は月の民ではなく、地上の民だった場合も考えられる。竹取の翁が芝刈りへ行った時に拾ったのが、赤児だったかぐや姫であり、なんらかの王族の証を持っていたからこそ、竹取の翁はかぐや姫を拾って育てて、その噂が広がったのではないか?
 例えばであるが、上流階級の生まれで在るのならば、かぐや姫が天へ帰るのも、上流階級の王室の出──例えば、かつての皇室の生まれの出であったから正式に側室として迎えられたとも考えられる。
 または短命説などもあるだろう。かぐや姫が上位階級の王族であり、短命だったからこそ、死後を美化する為に月の使者というのがやって来て、かぐや姫は月に帰って行ったという話が作られたとも考えられる。有力なのはこの説であるが、当時の貴族達がこれに関して納得する訳がなかったからこそ、かぐや姫の策略があったのだろう。
 それこそが貴族達が過激な手段に出るのを恐れたが故の五つの試練だったのかも知れない。

 単にかぐや姫という作品に対して物語やおとぎ話として考えるのは簡単だが、見方や視点を変えるだけで此処まで全く別の答えや疑問などが溢れてくる。
 こういった現代では残らない民謡や神話背景から時代も考察出来るからこそ、朝多マヤは更に考えに没頭するのであった。

 これだけでも見方というのは多種多様であり、同時にそれに関する答えや解釈もまた多く存在する。
 こんな事を考えながら、朝多マヤは配信に使えそうな内容をまとめつつ、拡散方法を考えるのであった。
 しかし、朝多マヤはただ、それだけを考える器ではない。
 それとは別に現在、使っている情報配信媒体アプリの規制対策なども考えなくてはならなかった。いま、使っている配信媒体のアプリではある程度、疑問に関しての限界もあるが、これに関してはこの媒体に限った話ではない。
 今後も情報伝達をしていく中で必要な情報の疑問点を吟味し、如何に規約のルール範囲で交流するかという課題もある。
 なかなかに難しい挑戦だが、普通に勉学のみに集中するよりものめり込み、また勉学的な学習の楽しさに繫がるので朝多マヤとしてはかなり、やりがいを感じていた。
 しかし、それらをこなすには学生の身分だと、どうしても考えなくてはならない事があった。
 配信時間の固定化と習慣化である。ドクター・エンゼルフィッシュとして今後も活動する以上、朝多マヤとしてもそのデメリット部分にも目を向けなくてはならなかった。

 これらを踏まえつつ、朝多マヤは勉学と配信の両立方法を模索するのであった。そんな時、不意にある事を思い付く。

 この問題をリスナーと一緒に考えてみるのはどうだろうかと。
 これをする事でより純粋なリスナーが現れ、更に勉学と配信を両立させる為に大人な解答を提示してくれるリスナーが現れるのではないか?
 これはこれでアリだなと朝多マヤは思いつつ、授業の内容に耳を傾けながら、シャープペンで今日の配信内容ややりたい事をメモに書きつつ、授業内容もしっかりと書き込むのであった。

 帰宅してからは朝多マヤの行動は早かった。
 必要な課題をこなし、飽きの時間で話したい内容に目を通しつつ、携帯食料で食事をし、時間になったら配信に手を付ける。
 彼女の考える最も効率的で配信可能な時間は19時から20時であった。
 それ以上の不必要なトークは省く。これは単に大学生の身分だからと言う訳ではなく、課題をこなす自分のスピードと配信での体力的な事を踏まえての1日1時間だけという限定的な時間を考慮したのである。
 出来れば、他枠の水準や他の学生配信者などの配信を参考にしたかったが、朝多マヤにはその時間すら惜しい。
 出来る事は可能な内にやっておいて万全の状態で自身の配信活動を磨く。それが現在出来る朝多マヤなりの活動方法であった。

「みんな。こんばんは。今日もドクター・エンゼルフィッシュの配信をはじめて行くよ。
 今日はちょっと個人的な話だけれど、みんなは勉強と配信とか他にやる事とかがあったら、どうしてる?
 いま、ちょっと、それで悩んでいるんだよね?
 これからを考えると課題とかがこれからドンドン増えると一定の時間とかでの配信が難しくなると思うんだ。仕事でも勉学でもこれは変わらないと思うけれど、誰か何か良いアイディアとかあったら、アドバイスとかないかな?」
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